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姉弟の母親(後編)
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「司祭様……今なんとおっしゃいましたか。」
ハミエルはものすごい殺気を出しながら司祭の方への向き直った。
その迫力に司祭もリンデルも自然に一歩下がってしまったが、ハミエルは静かに次の言葉を待っている。
意を決してリンデルはハミエルに対峙した。
「母さん、俺はクララと今後の人生を共にしたいと思ってる。愛してるんだ!!」
「世迷いごとを!!!」
ハミエルは地を蹴りリンデルに斬りかかった。
リンデルはそれを避けずに受け止めるがその力の強さに押される。
それでもなんとか押し返し反撃にでようと試みるがハミエルはそれすら許さない圧倒的なスピードで怒涛の如く攻撃してくる。
「その様な軟弱さでよくクララを愛してるなどと言えたものだ!」
その一言はリンデルを奮起させリンデルは思いっきり剣を弾くと反撃した。
「真剣なんだ!認めてくれっ!!」
「笑止!」
二人の戦いは過激さを増していき庭は抉れ花壇がぐちゃぐちゃになり始めた。
「私の花たちが……」
司祭の悲しげな呟きは二人には届かなかった。
しかしその言葉はその場に来た者にはきちんと届いていた。
撃ち合うハミエルとリンデルの間に二つの影が割り込んだ。
「クララっ!」
「カミル様!」
「「双方剣を収めなさい。」」
二人は後ろへ飛び剣をおろした。
「何やってるんだよ!怪我でもしたらどうするんだ!!」
「そうです。割って入るなんて何で無茶をしたのですか!」
ハミエルとリンデルはクララたちに詰め寄るがその表情をみて二人が笑いながら激怒している事が分かると顔を青ざめた。
「お二人共そこにお座りなさい。」
クララの底冷えする声にハミエルとリンデルは逆らわず地面に正座した。
「まずここは神聖な教会です。
そのような場で剣を混じえるなど何事ですか。
しかも庭もこんなにめちゃくちゃにしてしまって恥を知りなさい。
司祭様のご好意でリンデルを教会に置いてくれているというのに恩を仇で返してどうするのですか。」
その後、クララのお説教は半刻程続き、それが終わると今度はカミルが二人を説教した。
「本来ならまだまだ二人には反省して貰わないといけませんが、私はハミエルと帰らなくてはいけない。」
ハミエルを立たせ、カミルは司祭に向き直った。
「この度は妻と息子がご迷惑をおかけし申し訳ありません。そして、遅くなりましたがリンデルを保護いただきありがとうございます。」
「い、いえお気になさらないで下さい。リンデルさんにはいつも助けて頂いております。」
「そう言っていただけると有難いです。申し訳ありません、今は急いでおりますのでまた後程おじゃまします。」
カミルとハミエルは頭を下げ急ぎ馬車に乗って行った。
残されたリンデルとクララとし司祭はとりあえず応接室へ向かった。
ハミエルはものすごい殺気を出しながら司祭の方への向き直った。
その迫力に司祭もリンデルも自然に一歩下がってしまったが、ハミエルは静かに次の言葉を待っている。
意を決してリンデルはハミエルに対峙した。
「母さん、俺はクララと今後の人生を共にしたいと思ってる。愛してるんだ!!」
「世迷いごとを!!!」
ハミエルは地を蹴りリンデルに斬りかかった。
リンデルはそれを避けずに受け止めるがその力の強さに押される。
それでもなんとか押し返し反撃にでようと試みるがハミエルはそれすら許さない圧倒的なスピードで怒涛の如く攻撃してくる。
「その様な軟弱さでよくクララを愛してるなどと言えたものだ!」
その一言はリンデルを奮起させリンデルは思いっきり剣を弾くと反撃した。
「真剣なんだ!認めてくれっ!!」
「笑止!」
二人の戦いは過激さを増していき庭は抉れ花壇がぐちゃぐちゃになり始めた。
「私の花たちが……」
司祭の悲しげな呟きは二人には届かなかった。
しかしその言葉はその場に来た者にはきちんと届いていた。
撃ち合うハミエルとリンデルの間に二つの影が割り込んだ。
「クララっ!」
「カミル様!」
「「双方剣を収めなさい。」」
二人は後ろへ飛び剣をおろした。
「何やってるんだよ!怪我でもしたらどうするんだ!!」
「そうです。割って入るなんて何で無茶をしたのですか!」
ハミエルとリンデルはクララたちに詰め寄るがその表情をみて二人が笑いながら激怒している事が分かると顔を青ざめた。
「お二人共そこにお座りなさい。」
クララの底冷えする声にハミエルとリンデルは逆らわず地面に正座した。
「まずここは神聖な教会です。
そのような場で剣を混じえるなど何事ですか。
しかも庭もこんなにめちゃくちゃにしてしまって恥を知りなさい。
司祭様のご好意でリンデルを教会に置いてくれているというのに恩を仇で返してどうするのですか。」
その後、クララのお説教は半刻程続き、それが終わると今度はカミルが二人を説教した。
「本来ならまだまだ二人には反省して貰わないといけませんが、私はハミエルと帰らなくてはいけない。」
ハミエルを立たせ、カミルは司祭に向き直った。
「この度は妻と息子がご迷惑をおかけし申し訳ありません。そして、遅くなりましたがリンデルを保護いただきありがとうございます。」
「い、いえお気になさらないで下さい。リンデルさんにはいつも助けて頂いております。」
「そう言っていただけると有難いです。申し訳ありません、今は急いでおりますのでまた後程おじゃまします。」
カミルとハミエルは頭を下げ急ぎ馬車に乗って行った。
残されたリンデルとクララとし司祭はとりあえず応接室へ向かった。
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