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息苦しいほどに恋しい※R18
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夜の帳が下りる頃、肇はアレンに組み敷かれていた。
「んっ、ふぅ……んん」
息をつく暇もないほど激しく舌を絡ませ合う。口内を蹂躙されるたび、背筋がぞくぞくとして力が抜けていく。
「ぁ……」
ようやく唇が解放された頃には、すっかり蕩けた顔を晒してしまっていた。
「肇……」
アレンは感嘆ともつかないため息を漏らすと、頬や首筋に何度も唇を落とした。
「やっ、だめ、ですっ……」
服を着ていても隠しきれないような位置にまで痕をつけられて、嫌々と首を振る。アレンの腕から逃れるように身を捩るが、腰を強く押さえつけられて些細な抵抗すら封じられてしまった。
「君が欲しい」
耳元で囁かれた言葉にびくりと肩が跳ねた。
アレンの熱い吐息を感じて、心臓が壊れそうなくらい高鳴っていく。
「俺のものにしたい」
欲望を押し殺したような掠れ声に頭がくらくらした。
「婚約した時からもう、俺の全てはアレン様のものです」
「違う。俺が言っているのはそういうことじゃない」
「ん、ふ……んん、ふぅ」
再び唇を塞がれ、厚く硬い手のひらに服の上から体をまさぐられた。
「んん、はぁ、ん、っふ」
敏感な胸の突起に触れられる度、甘い痺れが走る。いつの間にか下衣を剥かれ、直接性器を握りこまれていた。
「っ……」
羞恥心に目を瞑ると、余計に感覚が鋭敏になる気がして恐る恐ると瞼を持ち上げた。
月明かりが照らす薄暗がりに、飢えた獣のようにぎらついた瞳があった。
「あっ……」
不意に脚を大きく開かされ、秘所の入り口に指先が触れた。
つぷりと侵入してきた異物感に思わず体が強張ってしまう。
「君を傷つけたりしない。だから怯えないでくれ」
「は、い……ん、ふ……んん、はぁ」
宥めるような口づけの合間にも、後孔を探る動きは止まらない。
くちゅくちゅと入口を出入りしていた指が根元まで挿入され、こりゅと前立腺を揉まれた。
「んあっ、や、あぁ」
拡張のために己で触れた時とは比べ物にならないほど気持ちが良かった。好きな人に触れられているという事実に身の内から甘い熱が湧き上がる。
狭い肉壁を押し拡げるようにゆっくりと抜き差しされる。その度に臍の裏側辺りがひくんひくんと震えた。
次第に二本目の指が挿入され、中でばらばらと動かされる。
「はっ、ああ、んっ……は、っ……」
駄々をこねる子供のように頭を振ってシーツを乱す。暴れる足を抱え上げられ、更に深く骨張った指を咥え込まされた。
「ひっ、う、んんっ……はぁ、っ、んぁ」
「苦しいのか?」
気遣わしげに尋ねてくるアレンに、ふるふると首を横に振る。
確かに圧迫感はあるが、それよりも快感の方がずっと強かった。
もっと、奥の方まで触ってほしい。
浅ましい願望を口に出すことができず、ただアレンを見つめることしかできない。
「……よかった」
安堵したように目を細めたアレンが、三本目の指を埋めてきた。
「あ、あ、っ……ふぅ、ん……あ、っ……」
先程よりも強い刺激に視界が明滅する。
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音を立てて中を掻き回されて、あまりの恥ずかしさに逃げ出したくなった。
けれど、アレンが前戯を楽しんでいるのならば、快感に負けて逃げを打ってはいけない。
ぎゅっとシーツを握り締め、小刻みに痙攣を繰り返す腿をゆらりと開いた。
ごくり、とアレンの張り出た喉仏が上下する。
「もっと、強くして、くださぃ……んあっ、あぅ、んん、~っっ」
望み通り激しく抽挿されると同時に、乳首を強く摘み上げられた。
頭の天辺から足の爪先まで電流のような快楽が駆け抜ける。
「ここが好きなのか? 教えてくれ、君が喜ぶことをしたい」
そう言って何度も同じ箇所ばかり責め立てられれば、絶頂はすぐそこまで迫っていた。
「ぁ、はぁ、っ……そこ、っ、すき、ですっ、アレンさまっ、ぁ、んっ、いくっ、いっ、ひっ、あぁ、ンぅう──っ!」
びくびくと腰が跳ねて、勢いよく白濁が飛び散った。
パタパタとアレンの手を汚していく。その様を見ていられずに目を逸らせば、慰めるように額に口付けられた。
「泣かないでくれ……」
密やかな声で囁くと、肇の後孔からずるりと指を引き抜いた。
「んんっ……」
ぽっかりと口を開けた後孔が喪失感を訴える。
無意識のうちに追いかけるように腰を揺らめかせてしまい、かぁっと頬が熱くなった。
「ふぅ、ん……アレン、さま……はやく、きて……ください」
「っ……どこでそんな誘い方を覚えてきたんだ」
誘い方など知らない。婚約から結婚までの期間に書物で調べた付け焼き刃だが、本当のことを言えばきっとアレンに面倒くさがられてしまう。
緊張に強張る顔を見られないよう、甘えるように腕を回して首筋に擦り寄った。
「ナイショ、です」
「っ……」
「ぁ、ン、っ」
猛り切った剛直をぴとりと後孔に添えられた。ぐっと腰を押し付けられると、ぬかるんだ孔が口を開いてくぷくぷと熱塊を呑み込んでいく。
「っ……ン、ぁ、はぁ」
息苦しさに喘ぐと、アレンが労るように顔中にキスの雨を降らせた。やがて唇にキスを落とされ、開いた口から熱い舌が侵入した。
小さな舌を絡め取られ、尖った犬歯で甘噛みされる。痛みすらも快感で、体の芯がドロリと甘く蕩けた。
「ふぅ、んん、っはぁ……んぅ」
「はっ、肇……」
口内を貪り合う間も、アレンはゆっくりと腰を推し進めた。
ずぷずぷと淫靡な音がして、下腹部がいっぱいに満たされていく感覚があった。
「ぁ、はぁ、アァ、あ、っ、ン、っああ」
最奥まで貫かれて、呼吸の仕方を忘れてしまったようにハクハクと口を開閉させる。
「っ、苦しくないか?」
「ん……うれしい、です……」
腹の上を撫でながら微笑むと、アレンが小さく息を詰めた。
胎内でどくんと陰茎が脈打つのを感じた。一回り大きさを増した陰茎に前立腺が押し潰され、挿入されただけでも絶頂に押し上げられてしまいそうなほど気持ち良かった。
「動いてもいいか」
「っ、はい……ン、んぅ」
耳元で囁かれた声には隠しきれない興奮の色があり、それだけでも達してしまいそうだった。
「あっ、ぁ、んんっ、ひぁ、あぁっ」
抽挿が始まった途端、待ち望んでいた刺激に甘い悲鳴が上がった。
「あっ、やっ、ン、はげしっ、あ、あ、っ」
だらしなく開いた唇を優しく撫でられる。くちゅくちゅと指先で舌を弄びながら、ぐっと身を寄せて耳元で囁かれた。
「……もっと、聞かせてくれ」
「んっ、ふぅ、っ、ぁ、はぁ、んっ、きもち、ぃ、ですっ、アレンさまっ、ぁ、っん、んんっ、~~ッ!!」
「っ……はぁ、肇、っ」
「あっ、あっ、んっ、はぁ、あぁ、~~っっ!」
ごりゅっと亀頭で前立腺を穿たれ、呆気無く精を放った。
「あっ、だめっ、いまイッてるからっ、ああっ」
絶頂の最中だというのに抽挿が激しくなり、過ぎた快感にぽろりと涙が溢れた。
「はぁ、っ……もっと見せてくれ」
「んんっ、ぁ、っ、は、い、アァ、んっ」
達したばかりで敏感な乳首を捏ねられ、ガクガクと腰が揺れる。
「あっ、あぁっ、ン、またイっちゃうっ、はぁ、あぁあ──っ!」
「くっ……!」
きゅううっと肉壁が強く収縮すると同時に、びゅーびゅーと熱い飛沫を叩きつけられた。
その熱量にさえ感じ入ってしまい、ビクンと背筋が仰け反った。
「んっ、ぁ……」
ずるりと剛直を引き抜かれるとぽっかりと空洞ができたような寂しさに襲われた。
はふはふと浅い呼吸を繰り返していると、ぎゅっと抱きしめられて首筋に高い鼻を擦り寄せられた。
「肇」
切羽詰まったような声に名前を呼ばれると、きゅう、と心臓が甘く締め付けられた。
「……アレン様、好きです」
ほろりと熱い雫が頬を伝う。硬い指先で涙の筋を拭うと、アレンは再び熱を持ち始めた陰茎を後孔に押し当てた。
「まだ足りない」
「んっ、ぁ、っ」
ずぷずぷと熱杭を埋め込まれていく。一度果てたことで柔らかくなったそこは、抵抗することなく長大な陰茎を飲み込んだ。
「もっと君に触れたい」
「あっ……んぁ……」
最奥まで貫かれ、逃がさないというように逞しい体に抱き込まれる。
そうだ、これはあくまでも後継を産むための義務的な行為なのだ。確実に孕むためには、一度では足りない。
快感に弛緩した腿をアレンの腰に巻きつけ、耳たぶに唇を寄せて囁いた。
「……ください。全部、俺にちょうだい」
「っ……」
「んっ、ぁ、っひアァ」
激しく突き立てられて、思考が快楽に染まっていく。
「はぁ、っ、ぁ、ん、あぁ、っ」
「っ、はぁ……」
「あぁ、っ、そこぉ、っ、すき、あぁ、んっ」
「ここか?」
「ンッ、ぁ、っ、好きっ、ですっ、あっ、ンンッ、いくっ、い、くぅっ、ンッ、~~ッッ!!」
何度も同じ箇所ばかり責め立てられた末に最奥まで穿たれ、視界が真っ白になった。
快感に蕩けた体があっという間に絶頂に追いやられる。
それでもアレンの責めはやまず、締め付けを繰り返す肉壁を掘削するようにして激しく腰を打ち付けられた。
「あっ、ンアァ、ひっ、やぁ、アァァア、~~っ」
達したばかりの敏感な体を容赦なく貪られ、過ぎる悦楽にボロボロと涙が溢れる。
身を捩って快感を逃そうとしても、全身をすっぽりとアレンの体に包み込まれているために身動ぎすらできない。
真上から突き刺すようにしてどちゅどちゅと最奥を穿たれて、行き止まりであるはずのそこが段々とぬかるんでいくのがわかった。
「あっ、あぁ、ンッ、あぁっ、ひぅっ」
とちゅんっと亀頭が結腸口に嵌まり込む度に、意識が飛びそうなほどの衝撃に襲われる。
「んぅ、はぁ、ぁああ──っ!」
「っ……肇っ」
「あっ、もぅ、ああっ、ひ、ンアァっ、ン~~っっ、アレ、さまっ、ンひっ、ンゥ、~ッッ」
ガクガクと壊れた人形のように揺さぶられながら、必死になって目の前の体にしがみついた。
絶頂の波が一向に引かない。ずっとイキっぱなしのような感覚があり、何も考えられないほど気持ち良い。
ただひたすらにアレンの名前を呼んでいたら、不意に唇を奪われた。
「んっ、ふぅ、っ、はぁ、んっ」
舌先を絡め取られ、ぢゅうっと強く吸い上げられる。唾液を流し込まれれば従順な体は従い、喉を鳴らして嚥下した。
その間も抽挿が激しくなり、いよいよ終わりが見えてきた。
「あっ、あぁっ、んっ、ンンっ、あぁっ、またイクっ、あぁっ、イ、ひっ、ンンッ、あぁ──っ!」
「くっ……!」
「ぁ、っ……あつぃ……ンゥ、ン~~ッッ」
胎内の奥深くでどくどくと脈打つ感覚があった。
射精しながらぐりぐりと奥を押し潰されて、過ぎた快感に爪先がピンと伸びた。
「はぁ……ん……」
ゆっくりと口内から出ていった舌が名残惜しくて追いかけると、優しく頭を撫でられた。
そのまま首筋に顔を埋められてちくりと痛みが走った瞬間、多幸感に包まれてそのまま意識を失っていた。
***
目を覚ますと、隣には誰もいなかった。
昨夜は随分と乱れてしまった気がする。記憶はないが、恐らくとんでもない醜態を晒してしまっただろうことは容易に想像できた。
(どうしよう……)
穴があれば入りたい気分だった。
愛する妻の乱れる姿ならまだしも、アレンにとってお飾りの妻に過ぎない肇の痴態など見るに耐えなかっただろう。唯一救われるとすれば、薬の効果でアレンの目には肇が美しく映っているということだった。
「……綺麗になったところで意味なんてないのかな」
後継さえ産めば肇は用済みになる。それにきっと、アレンの心には別の人がいる。
昼間に見た写真の美少女を思い出して、胸がきゅっと締め付けれた。
「っ……ダメダメ、気持ちを切り替えなきゃ」
これ以上考えているとズブズブとネガティブ思考に陥ってしまいそうで、気怠い体に鞭を打ってベッドから降りた。昨夜の情事の激しさを思わせるように床に散らばった衣服を身につける。
鏡台に映る肇は相変わらず冴えないが、白く透き通る肌には独占欲を示すかの如く赤い花弁が無数に散っていた。
「アレン様……」
今はもうここにはない温もりを求めて、一人静かに涙を流した。
「んっ、ふぅ……んん」
息をつく暇もないほど激しく舌を絡ませ合う。口内を蹂躙されるたび、背筋がぞくぞくとして力が抜けていく。
「ぁ……」
ようやく唇が解放された頃には、すっかり蕩けた顔を晒してしまっていた。
「肇……」
アレンは感嘆ともつかないため息を漏らすと、頬や首筋に何度も唇を落とした。
「やっ、だめ、ですっ……」
服を着ていても隠しきれないような位置にまで痕をつけられて、嫌々と首を振る。アレンの腕から逃れるように身を捩るが、腰を強く押さえつけられて些細な抵抗すら封じられてしまった。
「君が欲しい」
耳元で囁かれた言葉にびくりと肩が跳ねた。
アレンの熱い吐息を感じて、心臓が壊れそうなくらい高鳴っていく。
「俺のものにしたい」
欲望を押し殺したような掠れ声に頭がくらくらした。
「婚約した時からもう、俺の全てはアレン様のものです」
「違う。俺が言っているのはそういうことじゃない」
「ん、ふ……んん、ふぅ」
再び唇を塞がれ、厚く硬い手のひらに服の上から体をまさぐられた。
「んん、はぁ、ん、っふ」
敏感な胸の突起に触れられる度、甘い痺れが走る。いつの間にか下衣を剥かれ、直接性器を握りこまれていた。
「っ……」
羞恥心に目を瞑ると、余計に感覚が鋭敏になる気がして恐る恐ると瞼を持ち上げた。
月明かりが照らす薄暗がりに、飢えた獣のようにぎらついた瞳があった。
「あっ……」
不意に脚を大きく開かされ、秘所の入り口に指先が触れた。
つぷりと侵入してきた異物感に思わず体が強張ってしまう。
「君を傷つけたりしない。だから怯えないでくれ」
「は、い……ん、ふ……んん、はぁ」
宥めるような口づけの合間にも、後孔を探る動きは止まらない。
くちゅくちゅと入口を出入りしていた指が根元まで挿入され、こりゅと前立腺を揉まれた。
「んあっ、や、あぁ」
拡張のために己で触れた時とは比べ物にならないほど気持ちが良かった。好きな人に触れられているという事実に身の内から甘い熱が湧き上がる。
狭い肉壁を押し拡げるようにゆっくりと抜き差しされる。その度に臍の裏側辺りがひくんひくんと震えた。
次第に二本目の指が挿入され、中でばらばらと動かされる。
「はっ、ああ、んっ……は、っ……」
駄々をこねる子供のように頭を振ってシーツを乱す。暴れる足を抱え上げられ、更に深く骨張った指を咥え込まされた。
「ひっ、う、んんっ……はぁ、っ、んぁ」
「苦しいのか?」
気遣わしげに尋ねてくるアレンに、ふるふると首を横に振る。
確かに圧迫感はあるが、それよりも快感の方がずっと強かった。
もっと、奥の方まで触ってほしい。
浅ましい願望を口に出すことができず、ただアレンを見つめることしかできない。
「……よかった」
安堵したように目を細めたアレンが、三本目の指を埋めてきた。
「あ、あ、っ……ふぅ、ん……あ、っ……」
先程よりも強い刺激に視界が明滅する。
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音を立てて中を掻き回されて、あまりの恥ずかしさに逃げ出したくなった。
けれど、アレンが前戯を楽しんでいるのならば、快感に負けて逃げを打ってはいけない。
ぎゅっとシーツを握り締め、小刻みに痙攣を繰り返す腿をゆらりと開いた。
ごくり、とアレンの張り出た喉仏が上下する。
「もっと、強くして、くださぃ……んあっ、あぅ、んん、~っっ」
望み通り激しく抽挿されると同時に、乳首を強く摘み上げられた。
頭の天辺から足の爪先まで電流のような快楽が駆け抜ける。
「ここが好きなのか? 教えてくれ、君が喜ぶことをしたい」
そう言って何度も同じ箇所ばかり責め立てられれば、絶頂はすぐそこまで迫っていた。
「ぁ、はぁ、っ……そこ、っ、すき、ですっ、アレンさまっ、ぁ、んっ、いくっ、いっ、ひっ、あぁ、ンぅう──っ!」
びくびくと腰が跳ねて、勢いよく白濁が飛び散った。
パタパタとアレンの手を汚していく。その様を見ていられずに目を逸らせば、慰めるように額に口付けられた。
「泣かないでくれ……」
密やかな声で囁くと、肇の後孔からずるりと指を引き抜いた。
「んんっ……」
ぽっかりと口を開けた後孔が喪失感を訴える。
無意識のうちに追いかけるように腰を揺らめかせてしまい、かぁっと頬が熱くなった。
「ふぅ、ん……アレン、さま……はやく、きて……ください」
「っ……どこでそんな誘い方を覚えてきたんだ」
誘い方など知らない。婚約から結婚までの期間に書物で調べた付け焼き刃だが、本当のことを言えばきっとアレンに面倒くさがられてしまう。
緊張に強張る顔を見られないよう、甘えるように腕を回して首筋に擦り寄った。
「ナイショ、です」
「っ……」
「ぁ、ン、っ」
猛り切った剛直をぴとりと後孔に添えられた。ぐっと腰を押し付けられると、ぬかるんだ孔が口を開いてくぷくぷと熱塊を呑み込んでいく。
「っ……ン、ぁ、はぁ」
息苦しさに喘ぐと、アレンが労るように顔中にキスの雨を降らせた。やがて唇にキスを落とされ、開いた口から熱い舌が侵入した。
小さな舌を絡め取られ、尖った犬歯で甘噛みされる。痛みすらも快感で、体の芯がドロリと甘く蕩けた。
「ふぅ、んん、っはぁ……んぅ」
「はっ、肇……」
口内を貪り合う間も、アレンはゆっくりと腰を推し進めた。
ずぷずぷと淫靡な音がして、下腹部がいっぱいに満たされていく感覚があった。
「ぁ、はぁ、アァ、あ、っ、ン、っああ」
最奥まで貫かれて、呼吸の仕方を忘れてしまったようにハクハクと口を開閉させる。
「っ、苦しくないか?」
「ん……うれしい、です……」
腹の上を撫でながら微笑むと、アレンが小さく息を詰めた。
胎内でどくんと陰茎が脈打つのを感じた。一回り大きさを増した陰茎に前立腺が押し潰され、挿入されただけでも絶頂に押し上げられてしまいそうなほど気持ち良かった。
「動いてもいいか」
「っ、はい……ン、んぅ」
耳元で囁かれた声には隠しきれない興奮の色があり、それだけでも達してしまいそうだった。
「あっ、ぁ、んんっ、ひぁ、あぁっ」
抽挿が始まった途端、待ち望んでいた刺激に甘い悲鳴が上がった。
「あっ、やっ、ン、はげしっ、あ、あ、っ」
だらしなく開いた唇を優しく撫でられる。くちゅくちゅと指先で舌を弄びながら、ぐっと身を寄せて耳元で囁かれた。
「……もっと、聞かせてくれ」
「んっ、ふぅ、っ、ぁ、はぁ、んっ、きもち、ぃ、ですっ、アレンさまっ、ぁ、っん、んんっ、~~ッ!!」
「っ……はぁ、肇、っ」
「あっ、あっ、んっ、はぁ、あぁ、~~っっ!」
ごりゅっと亀頭で前立腺を穿たれ、呆気無く精を放った。
「あっ、だめっ、いまイッてるからっ、ああっ」
絶頂の最中だというのに抽挿が激しくなり、過ぎた快感にぽろりと涙が溢れた。
「はぁ、っ……もっと見せてくれ」
「んんっ、ぁ、っ、は、い、アァ、んっ」
達したばかりで敏感な乳首を捏ねられ、ガクガクと腰が揺れる。
「あっ、あぁっ、ン、またイっちゃうっ、はぁ、あぁあ──っ!」
「くっ……!」
きゅううっと肉壁が強く収縮すると同時に、びゅーびゅーと熱い飛沫を叩きつけられた。
その熱量にさえ感じ入ってしまい、ビクンと背筋が仰け反った。
「んっ、ぁ……」
ずるりと剛直を引き抜かれるとぽっかりと空洞ができたような寂しさに襲われた。
はふはふと浅い呼吸を繰り返していると、ぎゅっと抱きしめられて首筋に高い鼻を擦り寄せられた。
「肇」
切羽詰まったような声に名前を呼ばれると、きゅう、と心臓が甘く締め付けられた。
「……アレン様、好きです」
ほろりと熱い雫が頬を伝う。硬い指先で涙の筋を拭うと、アレンは再び熱を持ち始めた陰茎を後孔に押し当てた。
「まだ足りない」
「んっ、ぁ、っ」
ずぷずぷと熱杭を埋め込まれていく。一度果てたことで柔らかくなったそこは、抵抗することなく長大な陰茎を飲み込んだ。
「もっと君に触れたい」
「あっ……んぁ……」
最奥まで貫かれ、逃がさないというように逞しい体に抱き込まれる。
そうだ、これはあくまでも後継を産むための義務的な行為なのだ。確実に孕むためには、一度では足りない。
快感に弛緩した腿をアレンの腰に巻きつけ、耳たぶに唇を寄せて囁いた。
「……ください。全部、俺にちょうだい」
「っ……」
「んっ、ぁ、っひアァ」
激しく突き立てられて、思考が快楽に染まっていく。
「はぁ、っ、ぁ、ん、あぁ、っ」
「っ、はぁ……」
「あぁ、っ、そこぉ、っ、すき、あぁ、んっ」
「ここか?」
「ンッ、ぁ、っ、好きっ、ですっ、あっ、ンンッ、いくっ、い、くぅっ、ンッ、~~ッッ!!」
何度も同じ箇所ばかり責め立てられた末に最奥まで穿たれ、視界が真っ白になった。
快感に蕩けた体があっという間に絶頂に追いやられる。
それでもアレンの責めはやまず、締め付けを繰り返す肉壁を掘削するようにして激しく腰を打ち付けられた。
「あっ、ンアァ、ひっ、やぁ、アァァア、~~っ」
達したばかりの敏感な体を容赦なく貪られ、過ぎる悦楽にボロボロと涙が溢れる。
身を捩って快感を逃そうとしても、全身をすっぽりとアレンの体に包み込まれているために身動ぎすらできない。
真上から突き刺すようにしてどちゅどちゅと最奥を穿たれて、行き止まりであるはずのそこが段々とぬかるんでいくのがわかった。
「あっ、あぁ、ンッ、あぁっ、ひぅっ」
とちゅんっと亀頭が結腸口に嵌まり込む度に、意識が飛びそうなほどの衝撃に襲われる。
「んぅ、はぁ、ぁああ──っ!」
「っ……肇っ」
「あっ、もぅ、ああっ、ひ、ンアァっ、ン~~っっ、アレ、さまっ、ンひっ、ンゥ、~ッッ」
ガクガクと壊れた人形のように揺さぶられながら、必死になって目の前の体にしがみついた。
絶頂の波が一向に引かない。ずっとイキっぱなしのような感覚があり、何も考えられないほど気持ち良い。
ただひたすらにアレンの名前を呼んでいたら、不意に唇を奪われた。
「んっ、ふぅ、っ、はぁ、んっ」
舌先を絡め取られ、ぢゅうっと強く吸い上げられる。唾液を流し込まれれば従順な体は従い、喉を鳴らして嚥下した。
その間も抽挿が激しくなり、いよいよ終わりが見えてきた。
「あっ、あぁっ、んっ、ンンっ、あぁっ、またイクっ、あぁっ、イ、ひっ、ンンッ、あぁ──っ!」
「くっ……!」
「ぁ、っ……あつぃ……ンゥ、ン~~ッッ」
胎内の奥深くでどくどくと脈打つ感覚があった。
射精しながらぐりぐりと奥を押し潰されて、過ぎた快感に爪先がピンと伸びた。
「はぁ……ん……」
ゆっくりと口内から出ていった舌が名残惜しくて追いかけると、優しく頭を撫でられた。
そのまま首筋に顔を埋められてちくりと痛みが走った瞬間、多幸感に包まれてそのまま意識を失っていた。
***
目を覚ますと、隣には誰もいなかった。
昨夜は随分と乱れてしまった気がする。記憶はないが、恐らくとんでもない醜態を晒してしまっただろうことは容易に想像できた。
(どうしよう……)
穴があれば入りたい気分だった。
愛する妻の乱れる姿ならまだしも、アレンにとってお飾りの妻に過ぎない肇の痴態など見るに耐えなかっただろう。唯一救われるとすれば、薬の効果でアレンの目には肇が美しく映っているということだった。
「……綺麗になったところで意味なんてないのかな」
後継さえ産めば肇は用済みになる。それにきっと、アレンの心には別の人がいる。
昼間に見た写真の美少女を思い出して、胸がきゅっと締め付けれた。
「っ……ダメダメ、気持ちを切り替えなきゃ」
これ以上考えているとズブズブとネガティブ思考に陥ってしまいそうで、気怠い体に鞭を打ってベッドから降りた。昨夜の情事の激しさを思わせるように床に散らばった衣服を身につける。
鏡台に映る肇は相変わらず冴えないが、白く透き通る肌には独占欲を示すかの如く赤い花弁が無数に散っていた。
「アレン様……」
今はもうここにはない温もりを求めて、一人静かに涙を流した。
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パッと思いつき設定でさっと書いたから・・・
すいません。
僕にとっての運命と番
COCOmi
BL
従兄弟α×従兄弟が好きなΩ←運命の番α
Ωであるまことは、小さい頃から慕っているαの従兄弟の清次郎がいる。
親戚の集まりに参加した時、まことは清次郎に行方不明の運命の番がいることを知る。清次郎の行方不明の運命の番は見つからないまま、ある日まことは自分の運命の番を見つけてしまう。しかし、それと同時に初恋の人である清次郎との結婚話="番"をもちかけられて…。
☆※マークはR18描写が入るものです。
☆運命の番とくっつかない設定がでてきます。
☆突発的に書いているため、誤字が多いことや加筆修正で更新通知がいく場合があります。
富豪αと再会したら貧乏だったことをバラされて人生詰んだんだが
grotta
BL
小学生の頃「匂う」と嫌がらせしてきたアルファの和泉に大学で再会したオメガの美浜。
昔貧乏だった美浜は毒親や過去と決別して大学へ入学した。それなのに、和泉に昔貧乏だったことをあっさり暴露される。
普通の大学生になりたかったのに、なんでこいつ俺のこと邪魔すんだよ。
しかも新歓でお持ち帰りされてなぜかワンナイトしてしまい――?
「一回寝ただけで彼氏ヅラすんな!」
勘違いのすれ違い執着オメガバースSS
※攻め視点追加しました!
組長様のお嫁さん
ヨモギ丸
BL
いい所出身の外に憧れを抱くオメガのお坊ちゃん 雨宮 優 は家出をする。
持ち物に強めの薬を持っていたのだが、うっかりバックごと全ロスしてしまった。
公園のベンチで死にかけていた優を助けたのはたまたまお散歩していた世界規模の組を締め上げる組長 一ノ瀬 拓真
猫を飼う感覚で優を飼うことにした拓真だったが、だんだんその感情が恋愛感情に変化していく。
『へ?拓真さん俺でいいの?』
ベータですが、運命の番だと迫られています
モト
BL
ベータの三栗七生は、ひょんなことから弁護士の八乙女梓に“運命の番”認定を受ける。
運命の番だと言われても三栗はベータで、八乙女はアルファ。
執着されまくる話。アルファの運命の番は果たしてベータなのか?
ベータがオメガになることはありません。
“運命の番”は、別名“魂の番”と呼ばれています。独自設定あり
※ムーンライトノベルズでも投稿しております
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