20 / 113
悪人駆除のlastpalm
2-5 凛々奈のお仕事 "ミッションコンプリート"
しおりを挟む
事務所の中いた十数人の男達は紙袋、ではなく凛々奈に挑みかかる者と逃走する者に別れたが、凛々奈はそれらを全員死なない程度に痛めつけ意識を奪っていった。
そして五分と掛からず部屋を制圧した。
「こんなもんかしらね」
パンパンと手で体の埃をはらいながら言う。そして男達のポケットを漁りスマートフォンを取り出した。
依頼人の写真データを消去する為だったが殆どのスマートフォンにロックが掛かっており操作出来なかった。
「アウトロー気取ってる奴らも画面ロックってするものなのね」
そんなもんかと思いながら凛々奈は。
「えい!えい!」
バキッ バキッ
板チョコでも割るように1台1台スマートフォンをへし折った。
「さて、後はお山の大将だけね」
そして部屋の奥の扉を開けて階段を上がっていく。これだけ騒ぎを起こしても降りてこないと言う事は何かしらの待ち伏せか罠があるに違いないと警戒しつつ二階のドアを開けた。
しかしそこには部屋の中央のソファでいびきをかいて寝ている太った男が居るだけだった。
「ま~じ?」
すっかり気が抜けてしまったがあとはこの男だけだと凛々奈はソファに近付く。顔を覗くと男はこれ以上ない程幸せそうな寝顔で寝ていた。
「いい夢見てるのか知らないけど、これ叩き起こしたらなんか私が悪い奴みたいじゃないの」
そう思うとなんだかイラッとしたので凛々奈は寝ている男の胸倉を掴み100kgを超えているであろう巨体を片手投げ飛ばした。
「がはぁ」
男は壁に叩きつけられ目が覚める。状況が分からずキョロキョロと周りを見渡している。
「いい夢見てたところごめんなさいね、あんたがここの大将で間違いないかしら?」
投げ飛ばした男に近付きながら尋ねる。
「なんだぁ! テメェは! ふざけた格好しやがって! 今日はハロウィンじゃねえぞ!」
「それもうさっきやったわよ」
そして凛々奈は男を回し蹴りで吹き飛ばす。
うぎゃあと男は部屋の奥へと転がった。
「なんなんだテメェはよぉ!! 他の奴らは何してやがる!」
「もう先におねんねしてるわ、ん? もっと先におねんねしてたのはアンタだったけど、ま、どっちでもいいわ」
横にあった机に手を付いて立ち上がろうとしている男に続ける。
「あんた達が追ってる女の子、別にあんた達の取引を見たわけでも写真を撮った訳でもないからさ、手を引いてくれる?」
「バッカ野郎!そんなんではいそうですかって済ませられる訳ねえだろが!!きっちり大人の怖さってやt」
ガィィン!
男の顔の横に何か突き刺さる。それは凛々奈が投げたナイフだった。下の奴らが落とした物を一本だけ持ってきていた。
「それももうやったって」
冷たい眼光で袋の穴から男を睨み付ける。ナイフを投げる動きが全く見えなかった男は体に鳥肌が立ち、目の前の存在への恐怖で動けなくなっていた。
「わ、分かった もうあのガキからは手を引く!もう勘弁してくれ」
両手を挙げて涙目になり答える。
「あら、下の奴らより聞き分けいいじゃない、あとあの子の写真、全部消去しなさいね」
「分かりましたぁ!」
ババッと男はポケットから素早くスマートフォンを出し、こちらに画面を向けながら操作して画像を消去した。
「いい子ね、物分りのいい子は好きよ」
凛々奈は袋の下でニコッと笑って男に近付いて行く。
「という訳でミッションコンプリートです。依頼料その他諸々合わせて百二十万円お支払願います!」
「えっ? は? ウチが払うの?」
男はぽかーんとして言った。
「当たり前でしょうが!! アンタらがカタギの人に迷惑かけなかったらこんな事にはなってないの!! ほら! そこの! 金庫でしょさっさっと開ける!!」
ドガァン! バリィン!
凛々奈は横にあったソファを蹴り飛ばす。ソファは窓ガラスをぶち破って外へ飛んでいった。
「はっはいぃ!」
男は部屋の角の金庫に飛びつき急いで解錠して札束を明け渡した。
「はーいまいどありー!」
凛々奈はもう一枚ポケットの中に持ってきていた紙袋に札束を入れて部屋の出口へ向かう。
「もう合うことはないといーねー!おじさん!」
上機嫌に歩いてく背中を見る男は音を出さない様に目の前の引き出しを開けた。そして中にあった拳銃を紙袋に向ける。
「馬鹿にしやがって・・・」
相手に聞こえない様小さく呟き引き金を引く指に力をかけた。
「それ、撃ったら殺し合いだからね」
出口を向いたままの紙袋が立ち止まり、今までと違う感情のない声が響いた。
「指一本で簡単に命を奪える素敵な道具よね」
「その人差し指には狙う相手と自分の命が掛かってるって理解して銃《それ》は使いな」
「・・・・ッツ」
凛々奈の放つプレッシャーなのか目の前の敵に引き金を引く勇気が無かったのか、男は腕をおろした。
「賢い選択ね」
そのまま凛々奈はドアに手を掛けるが何かを思い出した様に振り返り男に声をかけた。
「あっそうだそうだ、もしここにユウキって奴いたらさ、もし足洗いたいって言ってきたらそのまま辞めさせてあげて!」
さっきの冷たい声から元の元気な声に戻っていた。
「これはただの個人的なお願いだからさ一応でいいから覚えといて~」
「あ?ユウキ?なんで?」
またもや困惑している男を尻目に凛々奈はドアを開けて部屋から出ていく。
「じゃあね~!」
バタン!と扉の閉まる音か鳴った
そして五分と掛からず部屋を制圧した。
「こんなもんかしらね」
パンパンと手で体の埃をはらいながら言う。そして男達のポケットを漁りスマートフォンを取り出した。
依頼人の写真データを消去する為だったが殆どのスマートフォンにロックが掛かっており操作出来なかった。
「アウトロー気取ってる奴らも画面ロックってするものなのね」
そんなもんかと思いながら凛々奈は。
「えい!えい!」
バキッ バキッ
板チョコでも割るように1台1台スマートフォンをへし折った。
「さて、後はお山の大将だけね」
そして部屋の奥の扉を開けて階段を上がっていく。これだけ騒ぎを起こしても降りてこないと言う事は何かしらの待ち伏せか罠があるに違いないと警戒しつつ二階のドアを開けた。
しかしそこには部屋の中央のソファでいびきをかいて寝ている太った男が居るだけだった。
「ま~じ?」
すっかり気が抜けてしまったがあとはこの男だけだと凛々奈はソファに近付く。顔を覗くと男はこれ以上ない程幸せそうな寝顔で寝ていた。
「いい夢見てるのか知らないけど、これ叩き起こしたらなんか私が悪い奴みたいじゃないの」
そう思うとなんだかイラッとしたので凛々奈は寝ている男の胸倉を掴み100kgを超えているであろう巨体を片手投げ飛ばした。
「がはぁ」
男は壁に叩きつけられ目が覚める。状況が分からずキョロキョロと周りを見渡している。
「いい夢見てたところごめんなさいね、あんたがここの大将で間違いないかしら?」
投げ飛ばした男に近付きながら尋ねる。
「なんだぁ! テメェは! ふざけた格好しやがって! 今日はハロウィンじゃねえぞ!」
「それもうさっきやったわよ」
そして凛々奈は男を回し蹴りで吹き飛ばす。
うぎゃあと男は部屋の奥へと転がった。
「なんなんだテメェはよぉ!! 他の奴らは何してやがる!」
「もう先におねんねしてるわ、ん? もっと先におねんねしてたのはアンタだったけど、ま、どっちでもいいわ」
横にあった机に手を付いて立ち上がろうとしている男に続ける。
「あんた達が追ってる女の子、別にあんた達の取引を見たわけでも写真を撮った訳でもないからさ、手を引いてくれる?」
「バッカ野郎!そんなんではいそうですかって済ませられる訳ねえだろが!!きっちり大人の怖さってやt」
ガィィン!
男の顔の横に何か突き刺さる。それは凛々奈が投げたナイフだった。下の奴らが落とした物を一本だけ持ってきていた。
「それももうやったって」
冷たい眼光で袋の穴から男を睨み付ける。ナイフを投げる動きが全く見えなかった男は体に鳥肌が立ち、目の前の存在への恐怖で動けなくなっていた。
「わ、分かった もうあのガキからは手を引く!もう勘弁してくれ」
両手を挙げて涙目になり答える。
「あら、下の奴らより聞き分けいいじゃない、あとあの子の写真、全部消去しなさいね」
「分かりましたぁ!」
ババッと男はポケットから素早くスマートフォンを出し、こちらに画面を向けながら操作して画像を消去した。
「いい子ね、物分りのいい子は好きよ」
凛々奈は袋の下でニコッと笑って男に近付いて行く。
「という訳でミッションコンプリートです。依頼料その他諸々合わせて百二十万円お支払願います!」
「えっ? は? ウチが払うの?」
男はぽかーんとして言った。
「当たり前でしょうが!! アンタらがカタギの人に迷惑かけなかったらこんな事にはなってないの!! ほら! そこの! 金庫でしょさっさっと開ける!!」
ドガァン! バリィン!
凛々奈は横にあったソファを蹴り飛ばす。ソファは窓ガラスをぶち破って外へ飛んでいった。
「はっはいぃ!」
男は部屋の角の金庫に飛びつき急いで解錠して札束を明け渡した。
「はーいまいどありー!」
凛々奈はもう一枚ポケットの中に持ってきていた紙袋に札束を入れて部屋の出口へ向かう。
「もう合うことはないといーねー!おじさん!」
上機嫌に歩いてく背中を見る男は音を出さない様に目の前の引き出しを開けた。そして中にあった拳銃を紙袋に向ける。
「馬鹿にしやがって・・・」
相手に聞こえない様小さく呟き引き金を引く指に力をかけた。
「それ、撃ったら殺し合いだからね」
出口を向いたままの紙袋が立ち止まり、今までと違う感情のない声が響いた。
「指一本で簡単に命を奪える素敵な道具よね」
「その人差し指には狙う相手と自分の命が掛かってるって理解して銃《それ》は使いな」
「・・・・ッツ」
凛々奈の放つプレッシャーなのか目の前の敵に引き金を引く勇気が無かったのか、男は腕をおろした。
「賢い選択ね」
そのまま凛々奈はドアに手を掛けるが何かを思い出した様に振り返り男に声をかけた。
「あっそうだそうだ、もしここにユウキって奴いたらさ、もし足洗いたいって言ってきたらそのまま辞めさせてあげて!」
さっきの冷たい声から元の元気な声に戻っていた。
「これはただの個人的なお願いだからさ一応でいいから覚えといて~」
「あ?ユウキ?なんで?」
またもや困惑している男を尻目に凛々奈はドアを開けて部屋から出ていく。
「じゃあね~!」
バタン!と扉の閉まる音か鳴った
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる