私のドラゴンライフ

聖 りんご

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甘やかしてくれる存在

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買い出しから戻ったマリアは気落ちしていた。

ライラの泣き顔が頭から離れないのだ。
ライラとは里に来る前、姉妹のように接していた。
産まれた国や家族には何も未練は無いが、ライラの事だけはずっと気がかりでいたので、ずっと探してくれていたのは嬉しかった。
それをあんな形で終わらせてしまった事に後悔していた。

何をしていてもため息がもれてしまうマリアをドラゴン達も心配していた。

「人間の街で何かあったのだろうが…美しい星空をみたら元気が出るだろうか。」

「漆黒の叔父さん、きっと美味しいもの食べたら元気出るよ!」

「それは琥珀だけだろ。いいから任せとけよ!」

翠は庭でお茶をするマリアに走って近づいた。
巨体が上下するのと同時にドスンドスンと地面が揺れる。
そして何故が何も無い所でつまずき翠の巨大が豪快にスライディングし、ガッシャーンと音がして砂埃が舞う。

真っ白になった視界がクリアになると、マリアの家に頭を突っ込んだ翠と砂だらけになったマリアと紅茶があらわれた。

「なるほど…身を呈して元気づけるとは素晴らしいな。」

「絶対ちがうよ?!」

しばらく固まっていたマリアだがイスから立ち上がりパンパンと叩いて自身の砂を落とすと、翠の尻尾を掴み半壊した家から翠の顔を引っ張り出した。

「キ、キョウモイイテンキダネ。」

「そうですね。でも天気予報では今から槍が降るそうですよ。」

翠を串刺しにして元通りにしておくように言い残すとマリアはその場を立ち去った。
可哀想になった琥珀が翠に刺さった槍を抜き、漆黒がそれを眺めていたがマリアはお構い無しだった。

「…八つ当たりしてしまったかしら…。」

マリアは里の外れにある湖の端に座り込んでいた。
緑に囲まれた湖の水は透き通り、キラキラと輝きとても美しい。
まるでマリアの心とは正反対だ。

「君がココに来る時は落ち込んだ時だね。」

湖の底からザバッと何かが飛び出した。
マリアの隣で何かが着地した音がした後、それは少しずつ可視化していき青い鱗の小さなドラゴンが姿を現した。

「…貴方がいつだって優しく慰めてくれるからつい甘えてしまうのよ。」

「それは嬉しいね。今度は何があったんだい?」

青い鱗を持つドラゴン、蒼はマリアの隣に腰をかけた。

「ねぇ蒼、今だけは友人として話て良いかしら。」

「もちろん。むしろ、いつでもそうして欲しいところだよ。」

「マリア、君は少しきっちりし過ぎるからね。一つ提案を聞いてくれるかな。」




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誤って公開を押してしまいましたので本話は本日公開、次話は今週水曜日に公開させていただきます<(_ _)>
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