迷いの森

聖 りんご

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国の大事は魔女と共に

国の大事は皆の大事

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「おはようございます。昨夜はよくお眠りになられたようで何よりです。」

「おはようございます。ありがとうございます。ジル様のお陰でゆっくり休む事が出来ました。」

「アイン様は働きすぎです。本日はお仕事を減らす為の取り組みをしましょう。」

ジルはアインに城の中の人物に詳しい者を呼び出してもらった。
暫くして尋ねてきたの白髪の老紳士はドレイクと名乗り、情報収集専門のアインの影だった。
ジルはドレイクにいくつか条件を提示し該当の人物がいないか確認した。

「ジル様はとても優秀な方ですね。是非宰相をされてはどうでしょうか。」

「私には遣えるべき方がおりますので。」

「そうですか……残念です。」

話が終わるとドレイクは帰って行った。
ジルはドレイクから聞いた人物達をリスト化しアインと要職につける人物を話し合った。
悩みに悩み何とか人選すると、ジルはアインに頼んでホールに選んだ人物を集めてもらった。

『お集まりの皆様、初めてお目にかかります。私はジルと申します。』

ジルが丁寧に挨拶をすると集められた面々はザワついた。
次期王であるアインが呼んだので来たのに挨拶したのは見知らぬ男だったのだ。
当然の如く数人が帰ったがジルはそれを責めはしなかった。

『お残りいただいてる皆様は現在、大臣候補様であります。ただし、あくまで候補です。
皆様には今から試験を受けていただきます。
とても簡単なものなので御安心下さい。

まず、こちらに用意した菓子を食していただきます。
その後、アイン様の問に答えて下さい。
ただし、この菓子は我が主である魔女様の作りしもので食べると嘘が付けなくなります。
ここを立ち去る時には解毒の飴をなめていたたげれば効果は無くなりますので御安心下さい。
このまま帰るも菓子を食べるもご自由です。

さあ、皆様はどうなさいますか?』

魔女の菓子、それは今のテンダム国にとってアンタッチャブルの品だった。
彼らは元国王がどうなったか知っているからこそ動けないでいたが、目の前に座るアインが無言で見詰め圧力をかけてくる。
皆これが忠誠心を試している事は百も承知だった。
長い沈黙の後、ノロノロと歩きだす者が出てきてそこからは皆が並びアインの元へほを進めた。
帰るものは1人も居なかった。

結局、菓子を食べ並んだものは全員がアインの信頼を得て要職につくこととなった。

「ジル様は凄いですね。私には思いつきませんでした。
まさかただの菓子を魔女様の菓子と偽るとは…」

『全てはプリマは様が望まれた結果ですよ。』
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