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転校生ちゃんと不審者さん
4-10 ソウヒ'' シタマエ!!
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「まずは私からにするか」
浅葱は持って来ていたトランクを机の上に置き、唯牙達に向けて開いた。中には4発の弾丸が緩衝材に包まれて入っていた。
「お! 新作!?」
正座から膝立ちになった凛々奈がケースの中を覗いて目を輝かせる。
「完全新作はこいつだけだな」
そう言って浅葱はケースから黄色の弾丸を手にして凛々奈に見せる。
「ゲルブフラッシュ|《黄の閃光》、着弾した瞬間にスタングレネードみてぇに音と光で攻撃する、普通に撃ち込んでも通用しない相手に対する搦手だな」
「え~なんか地味~、もっと派手な最強の奴作りなさいよ~」
ぶー、と口を窄める凛々奈
「んで? こっちは今までと一緒の奴?」
凛々奈はケースの中の赤、青、白の弾丸を指差した。
「ふん、聞いた所じゃ通用しなかったらしいな、
ExSeedとか言うガキに」
「そうよ! せっかくビリビリ撃ち込んだのに! アイツピンピンしてたって! そのせいで私海までぶっ飛ばされてお腹が黒焦げになったんだけど!」
「その弾、よく見てみろ」
「え?」
凛々奈は弾丸を目の前に持ってきてよく見る。すると弾丸に「SB」と刻印されているのに気付いた。
「SB|《スキルブレイカー》、これからお前が相手にするであろう化物達に対抗する為に、可能な限り威力、出力を高めたバージョンアップ版だ」
「おおー! いーじゃんいーじゃん!」
「ただ普通の人間に使うと何処当たっても間違いなく死ぬからな、それと以前の物と比べて雷撃や爆炎の効果範囲も広がってるから、自爆には気を付けろよ」
「はーい! 流石ね! 武器オタなだけあるわ! ありがと!」
凛々奈はケースの弾丸を全て取り出してワクワクして見つめている。
「礼を言えるならその失礼な呼び方をやめろ! ったく、言い忘れてたが値段もバージョンアップだ、無駄撃ちするとそこの大先生がブチ切れるぞ」
浅葱はニヤッと笑って唯牙を見た。
「まー背に腹は替えられんな」
はぁ、と溜息をつく唯牙。
「最後に、凛々奈あれ、パレットバレット貸せ」
浅葱は凛々奈に手を伸ばす。
「え~なんでよ~」
「メンテしてやるってんだよ!」
「ぶ~、傷付けないでよ~」
凛々奈は懐から取り出した銃を伸ばされた手に乗せる。
「作ったの私だぞこの野郎・・・」
浅葱は手に持った銃を様々な角度から見る、そして弾倉やトリガー、撃鉄も細かくチェックした。
「チっ、こいつこんなガサツな性格してやがる癖に銃だけはしっかりメンテしてやがる、イジるとこ無えじゃねえか」
「えへん! 当たり前でしょ! 私の大切な相棒だからね!」
胸を張る凛々奈、ほらよっとパレットバレットは凛々奈に返された。
「ウチの仕事はこんなもんかな、後はお医者様の時間だ」
浅葱はそう言うとソファの背もたれに深くもたれて目を閉じた。
「そうね、じゃあ早速だけど凛々奈ちゃん腕出して」
シエルは言いながらトランクを机の上に出して中から注射器を取り出す。
「はーいよ」
言われた通りに凛々奈はシエルの側に行き腕を出す。そして採血の為の道具をトランクから取り出して凛々奈に使用する。
「チクっとするわよ」
「うい~」
凛々奈は針を刺す痛みを全く気にしていない。あっさりと採取は終わった。
「唯牙さん、あれは何を・・・?」
大人しく様子を見ていたみいなが唯牙に尋ねる。
「凛々奈も普通の体質じゃないからね、念の為に定期的にいろいろと診てもらってるんだよ、今日は血液検査なんだけど」
唯牙が言いかけている時。
「はい、次はあなたよ、みいなちゃん」
シエルがみいなを見て言う。
「うぇ!? わたしも!?」
「そうよ、今の所あなたは特に体に異常はないみたいだけれど、念の為に、ね」
シエルはソファの自分の隣をぽんぽんと叩き此方へ来るように伝えるが。
「わ、わたしは大丈夫ですよ? ほら! 凛々奈さんみたいに暴れまわってないし! ご飯もいっぱい食べてますし! 元気いっぱいですし!」
顔面蒼白のみいながガタガタ震えている。
「あれ~みーちゃん注射が怖いのかな~?」
いつの間にかみいなの隣に来ていた凛々奈がニヤけながらみいなを見つめている。
「こ、怖いというか! 痛いのは誰でも嫌だと思うし! やらなくていいならやりたくないというか!」
珍しく早口になっているみいな。
「大丈夫! お姉ちゃんがついててあげるから!!」
凛々奈に支えられながらガタガタ震えるみいなはシエルの横に座る。
「ふぇあぁあぁやぁ」
みいながなんだかよく分からない声をだしている。器具を付けて後は採血するだけだ。
「みーちゃんギュってしててあげるからね~、刺す瞬間見る派~? 見たくない派~?」
「うえあえあぁえあ」
幸せそうにみいなを抱きしめる凛々奈と涙目で何を言ってるか分からないみいな。
「チクっとするわよ~」
「ひゃい!!」
可愛らしい悲鳴をあげたが、暴れたりせず問題なく採血が終わった。
「偉かったね~みーちゃん大丈夫~?」
胸にギュっと抱きついているみいなの頭を凛々奈が撫でている。
「仲がいいのね、貴方達」
器具を片付けながらシエルが言う。
「えへへ~やっぱり分かっちゃう~?」
ニヤけた顔の凛々奈。
「頼んでいたあれはどうだ?」
そこへ唯牙が割って入る。何かを頼んでいた様だ。
「出来てますよ、これ」
シエルがケースの中から取り出したのは棒付きキャンディ。凛々奈が使用しているあのキャンディだった。
「ん? オレンジ色じゃん、そんなんあったっけ?」
取り出されたキャンディを見て凛々奈は驚く。
「これは貴方が戦ったフラムって子の血液から因子を分析して作った物よ」
「なにそれ! てかアイツの血なんて何処からもってきたの!?」
凛々奈が若干引いている。
「あの日の夜にどさくさに紛れて採っといた」
夏の海でのあの日、唯牙はいつの間にかそんな事をしていたらしい。
「何やってんのセンセ!」
「使えると思ってな、説明はシエル頼む」
説明をシエルに投げ出して紅茶を飲み始める唯牙。
「もう知ってると思うけど、貴方達が捕らえられていた終人機関、そこで作られた能力者がフラムって子達、凛々奈ちゃんにもその子達と同じ因子が埋め込まれているんだけれど、因子を持つ子が全員能力に目覚める訳ではないの」
深刻な表情でシエルは説明を始める。
「あー知ってる、なんか失敗作だのなんだのって言ってたわ」
凛々奈はみいなを抱いて唯牙の隣に座った。
「そう、それで私が作っていた今までのキャンディは凛々奈ちゃんの中の不完全な因子の力を引き出す為の物、そして今回のコレはフラムって子の因子を取り込んで利用する為の物なの、本来彼女達ExSeedは一人一つしか能力が発現しない、でも凛々奈ちゃんは何も能力が無い0の状態」
「ふむふむ」
腕を組み真剣に話を聞いている。
「だから他の子の能力の因子の力を取り込んで、一時的にでも無理やり発現させられないかって作ったのがこれ、橙色、フレイムレイヴ、これを使えば能力者本人には及ばないけれど、同じ様に炎を操る力が目覚める筈」
「てことは! 私も超能力ガールの仲間入りって事ね!」
凛々奈は目を輝かせる。
「そうだけれど、副作用はまだ未知数、使った後に何か違和感があればすぐに私に相談する事、それと注意事項は今までのと同じ、一日3本まで、効果は5分、分かった?」
「了解!」
「またもしも他のExSeedの因子が手に入ったら教えて、可能ならば新しいフレーバーを調合するわ」
「てことは、また超能力使う奴ボコったら同じ特殊能力を使える訳ね!」
「まあ、そういう事ね」
「要するにロッ○マンね!!!」
キメ顔の凛々奈。
「ロッ○マンってなんですか?」
凛々奈の膝に乗っていたみいなが凛々奈を見ながら言う。
「YOU GOT FLAME RAVE」
「なんでいきなり英語なんですか?」
訳の分からないで盛り上がっている凛々奈とみいなを尻目に唯牙は浅葱とシエルに礼を言う
「手間をかけたな、二人とも、ありがとう」
「こちとら仕事の分の金だけ貰えりゃなんでもいいさ」
いつの間にか起きていた浅葱。
「力になれたなら良かったわ」
シエルは微笑んで言う。
「さて、やる事済んだし帰るか」
「そうね、みいなちゃん、ケーキと紅茶、ありがとう美味しかったわ」
「あ、もう帰っちゃうんですか」
「うん、またね、もしも体に何か異常がでたら、すぐに私に言うのよ」
「はい! ありがとうございました」
「ありがとね~、シエルさんと武器オタ~」
そうして二人の客人は帰って行った。凛々奈の新しい力を残して。
浅葱は持って来ていたトランクを机の上に置き、唯牙達に向けて開いた。中には4発の弾丸が緩衝材に包まれて入っていた。
「お! 新作!?」
正座から膝立ちになった凛々奈がケースの中を覗いて目を輝かせる。
「完全新作はこいつだけだな」
そう言って浅葱はケースから黄色の弾丸を手にして凛々奈に見せる。
「ゲルブフラッシュ|《黄の閃光》、着弾した瞬間にスタングレネードみてぇに音と光で攻撃する、普通に撃ち込んでも通用しない相手に対する搦手だな」
「え~なんか地味~、もっと派手な最強の奴作りなさいよ~」
ぶー、と口を窄める凛々奈
「んで? こっちは今までと一緒の奴?」
凛々奈はケースの中の赤、青、白の弾丸を指差した。
「ふん、聞いた所じゃ通用しなかったらしいな、
ExSeedとか言うガキに」
「そうよ! せっかくビリビリ撃ち込んだのに! アイツピンピンしてたって! そのせいで私海までぶっ飛ばされてお腹が黒焦げになったんだけど!」
「その弾、よく見てみろ」
「え?」
凛々奈は弾丸を目の前に持ってきてよく見る。すると弾丸に「SB」と刻印されているのに気付いた。
「SB|《スキルブレイカー》、これからお前が相手にするであろう化物達に対抗する為に、可能な限り威力、出力を高めたバージョンアップ版だ」
「おおー! いーじゃんいーじゃん!」
「ただ普通の人間に使うと何処当たっても間違いなく死ぬからな、それと以前の物と比べて雷撃や爆炎の効果範囲も広がってるから、自爆には気を付けろよ」
「はーい! 流石ね! 武器オタなだけあるわ! ありがと!」
凛々奈はケースの弾丸を全て取り出してワクワクして見つめている。
「礼を言えるならその失礼な呼び方をやめろ! ったく、言い忘れてたが値段もバージョンアップだ、無駄撃ちするとそこの大先生がブチ切れるぞ」
浅葱はニヤッと笑って唯牙を見た。
「まー背に腹は替えられんな」
はぁ、と溜息をつく唯牙。
「最後に、凛々奈あれ、パレットバレット貸せ」
浅葱は凛々奈に手を伸ばす。
「え~なんでよ~」
「メンテしてやるってんだよ!」
「ぶ~、傷付けないでよ~」
凛々奈は懐から取り出した銃を伸ばされた手に乗せる。
「作ったの私だぞこの野郎・・・」
浅葱は手に持った銃を様々な角度から見る、そして弾倉やトリガー、撃鉄も細かくチェックした。
「チっ、こいつこんなガサツな性格してやがる癖に銃だけはしっかりメンテしてやがる、イジるとこ無えじゃねえか」
「えへん! 当たり前でしょ! 私の大切な相棒だからね!」
胸を張る凛々奈、ほらよっとパレットバレットは凛々奈に返された。
「ウチの仕事はこんなもんかな、後はお医者様の時間だ」
浅葱はそう言うとソファの背もたれに深くもたれて目を閉じた。
「そうね、じゃあ早速だけど凛々奈ちゃん腕出して」
シエルは言いながらトランクを机の上に出して中から注射器を取り出す。
「はーいよ」
言われた通りに凛々奈はシエルの側に行き腕を出す。そして採血の為の道具をトランクから取り出して凛々奈に使用する。
「チクっとするわよ」
「うい~」
凛々奈は針を刺す痛みを全く気にしていない。あっさりと採取は終わった。
「唯牙さん、あれは何を・・・?」
大人しく様子を見ていたみいなが唯牙に尋ねる。
「凛々奈も普通の体質じゃないからね、念の為に定期的にいろいろと診てもらってるんだよ、今日は血液検査なんだけど」
唯牙が言いかけている時。
「はい、次はあなたよ、みいなちゃん」
シエルがみいなを見て言う。
「うぇ!? わたしも!?」
「そうよ、今の所あなたは特に体に異常はないみたいだけれど、念の為に、ね」
シエルはソファの自分の隣をぽんぽんと叩き此方へ来るように伝えるが。
「わ、わたしは大丈夫ですよ? ほら! 凛々奈さんみたいに暴れまわってないし! ご飯もいっぱい食べてますし! 元気いっぱいですし!」
顔面蒼白のみいながガタガタ震えている。
「あれ~みーちゃん注射が怖いのかな~?」
いつの間にかみいなの隣に来ていた凛々奈がニヤけながらみいなを見つめている。
「こ、怖いというか! 痛いのは誰でも嫌だと思うし! やらなくていいならやりたくないというか!」
珍しく早口になっているみいな。
「大丈夫! お姉ちゃんがついててあげるから!!」
凛々奈に支えられながらガタガタ震えるみいなはシエルの横に座る。
「ふぇあぁあぁやぁ」
みいながなんだかよく分からない声をだしている。器具を付けて後は採血するだけだ。
「みーちゃんギュってしててあげるからね~、刺す瞬間見る派~? 見たくない派~?」
「うえあえあぁえあ」
幸せそうにみいなを抱きしめる凛々奈と涙目で何を言ってるか分からないみいな。
「チクっとするわよ~」
「ひゃい!!」
可愛らしい悲鳴をあげたが、暴れたりせず問題なく採血が終わった。
「偉かったね~みーちゃん大丈夫~?」
胸にギュっと抱きついているみいなの頭を凛々奈が撫でている。
「仲がいいのね、貴方達」
器具を片付けながらシエルが言う。
「えへへ~やっぱり分かっちゃう~?」
ニヤけた顔の凛々奈。
「頼んでいたあれはどうだ?」
そこへ唯牙が割って入る。何かを頼んでいた様だ。
「出来てますよ、これ」
シエルがケースの中から取り出したのは棒付きキャンディ。凛々奈が使用しているあのキャンディだった。
「ん? オレンジ色じゃん、そんなんあったっけ?」
取り出されたキャンディを見て凛々奈は驚く。
「これは貴方が戦ったフラムって子の血液から因子を分析して作った物よ」
「なにそれ! てかアイツの血なんて何処からもってきたの!?」
凛々奈が若干引いている。
「あの日の夜にどさくさに紛れて採っといた」
夏の海でのあの日、唯牙はいつの間にかそんな事をしていたらしい。
「何やってんのセンセ!」
「使えると思ってな、説明はシエル頼む」
説明をシエルに投げ出して紅茶を飲み始める唯牙。
「もう知ってると思うけど、貴方達が捕らえられていた終人機関、そこで作られた能力者がフラムって子達、凛々奈ちゃんにもその子達と同じ因子が埋め込まれているんだけれど、因子を持つ子が全員能力に目覚める訳ではないの」
深刻な表情でシエルは説明を始める。
「あー知ってる、なんか失敗作だのなんだのって言ってたわ」
凛々奈はみいなを抱いて唯牙の隣に座った。
「そう、それで私が作っていた今までのキャンディは凛々奈ちゃんの中の不完全な因子の力を引き出す為の物、そして今回のコレはフラムって子の因子を取り込んで利用する為の物なの、本来彼女達ExSeedは一人一つしか能力が発現しない、でも凛々奈ちゃんは何も能力が無い0の状態」
「ふむふむ」
腕を組み真剣に話を聞いている。
「だから他の子の能力の因子の力を取り込んで、一時的にでも無理やり発現させられないかって作ったのがこれ、橙色、フレイムレイヴ、これを使えば能力者本人には及ばないけれど、同じ様に炎を操る力が目覚める筈」
「てことは! 私も超能力ガールの仲間入りって事ね!」
凛々奈は目を輝かせる。
「そうだけれど、副作用はまだ未知数、使った後に何か違和感があればすぐに私に相談する事、それと注意事項は今までのと同じ、一日3本まで、効果は5分、分かった?」
「了解!」
「またもしも他のExSeedの因子が手に入ったら教えて、可能ならば新しいフレーバーを調合するわ」
「てことは、また超能力使う奴ボコったら同じ特殊能力を使える訳ね!」
「まあ、そういう事ね」
「要するにロッ○マンね!!!」
キメ顔の凛々奈。
「ロッ○マンってなんですか?」
凛々奈の膝に乗っていたみいなが凛々奈を見ながら言う。
「YOU GOT FLAME RAVE」
「なんでいきなり英語なんですか?」
訳の分からないで盛り上がっている凛々奈とみいなを尻目に唯牙は浅葱とシエルに礼を言う
「手間をかけたな、二人とも、ありがとう」
「こちとら仕事の分の金だけ貰えりゃなんでもいいさ」
いつの間にか起きていた浅葱。
「力になれたなら良かったわ」
シエルは微笑んで言う。
「さて、やる事済んだし帰るか」
「そうね、みいなちゃん、ケーキと紅茶、ありがとう美味しかったわ」
「あ、もう帰っちゃうんですか」
「うん、またね、もしも体に何か異常がでたら、すぐに私に言うのよ」
「はい! ありがとうございました」
「ありがとね~、シエルさんと武器オタ~」
そうして二人の客人は帰って行った。凛々奈の新しい力を残して。
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