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国の大事は魔女と共に
国の大事の後は妃を
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魔女様の愛し子たるミラ様
拝啓
新緑が芽吹き、心地良い日差しも天の恵み多き日が続くようになりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
ミラ様並びにアラン様がお健やかに過ごされていれば幸いです。
ご存知の通り、テンダム国は乱れておりましたが魔女様とジル様のお力添えもあって安寧の目処がたちました。
つきましては、お約束通りお二人をお迎えに上がりたい所存です。
テンダム国にお連れした際はミラ様を私の妃として、アラン様を義理の息子としてお迎えしたいと思っております。
お心構えの程、宜しくお願い致します。
テンダム国 次期国王 アイン・G・テンダム
………………………………………………………………………………
「コレは何の冗談でしょうか。」
『冗談ではなくアイン様は至って真面目です。』
ジルの届けた手紙に目を通したミラは手紙を無かったことにしてしまいたかった。
確かに以前、プリマがミラ様をテンダム国で働かせるようにと言っており、ミラ自身それはとても有難くアランも居るので、ある程度保証された生活は願ってもないものだった。
しかし、【妃として】これは望んでいない。
【魔女様の愛し子】明らかなる政治の臭いしかしない。
また望まぬ生活を強いられるのは御免なミラは、アインに宛てた手紙をジルに託す事にし己の切なる想い全てを書き記すのであった。
「ちなみにプリマ様は私に妃になって欲しかったのですか?」
『そういったお言葉は聞いていないので御安心下さい。』
「なら良かったです。」
「ミラさんは変わっていますね。私なら即座に飛びつきますよ。」
『「…………」』
「手紙…書き直しても良いでしょうか。」
ミラの言葉にジルは無言で手紙を差し出し、手紙を受け取ったミラはそれを炉にくべ、新しい便箋に万年筆を踊らせた。
先程と打って代わりら楽しそうなミラの姿にアランもアラン専用のお絵描きボードにぐりぐりと何かを書いていた。
「こちらの内容でお願いします。」
満面の笑みで手渡したミラの手紙は分厚く充実したものになったようだ。
ジルが『確かに』っとそれを受け取るとアランもミラの真似をしてボードを渡した。
『ではこれも一緒に。』
突然プリマが現れジルに手紙を差し出した。
前触れの無い登場に全員驚いていたが、プリマはそんな事気にした様子はなくジルに手紙を渡した。
「プリマ様、何を書かれたのですか?」
『そうね……お礼状、かしら。コレから私の愛し子達がお世話になるみたいですしね。』
皆心の中で絶対に違うと思いながらも口には出せず、とりあえずジルは手紙を渡すためにテンダム国へ戻って行った。
拝啓
新緑が芽吹き、心地良い日差しも天の恵み多き日が続くようになりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
ミラ様並びにアラン様がお健やかに過ごされていれば幸いです。
ご存知の通り、テンダム国は乱れておりましたが魔女様とジル様のお力添えもあって安寧の目処がたちました。
つきましては、お約束通りお二人をお迎えに上がりたい所存です。
テンダム国にお連れした際はミラ様を私の妃として、アラン様を義理の息子としてお迎えしたいと思っております。
お心構えの程、宜しくお願い致します。
テンダム国 次期国王 アイン・G・テンダム
………………………………………………………………………………
「コレは何の冗談でしょうか。」
『冗談ではなくアイン様は至って真面目です。』
ジルの届けた手紙に目を通したミラは手紙を無かったことにしてしまいたかった。
確かに以前、プリマがミラ様をテンダム国で働かせるようにと言っており、ミラ自身それはとても有難くアランも居るので、ある程度保証された生活は願ってもないものだった。
しかし、【妃として】これは望んでいない。
【魔女様の愛し子】明らかなる政治の臭いしかしない。
また望まぬ生活を強いられるのは御免なミラは、アインに宛てた手紙をジルに託す事にし己の切なる想い全てを書き記すのであった。
「ちなみにプリマ様は私に妃になって欲しかったのですか?」
『そういったお言葉は聞いていないので御安心下さい。』
「なら良かったです。」
「ミラさんは変わっていますね。私なら即座に飛びつきますよ。」
『「…………」』
「手紙…書き直しても良いでしょうか。」
ミラの言葉にジルは無言で手紙を差し出し、手紙を受け取ったミラはそれを炉にくべ、新しい便箋に万年筆を踊らせた。
先程と打って代わりら楽しそうなミラの姿にアランもアラン専用のお絵描きボードにぐりぐりと何かを書いていた。
「こちらの内容でお願いします。」
満面の笑みで手渡したミラの手紙は分厚く充実したものになったようだ。
ジルが『確かに』っとそれを受け取るとアランもミラの真似をしてボードを渡した。
『ではこれも一緒に。』
突然プリマが現れジルに手紙を差し出した。
前触れの無い登場に全員驚いていたが、プリマはそんな事気にした様子はなくジルに手紙を渡した。
「プリマ様、何を書かれたのですか?」
『そうね……お礼状、かしら。コレから私の愛し子達がお世話になるみたいですしね。』
皆心の中で絶対に違うと思いながらも口には出せず、とりあえずジルは手紙を渡すためにテンダム国へ戻って行った。
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