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踊り子は夢を魅せてもユメヲミナイ
踊り子の白銀の世界
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館にもどったプリマはソファに座り一息ついた。
ジルはプリマにお茶を用意し、鏡を片付けるとテーブルの上に二冊の本を並べた。
『どうされますか?』
『そうね、ミラに楽しみを奪われてしまったし、白銀の子を覗いてみようかしら。』
プリマは白銀のアリシアの本を手に取り中を開いた。
アリシアは砂漠の国シュクランに産まれた。
母親も踊り子で、アリシアは5歳の頃から母親に踊りを習っていた。
父親はおらず、親子二人で酒場でショーをして生活をし、細々と食いつなぐ生活が何年も続いた。
アリシアが10歳になる頃、踊りもだいぶ様になり少しずつ人気かでてくるようになるが、アリシアの母親はそれが気にくわずアリシアを置いて男性客と出ていった。
悲しみに暮れながらも酒場で踊り続け、女性らしさも出てきた頃、アリシアは男性客と恋に落ちる。
しかし、男性はアリシアに好意はなく金づるとしてアリシアに近づいただけで、ヒモとして二年程過ごし、ある日戻って来なくなった。
それ以降は踊り子として酒場以外にも色々な場所で踊るようになり、初めて呼ばれた王宮のパーティーで事件は起きた。
アリシアは争いが起きる王宮の中、カーテンに隠れやり過ごしていた。
震えながら周りを見渡すと、輝く金色の髪が眼にとまった。
そこだけ時が止まったかのようにみえ、気がつくと手をのばし、パチンという音がしたと途端、パーティー会場は一変した。
『皆、不幸になるのが好きね。』
『プリマ様の周りに多いだけでは……』
『まあ、少しとばしてあちらの世界での姿をみましょう。』
アリシアは記憶を残したまま白銀の世界に生まれ変わった。
青い瞳や黒い髪などアリシアとして持っていた容姿の全てが変わり、ピンクブラウンの髪をした儚げな美少女、カノンとして暮らしはじめると今までの価値観は一変した。
カノンは豪商の一人娘で美しく優しい母親と少し厳しくも愛情溢れる父親と幸せに暮らしている。
アリシアだった時の記憶を生かし舞台で踊りを披露しながら商人として美容グッズを売り街で知らぬものがいないくらいの有名人となった。
『幸せそうね。』
『そんな、つまらなそうな顔をなさらないで下さい。』
プリマは読み進めても幸せしか出てこない白銀の本を閉じ、ジルに渡した。
幸せは良い事だがプリマはもっと刺激的なものを求めていた為、がっかりしていた。
『プリマ様、もう一冊ありますが、いかがいたしますか?』
ジルの差し出した赤銅のカレンの本を見つめ手に取るとそれを開いた。
ジルはプリマにお茶を用意し、鏡を片付けるとテーブルの上に二冊の本を並べた。
『どうされますか?』
『そうね、ミラに楽しみを奪われてしまったし、白銀の子を覗いてみようかしら。』
プリマは白銀のアリシアの本を手に取り中を開いた。
アリシアは砂漠の国シュクランに産まれた。
母親も踊り子で、アリシアは5歳の頃から母親に踊りを習っていた。
父親はおらず、親子二人で酒場でショーをして生活をし、細々と食いつなぐ生活が何年も続いた。
アリシアが10歳になる頃、踊りもだいぶ様になり少しずつ人気かでてくるようになるが、アリシアの母親はそれが気にくわずアリシアを置いて男性客と出ていった。
悲しみに暮れながらも酒場で踊り続け、女性らしさも出てきた頃、アリシアは男性客と恋に落ちる。
しかし、男性はアリシアに好意はなく金づるとしてアリシアに近づいただけで、ヒモとして二年程過ごし、ある日戻って来なくなった。
それ以降は踊り子として酒場以外にも色々な場所で踊るようになり、初めて呼ばれた王宮のパーティーで事件は起きた。
アリシアは争いが起きる王宮の中、カーテンに隠れやり過ごしていた。
震えながら周りを見渡すと、輝く金色の髪が眼にとまった。
そこだけ時が止まったかのようにみえ、気がつくと手をのばし、パチンという音がしたと途端、パーティー会場は一変した。
『皆、不幸になるのが好きね。』
『プリマ様の周りに多いだけでは……』
『まあ、少しとばしてあちらの世界での姿をみましょう。』
アリシアは記憶を残したまま白銀の世界に生まれ変わった。
青い瞳や黒い髪などアリシアとして持っていた容姿の全てが変わり、ピンクブラウンの髪をした儚げな美少女、カノンとして暮らしはじめると今までの価値観は一変した。
カノンは豪商の一人娘で美しく優しい母親と少し厳しくも愛情溢れる父親と幸せに暮らしている。
アリシアだった時の記憶を生かし舞台で踊りを披露しながら商人として美容グッズを売り街で知らぬものがいないくらいの有名人となった。
『幸せそうね。』
『そんな、つまらなそうな顔をなさらないで下さい。』
プリマは読み進めても幸せしか出てこない白銀の本を閉じ、ジルに渡した。
幸せは良い事だがプリマはもっと刺激的なものを求めていた為、がっかりしていた。
『プリマ様、もう一冊ありますが、いかがいたしますか?』
ジルの差し出した赤銅のカレンの本を見つめ手に取るとそれを開いた。
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