11 / 113
血に染まる百合と私の出会い
1-11 帰る場所
しおりを挟む
◆
「凛々奈ちゃん!」
「・・・・・」
「ここから出たら一緒にお花屋さんしようね!!」
「別に私は他にやりたい事もないし、やってあげてもいいわよ」
「やったぁ!約束だよ!大人になってもずっと一緒にお花屋さんしようね!」
◆
「ハッ!」
(ヤバっ!一瞬意識飛んでた!)
暖かい夢を見ていた気がするけど、目の前の血の海と首が取れかかった男がいる光景が私を現実に引き戻した。
「ッ!みーちゃん!!」
さっき彼女がいた二階の通路を見るとそこに少女の姿は無かった。
「うそっ」
私は立ち上がり、倉庫の角にあった階段へ駆け出した。
(痛っ!背中の傷は塞がりかけてる、まだ効果時間内って事は1分前後しか気を失って無かった筈)
階段を駆け上がると下から見えない位置に少女は倒れ込んでいた。
「みーちゃん!!」
全速力で駆けつけて少女の頭を起こし膝に乗せて無事を確認する、呼吸は問題なくしているようだ。
「良かったぁ、何かあったらどうしよかと」
「ん・・・凛々奈さん?」
「みーちゃん!良かった!大丈夫?どっか痛い所ない?アイツらに酷いことされなかった?」
「いえ、大丈夫・・・です、凛々奈さんこそ怪我が・・・早く・・・病院に行かないと」
まだ少し意識が朦朧としているが怪我はしていないようで少し安心する。
「私は大丈夫だから、こんな時まで人の事心配しなくていいの!」
「でも・・・背中」
「大丈夫だって! みーちゃん、帰ろっか!」
眩しいくらいの笑顔を向けて言う、するとみいなは安心した用に目を瞑り眠ってしまった。
「無理も無いよね、まだ子供なのにこんな事に巻き込まれて」
・・・・本当にこの子が帰りたいのは両親と普通に暮らしていた平和な時間なのだろう、心の底から安心出来る場所が これからのこの子には必要だ。
「その為に、私は・・・」
少し目を伏せ考える。
「いやいや!先ずは私の家に帰ってゆっくり休ませてあげないと!」
気持ちを切り替えて私は少女の体を抱き上げ通路を渡り階段を降りる。
「あ!私窓から忍び込んだんだった!」
みーちゃんを抱いたまま窓から飛び降りる訳にはいかないなと出口は何処かとさがしてみたが後ろを見ると。
「おっ!さっきの私ナイス!こっから出られそうね!」
そこには先程の戦闘で凛々奈の撃った"白の衝撃"
で空いた穴が空いている。
「あっそういえば!!」
凛々奈は先程打ち倒した男の元へ駆け寄り白衣の中を調べる。
「大事な相棒を忘れる所だったわ」
奪われていた愛銃 パレットバレットを取り戻した。これで此処にもう要はない。
少し身を屈めて穴を潜り倉庫の外へと出る事が出来た。そしてふと夜空を見上げると綺麗な満月が輝いていた。
「月が綺麗だよ、みーちゃん」
腕の中で眠る少女を見ると安心したように安らかに眠っていた、頭を支えていた右手を少し動かして少女の髪を撫でる。
「もう大丈夫だからね」
優しく声を掛けてから凛々奈は歩きだす。そして少し歩いてから急に立ち止まりバッとみいなを見つめ直す。
「さっきみーちゃん凛々奈さんって言って無かった!!????」
「うーん 可愛いやつよのう、なんなら凛々奈お姉ちゃんにして貰おっかな!!」
少女は一人上機嫌に歩いていった。
◆
倉庫の中、血溜まりに倒れる男の口が動き出す。
「見つけた、 何れ・・・たどり着く」
「6組の"調整者"と"超越の種"|《ExSeed》・・・」
「誰がこの世界を手に入れるのかなぁ」
「俺は・・・お前に張ってるんだぜ、アーク・・・」
そして今度こそ完全に動かなくなった。
ピ ピ ピ ピ ピーーーーーー
男の掛けていたメガネから機械音と音声が鳴る。
「装着者の死亡が確認されました、記録されていた映像と音声を指定されていたアドレスへ転送開始します、送信先 アーク ラインハルト」
ピーーーーー
「凛々奈ちゃん!」
「・・・・・」
「ここから出たら一緒にお花屋さんしようね!!」
「別に私は他にやりたい事もないし、やってあげてもいいわよ」
「やったぁ!約束だよ!大人になってもずっと一緒にお花屋さんしようね!」
◆
「ハッ!」
(ヤバっ!一瞬意識飛んでた!)
暖かい夢を見ていた気がするけど、目の前の血の海と首が取れかかった男がいる光景が私を現実に引き戻した。
「ッ!みーちゃん!!」
さっき彼女がいた二階の通路を見るとそこに少女の姿は無かった。
「うそっ」
私は立ち上がり、倉庫の角にあった階段へ駆け出した。
(痛っ!背中の傷は塞がりかけてる、まだ効果時間内って事は1分前後しか気を失って無かった筈)
階段を駆け上がると下から見えない位置に少女は倒れ込んでいた。
「みーちゃん!!」
全速力で駆けつけて少女の頭を起こし膝に乗せて無事を確認する、呼吸は問題なくしているようだ。
「良かったぁ、何かあったらどうしよかと」
「ん・・・凛々奈さん?」
「みーちゃん!良かった!大丈夫?どっか痛い所ない?アイツらに酷いことされなかった?」
「いえ、大丈夫・・・です、凛々奈さんこそ怪我が・・・早く・・・病院に行かないと」
まだ少し意識が朦朧としているが怪我はしていないようで少し安心する。
「私は大丈夫だから、こんな時まで人の事心配しなくていいの!」
「でも・・・背中」
「大丈夫だって! みーちゃん、帰ろっか!」
眩しいくらいの笑顔を向けて言う、するとみいなは安心した用に目を瞑り眠ってしまった。
「無理も無いよね、まだ子供なのにこんな事に巻き込まれて」
・・・・本当にこの子が帰りたいのは両親と普通に暮らしていた平和な時間なのだろう、心の底から安心出来る場所が これからのこの子には必要だ。
「その為に、私は・・・」
少し目を伏せ考える。
「いやいや!先ずは私の家に帰ってゆっくり休ませてあげないと!」
気持ちを切り替えて私は少女の体を抱き上げ通路を渡り階段を降りる。
「あ!私窓から忍び込んだんだった!」
みーちゃんを抱いたまま窓から飛び降りる訳にはいかないなと出口は何処かとさがしてみたが後ろを見ると。
「おっ!さっきの私ナイス!こっから出られそうね!」
そこには先程の戦闘で凛々奈の撃った"白の衝撃"
で空いた穴が空いている。
「あっそういえば!!」
凛々奈は先程打ち倒した男の元へ駆け寄り白衣の中を調べる。
「大事な相棒を忘れる所だったわ」
奪われていた愛銃 パレットバレットを取り戻した。これで此処にもう要はない。
少し身を屈めて穴を潜り倉庫の外へと出る事が出来た。そしてふと夜空を見上げると綺麗な満月が輝いていた。
「月が綺麗だよ、みーちゃん」
腕の中で眠る少女を見ると安心したように安らかに眠っていた、頭を支えていた右手を少し動かして少女の髪を撫でる。
「もう大丈夫だからね」
優しく声を掛けてから凛々奈は歩きだす。そして少し歩いてから急に立ち止まりバッとみいなを見つめ直す。
「さっきみーちゃん凛々奈さんって言って無かった!!????」
「うーん 可愛いやつよのう、なんなら凛々奈お姉ちゃんにして貰おっかな!!」
少女は一人上機嫌に歩いていった。
◆
倉庫の中、血溜まりに倒れる男の口が動き出す。
「見つけた、 何れ・・・たどり着く」
「6組の"調整者"と"超越の種"|《ExSeed》・・・」
「誰がこの世界を手に入れるのかなぁ」
「俺は・・・お前に張ってるんだぜ、アーク・・・」
そして今度こそ完全に動かなくなった。
ピ ピ ピ ピ ピーーーーーー
男の掛けていたメガネから機械音と音声が鳴る。
「装着者の死亡が確認されました、記録されていた映像と音声を指定されていたアドレスへ転送開始します、送信先 アーク ラインハルト」
ピーーーーー
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる