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血に染まる百合と私の出会い
1-1 始まりの紅
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頭がぼーっとする、ずっと ずっと
おとうさんとおかあさんが動かなくなって、知らない所に連れてこられてどれくらいたったのかな?
なんだか分からない注射を刺されて、変な薬を飲まされて。
頭がぼーっとするからいつからか涙もでない。
もう全部どうでもよくなって、でもどうしようもなくて心が終わってしまいそうな時。
何かが弾けるような音
紅、飛び散る、紅
靡く白い髪とスカート、それを染める紅
白、キレイに踊る、紅
私はこの人を、美しく煌めくこの景色に見惚れて・・・
いつの間にか気を失っていた。
◆
「センセ、保護できたよ! うん、無傷!」
「今は気を失っちゃってるみたい、直ぐにそっち向かうからさ、様子見てあげて!」
「私は、悪い大人を皆殺しにしてくるから」
◆
「おとうさん!おかあさん!」
何度叫んでも2人はピクリとも動かない。2人の頭には潰れた紅い花が咲いていた。
「いゃあ!」
今のは・・・夢? 薬のせいで頭がぼーっとする様になってから見なくなってたのに。
「嫌・・・嫌ぁ!」
なんでだろう今ははっきり感じてしまう、
悲しくて悲しくて、涙と声が全部止まらない。
「うァァァおとうさぁぁんおかあさぁぁぁん」
ガチャ
何か聞こえた様な気がした。でもそんなことよりただ涙と声が止まらなくて。そんな時ギュっと何か暖かいものに包まれた。懐かしい柔らかくて安心する、優しい感触だった。
でも、だけど、それでも涙は止まらなくて。
「大丈夫だよ、泣きたいだけ泣いて、溢れるだけ全部出しちゃいな」
頭の上からそんな声がして、この人の服が涙と鼻水でベチャベチャになるまで、私の涙は止まらなかった。
「あの! ごめんなさい! 服汚しちゃって!」
落ち着いてからずっと抱きしめてくれていた相手の姿を見る。高校生? 位のお姉さんだった。肩より少し長い位のキレイな黒髪で内側だけ白くなってる。
インなー・・なんとかっておかあさんが言ってた気がする。
「大丈夫! 気にしないでいいよ! 少しは落ち着いた?」
ぐちゃぐちゃのジャージを着たままお姉さんは優しく微笑んだ。優しい顔つきなのにどこか力強さのある瞳で、おかあさんとは違うお姉さんの優しさって感じで少し照れてしまった。
「はい、あの、ここは? 私はどうなっちゃったのでしょう?」
落ち着いてきて自分の状況が大きく変わっていた事を思い出してお姉さんに質問をしてみた。
♦
抱きしめていた目の前の少女を眺めると泣きはらして赤い顔をしているが可愛らしい女の子だ。歳は10歳に満たない位だろうか、腰ぐらいまである少しウェーブのかかった長い青白い髪、恐らく薬の影響だろう。もしかすると施設に居たストレスのせいかもしれない。同情と怒りの念を隠す様に笑顔で答える。
「ここは私の家兼事務所って感じかな、君を捕まえてた悪い奴らから私達が助けたんだよ、だからもう安心して!」
「そう、だったんですね、ありがとうございます」
彼女は無理したように笑って言うが無理もない。
目の前で両親を殺されて半年間監禁され薬物投与や実験をされていたんだ。もしかしたらもっと酷いことをされているかもしれない。作り笑いだけでもとてつもなく無理をしている筈だ。
ギリッ 無意識に奥歯を強く噛んでしまった。
「お姉さん?」
いけない、この子が気を使って作り笑いまでしてくれているのに私が不安にさせてどうする。
1度この黒い感情は置いておかないと。
「そういえばまだ自己紹介してなかったね! 私は凛々奈! 白銀 凛々奈《しろがね りりな》!よろしくね!」
「あっ、えっと、私は、花守みいな|《はなもり みいな》・・です。」
「じゃあねーみーちゃん! みーちゃんね!」
「へぁ!? みーちゃん?」
「うん! なんか可愛くない?? 嫌かな?」
「い、嫌じゃないですけど・・・」
「じゃあ決ーまり! それじゃあみーちゃん! 今はもう体調大丈夫?」
「えぁ、は、はい1日休ませてもらえたからなのか特に悪くないと思います・・・」
「いやーみーちゃんあの日から三日間ずっと寝てたんだよー! もちろん連れてきて直ぐ知り合いの医者に見てもらったけど、毎日心配だったんだから!」
「三日! そんなに寝ていたんですね、ごめんなさい、とてもお世話になってしまって」
「いーの! 子供がそんなこと気にしないの! じゃあまずは!」
「?」
「一緒にお風呂! はいろっか!」
おとうさんとおかあさんが動かなくなって、知らない所に連れてこられてどれくらいたったのかな?
なんだか分からない注射を刺されて、変な薬を飲まされて。
頭がぼーっとするからいつからか涙もでない。
もう全部どうでもよくなって、でもどうしようもなくて心が終わってしまいそうな時。
何かが弾けるような音
紅、飛び散る、紅
靡く白い髪とスカート、それを染める紅
白、キレイに踊る、紅
私はこの人を、美しく煌めくこの景色に見惚れて・・・
いつの間にか気を失っていた。
◆
「センセ、保護できたよ! うん、無傷!」
「今は気を失っちゃってるみたい、直ぐにそっち向かうからさ、様子見てあげて!」
「私は、悪い大人を皆殺しにしてくるから」
◆
「おとうさん!おかあさん!」
何度叫んでも2人はピクリとも動かない。2人の頭には潰れた紅い花が咲いていた。
「いゃあ!」
今のは・・・夢? 薬のせいで頭がぼーっとする様になってから見なくなってたのに。
「嫌・・・嫌ぁ!」
なんでだろう今ははっきり感じてしまう、
悲しくて悲しくて、涙と声が全部止まらない。
「うァァァおとうさぁぁんおかあさぁぁぁん」
ガチャ
何か聞こえた様な気がした。でもそんなことよりただ涙と声が止まらなくて。そんな時ギュっと何か暖かいものに包まれた。懐かしい柔らかくて安心する、優しい感触だった。
でも、だけど、それでも涙は止まらなくて。
「大丈夫だよ、泣きたいだけ泣いて、溢れるだけ全部出しちゃいな」
頭の上からそんな声がして、この人の服が涙と鼻水でベチャベチャになるまで、私の涙は止まらなかった。
「あの! ごめんなさい! 服汚しちゃって!」
落ち着いてからずっと抱きしめてくれていた相手の姿を見る。高校生? 位のお姉さんだった。肩より少し長い位のキレイな黒髪で内側だけ白くなってる。
インなー・・なんとかっておかあさんが言ってた気がする。
「大丈夫! 気にしないでいいよ! 少しは落ち着いた?」
ぐちゃぐちゃのジャージを着たままお姉さんは優しく微笑んだ。優しい顔つきなのにどこか力強さのある瞳で、おかあさんとは違うお姉さんの優しさって感じで少し照れてしまった。
「はい、あの、ここは? 私はどうなっちゃったのでしょう?」
落ち着いてきて自分の状況が大きく変わっていた事を思い出してお姉さんに質問をしてみた。
♦
抱きしめていた目の前の少女を眺めると泣きはらして赤い顔をしているが可愛らしい女の子だ。歳は10歳に満たない位だろうか、腰ぐらいまである少しウェーブのかかった長い青白い髪、恐らく薬の影響だろう。もしかすると施設に居たストレスのせいかもしれない。同情と怒りの念を隠す様に笑顔で答える。
「ここは私の家兼事務所って感じかな、君を捕まえてた悪い奴らから私達が助けたんだよ、だからもう安心して!」
「そう、だったんですね、ありがとうございます」
彼女は無理したように笑って言うが無理もない。
目の前で両親を殺されて半年間監禁され薬物投与や実験をされていたんだ。もしかしたらもっと酷いことをされているかもしれない。作り笑いだけでもとてつもなく無理をしている筈だ。
ギリッ 無意識に奥歯を強く噛んでしまった。
「お姉さん?」
いけない、この子が気を使って作り笑いまでしてくれているのに私が不安にさせてどうする。
1度この黒い感情は置いておかないと。
「そういえばまだ自己紹介してなかったね! 私は凛々奈! 白銀 凛々奈《しろがね りりな》!よろしくね!」
「あっ、えっと、私は、花守みいな|《はなもり みいな》・・です。」
「じゃあねーみーちゃん! みーちゃんね!」
「へぁ!? みーちゃん?」
「うん! なんか可愛くない?? 嫌かな?」
「い、嫌じゃないですけど・・・」
「じゃあ決ーまり! それじゃあみーちゃん! 今はもう体調大丈夫?」
「えぁ、は、はい1日休ませてもらえたからなのか特に悪くないと思います・・・」
「いやーみーちゃんあの日から三日間ずっと寝てたんだよー! もちろん連れてきて直ぐ知り合いの医者に見てもらったけど、毎日心配だったんだから!」
「三日! そんなに寝ていたんですね、ごめんなさい、とてもお世話になってしまって」
「いーの! 子供がそんなこと気にしないの! じゃあまずは!」
「?」
「一緒にお風呂! はいろっか!」
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