私のドラゴンライフ

聖 りんご

文字の大きさ
上 下
21 / 23

Special♡Thanks!②~ドラゴン達の好物~

しおりを挟む
マリアはドラゴン狩りで迷惑をかけたドラゴン達にお詫びとして好物を作って持って行く事にした。
朝から大量に作り全て収納するとまずは蒼のところに行く事にした。

「蒼、居るかしら。」

湖の底からザバッと姿を現した蒼は少し眠そうに欠伸をした。

「どうしたんだい?」

「この前は迷惑をかけてしまったでしょう?お詫びに貴方の好きなクッキーを焼いてきたの。」

「君が悪い訳では無いのだから気にしなくても良いのに。でも、クッキーはいただこうかな。」

マリアが更に山盛りになったクッキーを差し出すと蒼はそれを一枚一枚摘んで食べていく。その様子が可愛くずっと眺めていたいところだったが、他のドラゴンのところにも行かなくてはいけないのでマリアは蒼にたくさん食べてねと言うと湖を後にした。

次に行った紅の家ではミートパイを、その次に行った真珠の洞窟ではムニエルを渡し二匹に嬉しそうに受け取ってもらうと、次は漆黒の家に向かった。

漆黒の家に着くと琥珀と翠も遊びに来ており三匹にお詫びの品を渡す。

「漆黒さんにはイカ墨パスタです。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」

「気にするな。しかしイカ墨パスタはいつでも持ってきてくれ。」

「琥珀さんもご迷惑をおかけしました。コーンスープたくさん飲んで下さいね。」

「やった~!マリアありがとう!!」

「翠さんもどうぞお納め下さい。」

「カレーだ!!」

翠はマリアから渡された寸胴鍋におたまを入れまるでスープのようにカレーのみを食べた。

「辛っうまっ!」

ガッツく翠の様子にカレーに興味を示した琥珀はカレーを食べてみたくなった。

「ねぇねぇ、カレーちょっとちょうだい?」

「え、ヤダよ。」

「ケチ~!ちょっとくらいいいじゃん!!」

「ではイカ墨パスタを少し分けてやろう。」

「ヤダ!そんな闇色の食べ物怖いもん!!」

琥珀が拒否した瞬間、漆黒の持っていたフォークがグニャリと曲がった。マリアは三匹から距離をとり安全を確保する。すると直ぐに琥珀に特大の雷が落ちた。
もちろん翠も巻き込まれ丸焼きだ。

「我儘ついでにイカ墨パスタをも否定するのは見逃せないな。」

マリアは伸びている琥珀と翠を呆れた目でみた。
長く一緒にいるのに実は食いしん坊で自分の好きな物を否定されるのが大嫌いな漆黒の性格を何故か理解できない二匹はよく雷を落とされている。

「まだ次が有りますので失礼します。」

マリアは介抱すること無くさっさと別のドラゴンの元に向かって行った。

FIN
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

蔑ろにされた王妃と見限られた国王

奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています 国王陛下には愛する女性がいた。 彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。 私は、そんな陛下と結婚した。 国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。 でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。 そしてもう一つ。 私も陛下も知らないことがあった。 彼女のことを。彼女の正体を。

愛する貴方の心から消えた私は…

矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。 周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。  …彼は絶対に生きている。 そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。 だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。 「すまない、君を愛せない」 そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。 *設定はゆるいです。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

婚約破棄からの断罪カウンター

F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。 理論ではなく力押しのカウンター攻撃 効果は抜群か…? (すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

処理中です...