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国の大事は魔女と共に
国の大事は欲望から
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アイン黄昏ていた。
「そうだ…旅に出よう…」
「「「「「「「「なりませんよ!」」」」」」」」
大臣達は必死だった。
自分たちのトップに立とうという青年が今まさに逃亡を計っている。
もしそれを許してしまえば待つのは膨大な量の決済と捜索隊の編成にさらなる逃亡者に違いない。
アインがこの様な事を言い出したのはジルが持って帰ってきた手紙にあった。
まず、アランの手紙は文字が書けない為に絵を描いて送ってくれたようで、その絵は黄色い何かを頭に付けた人らしきものが赤色で塗り潰されたシュールなもので、アインは子供の絵は独創的だと自分を納得させた。
次にミラからの手紙には自分は妃に相応しくなく別の愛し子を妃にしその侍女をしたいと書かれていた。
便箋五枚に渡りナタリーについて誉め言葉を並べ、いかに自分が侍女にむいていて妃に向かないのかを四枚、アランの生まれについて一枚という超大作を送ってきたミラに自身と結ばれるのがそんなに嫌だったのかと大ダメージを受けた。
最後にプリマからの手紙には魔女不可侵条約についてとミラたちに無理強いした場合の慰謝料請求について書かれており、強行手段に出れば国が無くなる程のラインナップになっていた。
これらを読み終わりアインは思った。
「ああ……逆鱗に触れたかな。」
そしてあの言葉に繋がり、大臣たちに必死で引き止められていた。
大臣たちも当事者ならきっと逃げ出したであろう。
しかし当事者では無くとも運命共同体。
相談し、最低限の大事は残り皆で謝罪に向かうことにした。
「大丈夫です。きっと許してもらえます。」
この言葉を胸に旅立ち一同はミラの家の前で土下座して許してもらった。
いや、ミラは許さざるおえなかった。
家の前で豪華な馬車が数個止まり中から出てきた偉そうな人々が一斉に土下座したのだ。
それを覗いていたプリマは珍しく声を出して笑っていた。
『傑作だったわね。』
『人が悪いですよ。』
その後、アインは即位し魔女の愛し子としてナタリーを妃にした。
ミラはナタリーの侍女として働きアランとの生活も前より良くなっている。
周辺国には再び強く魔女不可侵条約が結ばれた。
『ジル、最近の私は働きすぎではないかしら。』
『大変勢力的に活動されていたかと思います。』
『そうね……少しのんびりしたいわ。』
それから暫くプリマはアランの成長とミラたちの生活を見守って過ごしました。
Fin
「そうだ…旅に出よう…」
「「「「「「「「なりませんよ!」」」」」」」」
大臣達は必死だった。
自分たちのトップに立とうという青年が今まさに逃亡を計っている。
もしそれを許してしまえば待つのは膨大な量の決済と捜索隊の編成にさらなる逃亡者に違いない。
アインがこの様な事を言い出したのはジルが持って帰ってきた手紙にあった。
まず、アランの手紙は文字が書けない為に絵を描いて送ってくれたようで、その絵は黄色い何かを頭に付けた人らしきものが赤色で塗り潰されたシュールなもので、アインは子供の絵は独創的だと自分を納得させた。
次にミラからの手紙には自分は妃に相応しくなく別の愛し子を妃にしその侍女をしたいと書かれていた。
便箋五枚に渡りナタリーについて誉め言葉を並べ、いかに自分が侍女にむいていて妃に向かないのかを四枚、アランの生まれについて一枚という超大作を送ってきたミラに自身と結ばれるのがそんなに嫌だったのかと大ダメージを受けた。
最後にプリマからの手紙には魔女不可侵条約についてとミラたちに無理強いした場合の慰謝料請求について書かれており、強行手段に出れば国が無くなる程のラインナップになっていた。
これらを読み終わりアインは思った。
「ああ……逆鱗に触れたかな。」
そしてあの言葉に繋がり、大臣たちに必死で引き止められていた。
大臣たちも当事者ならきっと逃げ出したであろう。
しかし当事者では無くとも運命共同体。
相談し、最低限の大事は残り皆で謝罪に向かうことにした。
「大丈夫です。きっと許してもらえます。」
この言葉を胸に旅立ち一同はミラの家の前で土下座して許してもらった。
いや、ミラは許さざるおえなかった。
家の前で豪華な馬車が数個止まり中から出てきた偉そうな人々が一斉に土下座したのだ。
それを覗いていたプリマは珍しく声を出して笑っていた。
『傑作だったわね。』
『人が悪いですよ。』
その後、アインは即位し魔女の愛し子としてナタリーを妃にした。
ミラはナタリーの侍女として働きアランとの生活も前より良くなっている。
周辺国には再び強く魔女不可侵条約が結ばれた。
『ジル、最近の私は働きすぎではないかしら。』
『大変勢力的に活動されていたかと思います。』
『そうね……少しのんびりしたいわ。』
それから暫くプリマはアランの成長とミラたちの生活を見守って過ごしました。
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