銃と少女と紅い百合

久藤レン

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血に染まる百合と私の出会い

1-10 決着と予兆

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 凛々奈の顔の横で火花が散る、リーチが伸びて首に直撃する軌道になった鉈を凛々奈は両手を添えたナイフでなんとか弾いた。

「重ッ!!」

 できる限り衝撃を受け流し弾かれながら飛ぶ。

「クロノスタシスじゃなかったら反応できなかったわね」

 体制を整え次の攻撃に備えナイフを構え言う。

「私達にやってた投薬とかの実験でそんなバケモノみたいな体になっちゃう訳?」

 蛇腹は腕を元の長さに戻しながら答えた。

「あぁーん?投薬?お前唯のお薬の臨床実験の為にわざわざ世界中からガキ集めたと思ってんの?」

「えっ違うの?」

「まあお前の時はちゃんと証拠隠滅して資料とか残さなかったからなぁ、よくあの時の生き延びれたね、お前」

「迎えに来た死神が私に惚れちゃったのかもね」

「はいはい、じゃあその死神に嫁いできな」

 また男が鉈を振りかぶり凛々奈に向かって振り回す、そして凛々奈は男に向かって駆け出した。

(この状態で怖いのは腕が縮んで鉈が切られる位置まで戻って来ること!集中して腕に注意を払いつつ鉈が来たらガード出来るよう準備しながら接近して殺す!)

 駆ける凛々奈だが腕は伸びたまま戻ってきていない、ナイフのリーチまで辿り着いた。

「貰った!」

「何を?」

 男は不敵に笑った、そして

ズバッ

凛々奈の背中を鉈が切り裂いた。



 ガチャッ タッタッタッ
自力で拘束を解いたみいなが部屋から脱出して二階の通路から倉庫を見渡す。

「りっりりなさん!」

そこには背中を大きく切り裂かれ大量に血を流す凛々奈がいた。

「あぁっいやぁ!いや!またしっしんじゃう」

「おとうさんも!おかあさんも!りりなさん!」

「わ、わたし、いやぁぁぁぁああああ!!!」

?52.46.44.52.31.11.52.40.52.31.52.40.27.35.51
         ノイズ

「やってくれるじゃない」

 なんとか後ろに跳躍して男から距離をとる、背中の傷は深く常人ならばショック死してもおかしくない程深かった。

(やばいわね、強化の時間はあと三分弱 それまでに傷が塞がるかどうかってとこね)

「伸ばしてても間接の所は無理やり曲げれるんでぇえす、こんなふうに」

男は右腕を3mほど伸ばし手首と肘がある場所からクイックイッと長い腕を曲げている。

(伸びた状態のままコの字に曲げて切りつけたってことか)

「わ、わたし、いやぁぁぁぁああああ!!!」

 声が響く、その声に凛々奈は顔を向ける。

「みーちゃん!!」

こちらを見て泣いている、こんな瀕死の姿をみせたらそりゃそうなるか

 私は笑顔を彼女に向ける。

「みーちゃん!絶対!一緒に帰るからねー!!」

 安心するようにできる限りの元気な声を届けた、
そして私達の最後の邪魔者に向き直る。

「次で終わらせるわよ」

 ナイフの切っ先を男の顔に向けて言う。

「おまえがどんなつもりでも終わりにしようと思ってたっつーの、瀕死のお嬢ちゃん」

 最後の攻防 狙うのはさっきと同じく接近して斬りつける、次は振るう腕の長さと背後の斬撃に注意を払いつつ走り抜ける、攻撃の方向さえ分かっていれば今の私なら感知して防げる。

「真っ紅に咲いてぶちまけろ!」

 再び駆ける、後方と左側に全神経を集中する
鉈が来たらはじき飛ばして奴が体制を整える前に切る!この傷と残り時間では最後のチャンスだ!

男は右手の鉈を振りかぶり攻撃を開始する。

 (入った!私の間合い!左か!後ろか!)

「答えはその中にはありませぇえん」

「あっ」

 彼女は右から鉈に切りつけられるに持った鉈に。

「あっああああ!あああああああああああああああああたたあたたたあああああああ」

それを見ていたみいなが声とも言えない悲痛な叫びをあげる。

 彼女の首は鉈に切り落とされ跳ねてゴロッと地面に転が

          ノイズ

「ああああああああああ!」

「やってくれるじゃない」

 えっ?りりなさん・・・? くびが・・・
いまのは、なに?

「伸ばしてても間接の所は無理やり曲げれるんでぇえす、こんなふうに」

 !?さっきといっしょ!?

「り!りりなさん!!!!」

 ほんとにだいじょうぶなの?でもせなかはさっきのままけがしてる!

「みーちゃん!!」

 りりなさんはこっちにあかるいえがおをむけてくれる、げんきなこえといっしょに

「みーちゃん!絶対!一緒に帰るからねー!!」

そしてそのまま、はしりだした。

(だめ!だめだめ!このままじゃまた!)

 少女にフラッシュバックするあの最悪の景色

「りりなさーーーん!!!!!はんたいの!!!てーーーーー!」

「え??」

「あ?あのガキ、今」

 すぐ様私は奴の左手を確認する、!?左手も後ろに引いて振りかぶっている!?逆側と背後に集中し過ぎて気付かなかった!!
 そしてそこから鉈が現れ切りつけられる。
 
「おりゃあああああッ!!!!」

ガギィン!
鉈を弾く、おそらく背後で手を交差させて持ち替えたのだろうがその分さっきの大振りより威力が低く私は体制を崩さず弾く事が出来た。

「ここだァあああああああああー」

スパッ

静かにナイフが走る音が鳴る、そして

頸動脈辺りを首の中ほどまで切り裂かれた男から、真っ赤な血が吹き出した。

「切り落としてやろうとしたんだけど、そういや首キモ過ぎに動くんだったわね」

血を吹き出す男と血の雨に濡れる少女は同時に膝を付いた。

 ああ、疲れた、痛い、早くみーちゃんの所に行かないと・・・あと二分くらいでうごけるまでは回復・・するかな・・・

「ゴボガボガボ!びゃーばっば!」

目の前の血の噴水が奇妙な笑い声をあげた。

「ぞゔが!!!あのガギ!SSR!!」

吹き出す血の勢いが落ちてきて、少し聞き取れる様になった

「ゴボァ!おお当たり!あのガキがいれゔぁ!ゔぉれたちは!!!!」

「おまぁえら!ごれがら!いろんなお客様が来ると!思うぜえ!!」

 血と男の鼓動はもう止まる。

「お ま え を つ れ て く 死 神 も き っ と く る」

バシャ!

血の海に男は倒れた。

「また、惚れさせてやるってのよ」

ごめん、みーちゃん・・・ちょっとだけ・・・
休憩・・・。





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