銃と少女と紅い百合

久藤レン

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転校生ちゃんと不審者さん

4-4 不審者さんへ事情聴取

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 華皇学園 応接室

 凛々奈はソファに体を小さくして申し訳なさそうに座っている。

「全く、この学園に忍び込む事が出来るなんて相当に危険な輩だと思ったら・・・・ウチの生徒がジャージで木登りしているなんて、前代未聞ですよ」

 テーブルを挟んで凛々奈の向かいに座る女性。

 華皇学園 学園長 桜花楓《おうか かえで》は溜息をつきながら紅茶の入ったカップを口に運ぶ。
 
 歳は50前後だろうか、白髪を後ろでシニヨンに纏め、学園長として相応しい凛とした佇まいで、このお上品な建物に完璧に馴染んでいる。

「あはは、サーセン・・・・」

 凛々奈の前にも湯気の立つ紅茶の入ったカップが置かれている。こちらはお城の様な内装の中、地味なジャージの異物感が凄まじい。

「一体どうやって入り込んだのかと思えば、学生証を持っている貴方なら問題なく入る事ができますか・・・」

「はい、普通に入りました・・・」

 本来敷地内に入るにはカードキー代わりの学生証が必要なのだが、この不審者は自分の学生証で鼻歌混じりにゲートを解錠し、何食わぬ顔で入って来ていた。

「でもその格好では警備員に見つかったら怪しまれるでしょう?」


 凛々奈の格好を見ながら言う


「そこは~、まあ、私の類稀なる身体能力でステルスアクション~みたいな? ダンボール被ったり」

 にへへ~と愛想笑いで誤魔化す。学園長は頭に手を抱えて溜息。

「はぁ、目的については大体察しはついていますけどね、今日からこの学園に通う・・・みいなさん、だったかしら?」

「ありゃ、知ってました?」

「当然です、私が神代さんに相談を受けて是非我が校へどうぞとお誘いしたんですから」


「そういや学園長さんセンセとハルさんが此処でJKやってる時からいるんだもんね」

「当時は学園長ではありませんけどね、神代さん達
には当時いろいろとお世話になりました・・・・」


「うぷぷ、センセとかめちゃめちゃ問題児扱いされてそう」

 馬鹿にしたような顔で笑いをこらえる凛々奈。

「どの口で言うんですか・・・・それより今日はみいなさんの付き添いに来たんでしょう? 何故ジャージで木に登っていたんですか?」

「えっ? だってみーちゃんの学生生活見たいし、変な輩がみーちゃんに絡んだりしない様に見守ってあげようと・・・・」


「貴方も普通に制服を着て登校すればよかったのでは? 事情を話してくれれば初等部に様子見に入らせてあげるくらいできましたのに」


「・・・・・・・・・・あ」

 目を点にする凛々奈。

「・・・・神代さんの苦労が目に浮かびますよ」

 
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