3 / 7
お嬢様の成長
しおりを挟む
5月25日
本日、お嬢様はお友達の伯爵家のご令嬢と街に演劇を観に行かれました。
社交界でも話がでる程の話題作で【ロミーオとジュリエール】という男女の恋愛を題材にした演目で私としてはお嬢様にはまだお早いように思います。
確かに、婚約者候補はいますが…所詮は男色と脳筋。
お嬢様の表情からも二人をそのようにみていないのは明らか。
一体なぜ恋愛に興味を持たれたのかは分かりません。
やはりお年頃…なのでしょうか。
お嬢様方が演劇を観ている後ろで私はご令嬢のお連れの執事と情報交換をしました。
お嬢様に近づけてはいけない男性や他家の政治的動きなど内容は多岐にわたります。
彼とはよく一緒になるのでお互いにどんな情報を求めているのか分かるようになりました。
彼に教えた情報は人気の菓子店で貴族令嬢を狙うバカ男の話と最近ご令嬢方に人気の品を扱い始めた雑貨屋の話。
彼が私にくれた情報はお嬢様が最近大人の女性について調べているていう話と王子の男色は偽装だという話だった。
大事件だ…お嬢様が…私の天使様が大人の女性に興味を!!
今のままで完璧なお嬢様が今度は大人の魅力をものにしようとされているなんて私はどうすれば良いのだ。
私はお嬢様が妖艶な微笑みを私に向けてくださるなんて私は…私は!!昇天してしまうに違いない。
いや、でも今の幼さが残る可愛らしい笑顔が失われるなんて国家の損害だ。
私はどうすればいいんだ…
一周回って落ち込む私に彼はきいた。
「君は自分のお嬢様を手にいれたいと思った事は無いのかい?」と…
彼はなんて残酷な質問をするのだろう…
私はその質問に答える事はできなかった。
本当はお嬢様の隣には私が永遠にいたい。
だけど…それは許されない。私は、お嬢様の執事だから。
もし、私が上位貴族であれば。お嬢様がせめて男爵令嬢だったのであれば可能性はあったのかもしれない。
しかし現実はお嬢様は公爵令嬢で私は平民の執事だ。
夢をみることさえ許されない。
越えられない壁がそこにあるのだから…
彼には言葉は返さずとりあえず微笑んで誤魔化した。
そしてそんな話をしている間に演劇は終わった。
お嬢様は感動の涙を流されて、私はその涙の美しさに無意識に自分の指で涙を拭いてしまった。
しまったと思った時には遅かった。
お嬢様は驚きで涙がとまったようで暫くフリーズしていた。
どう誤魔化したら良いのか私もパニックになり、演劇のワンシーンを演じて誤魔化した。
きっと上手く誤魔化したと思う…
その後はすぐに解散になり、お屋敷に戻りお嬢様が演劇の感想を楽しく話される姿を堪能した。
今日は私も少し疲れてしまった。
そういえば彼はご令嬢と両想いのようだがどうするつもりなのだろう…
いつも良くしてくれるし何か力になれることは無いかな、少し考えよう。
本日の戦利品:他家の執事との友情、有益な情報
本日、お嬢様はお友達の伯爵家のご令嬢と街に演劇を観に行かれました。
社交界でも話がでる程の話題作で【ロミーオとジュリエール】という男女の恋愛を題材にした演目で私としてはお嬢様にはまだお早いように思います。
確かに、婚約者候補はいますが…所詮は男色と脳筋。
お嬢様の表情からも二人をそのようにみていないのは明らか。
一体なぜ恋愛に興味を持たれたのかは分かりません。
やはりお年頃…なのでしょうか。
お嬢様方が演劇を観ている後ろで私はご令嬢のお連れの執事と情報交換をしました。
お嬢様に近づけてはいけない男性や他家の政治的動きなど内容は多岐にわたります。
彼とはよく一緒になるのでお互いにどんな情報を求めているのか分かるようになりました。
彼に教えた情報は人気の菓子店で貴族令嬢を狙うバカ男の話と最近ご令嬢方に人気の品を扱い始めた雑貨屋の話。
彼が私にくれた情報はお嬢様が最近大人の女性について調べているていう話と王子の男色は偽装だという話だった。
大事件だ…お嬢様が…私の天使様が大人の女性に興味を!!
今のままで完璧なお嬢様が今度は大人の魅力をものにしようとされているなんて私はどうすれば良いのだ。
私はお嬢様が妖艶な微笑みを私に向けてくださるなんて私は…私は!!昇天してしまうに違いない。
いや、でも今の幼さが残る可愛らしい笑顔が失われるなんて国家の損害だ。
私はどうすればいいんだ…
一周回って落ち込む私に彼はきいた。
「君は自分のお嬢様を手にいれたいと思った事は無いのかい?」と…
彼はなんて残酷な質問をするのだろう…
私はその質問に答える事はできなかった。
本当はお嬢様の隣には私が永遠にいたい。
だけど…それは許されない。私は、お嬢様の執事だから。
もし、私が上位貴族であれば。お嬢様がせめて男爵令嬢だったのであれば可能性はあったのかもしれない。
しかし現実はお嬢様は公爵令嬢で私は平民の執事だ。
夢をみることさえ許されない。
越えられない壁がそこにあるのだから…
彼には言葉は返さずとりあえず微笑んで誤魔化した。
そしてそんな話をしている間に演劇は終わった。
お嬢様は感動の涙を流されて、私はその涙の美しさに無意識に自分の指で涙を拭いてしまった。
しまったと思った時には遅かった。
お嬢様は驚きで涙がとまったようで暫くフリーズしていた。
どう誤魔化したら良いのか私もパニックになり、演劇のワンシーンを演じて誤魔化した。
きっと上手く誤魔化したと思う…
その後はすぐに解散になり、お屋敷に戻りお嬢様が演劇の感想を楽しく話される姿を堪能した。
今日は私も少し疲れてしまった。
そういえば彼はご令嬢と両想いのようだがどうするつもりなのだろう…
いつも良くしてくれるし何か力になれることは無いかな、少し考えよう。
本日の戦利品:他家の執事との友情、有益な情報
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

そんな目で見ないで。
春密まつり
恋愛
職場の廊下で呼び止められ、無口な後輩の司に告白をされた真子。
勢いのまま承諾するが、口数の少ない彼との距離がなかなか縮まらない。
そのくせ、キスをする時は情熱的だった。
司の知らない一面を知ることによって惹かれ始め、身体を重ねるが、司の熱のこもった視線に真子は混乱し、怖くなった。
それから身体を重ねることを拒否し続けるが――。
▼2019年2月発行のオリジナルTL小説のWEB再録です。
▼全8話の短編連載
▼Rシーンが含まれる話には「*」マークをつけています。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる