銃と少女と紅い百合

久藤レン

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悪人駆除のlastpalm

2-4 凛々奈のお仕事 "スタート"

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 ここは違法薬物を密売して金を設けている極道崩れが使っている事務所、ここ数日ある問題があって組織のメンバーは荒れていた。

「おい!あのガキ今日連れてくるんじゃなかったのか!ああ!」

「すいません! 今日住んでる家見つけ出して二人向かわせてた筈なんですけど何でかあいつら連絡よこさねぇんです!」

 偉そうなスキンヘッドの男が小太りの下っ端らしき男を怒鳴りつけている。

「ガキ一人連れてくるだけだろうがよぉ!連絡無えならお前行けやゴラ!」

ドガッ

偉そうな方が小太りを蹴りつける。

「お前らもやる事ねえなら行っててこんかい!」

 男は隅のテーブルで酒を飲んで寛いでいる何人かの若い男にも怒鳴る。

「嫌っすよ 俺ら薬の売買担当でバイトさせてもらってるだけなんで つーかそれ頼むなら別で金貰いますよー 」

 若い男は半笑いで返した、どうやらこの組織は何人かの極道崩れが経営していて若い半グレを金で雇ってシノギを回しているようだ。事務所の中には若い男が十人と少し、強面のいかにもな壮年の男達が八人程居た。

「こいつらあんまり舐めてっと知らねぇぞ オイ ユウキはどうした! アイツに向かわせろ」

 男は蹴りつけた男に言う。

「アイツは無理っすよアニキ、喧嘩も出来ねえ女誑かしてブツ売り付けることも出来ねえ、ただ周りにナメられない様に悪ぶってるだけのガキでさぁ」

 蹴られた腹を擦りながら下っ端男が立ち上がる

「そんな半端モンウチに置いとけねぇなぁ、近い内に分からせてやらねえとな こっちの常識を」

「へい!一回痛めつけて分からせてやってくだせえアニキ!今は酒の買出しに行かせてますんで!もう帰ってくると思いますぜ!」

「その後は体のいい鉄砲玉にでもして使い潰してやれや」

「わかりやしたあ!」

ガチャリ

入口のドアが開いた。

「帰ってきたみたいですぜ!アニキ!」

二人の男は入口に注目した。

「こんばんわー」

 しかし入ってきたのは謎の、よく分からない存在だった。

「えっなに!この・・誰!?」

 小太りは目をパチパチしながら混乱している、
現れたのは上下黒いジャージに何故か紙袋を頭から被っている奇妙な存在だった。申し訳程度に目のある所に穴が一つずつ空いている。

「な、なんだぁ!てめぇ!今日はハロウィンじゃねえぞコラァ!」

 偉そうな男は若干戸惑いを隠せない様だがナメられないように声を荒げて謎の紙袋に詰め寄った。

「えっと 今みなさんが探している女の子なんですけれど、別にみなさんの取引を見てた訳でも写真に撮ってた訳でもありません! 警察にタレこむつもりもございません! なので今後一切彼女に関わらないようお願いします!」

 この紙袋、声からするに女の様だが自分よりガタイのいい男に詰め寄られているにも関わらず全く怖じ気付いていない。

「ああ!?そんなんで はいそうですかで済ませれるわきゃ無えだろボケ!あの嬢ちゃんにはなあ大人の怖さって奴をしっかり分かって貰わねえといけねえんだよ!」

 ゲヒヒ と下品に男は笑った。

「おっけー!お仕事開始っ!」

ドゴーンという音と共に紙袋の前にいた男は吹っ飛んだ。壁まで一直線に飛んで叩きつけられ、そのまま気を失って倒れた。


「あと肖像権? の侵害的なアレでお前らのスマホの画像フォルダ見せてもらいますんでー」

 小太りの男は吹っ飛んだスキンヘッドに駆け寄る。

「あっアニキィ!! テメェらこの紙袋やっちまえ!袋叩きにしろ!袋だけに!」

「えぇマジッすか、俺ら関係なくない?」

 小太りは必死になって説得していた。

「金なら払ってやるから! つーかテメエらも無関係じゃねえぞ!」

「チっ マジで金用意しといてくださいよ お前らさっさとやっちまうぞ」

若い男達のリーダーの様な男が指示をだす。

「丁度これ使ってみたかったんすよ!地元の先輩に改造して貰ったんすコレ!」

 リーダーに続いて立ち上がった男の手にはスタンガン。

「マジでデカイ男でも一発で気絶するらしいっすよ!」

 バチバチと光を放っている。

 若い連中と共に奥で寛いでいた吹っ飛んだスキンヘッドと同じ位歳の男達も睨みながら歩いてくる。

「一番偉いやつは2階って言ってたわね」

 スタンガンやナイフなどを持って男達が寄ってきているが全く気にしていない様に呟いた。そして
男達に告げる。

「とりあえず今回は気絶する位に半殺しにするけど、次またカタギの人に迷惑かけてウチに依頼が来るような事があったらその時は殺すから、覚えておいてね」

「なにいってんだこいつ、ダッセ」

 スタンガンを持った男が半笑いで寄ってきた。
 そして手を突き出してスタンガンを押し当てる。

「アレ?」

 しかし持っていたスタンガンは何処かへ消えてしまっていた。そして目の前にいた紙袋も居なくなっている。

「これ、どうせ碌でもない使い方しようとしてたんでしょ?女の子襲う為とか」

 何故か背中から声が聞こえた。

「あんた達みたいな奴同士で喧嘩に使うなら勝手にどうぞだけれど、普通の人に今後使ったら殺しに来るからね」

「なんだよお前キメぇよ!」

 男は振り返って殴りかかろうとしたが。

「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃ」

 喉元にいつの間にか奪われていたスタンガンを当てられ気を失った。

ざわざわとその光景を見ていた男達がざわめく、この紙袋は自分達がどうこうできる存在ではないと感じ初めていた。

「よっし!チャチャッとやっちゃうか! 逃さないからね!」

 紙袋から除く目がニコッと笑った。



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