15 / 20
姉弟の母親(中編)
しおりを挟む
「クララさんは公爵家にお勤めですから私からお手紙を出しましょう。お返事が来るまでどうぞリンデルさんとお寛ぎ下さい。」
司祭はクララに手紙を出すために席を立ちました。
その際コソッとリンデルにクララとの事を報告するように促しましたが、リンデルは暗い顔をしていました。
「ご親切にありがとうございます。」
ハミエルは先程の事が嘘のように優雅にお茶を飲んでいました。
司祭は退室すると自身の書斎に向かい手紙を書きました。
簡単にハミエルが来てリンデルと話をしている事をしたためすぐに持って行かせます。
応接室に戻る前に心の準備をし、司祭はゆっくり応接室にもどりました。
しかし、応接室に戻るともぬけの殻で二人ともいません。
不思議に思いながら窓から庭を覗くと、ハミエルとリンデルが剣を混じえていました。
それを見た司祭の頭の中では、リンデルがクララとの事を伝えハミエルが激怒する流れが浮かび慌てて庭に向かいました。
庭に着くと窓から見た時より激しく剣を混じえていました。
ハミエルは婦人服のままなのにも関わらず空を舞いリンデルを翻弄しています。
不思議な事にその衣服に乱れはなく美しくダンスでもしているかの様でした。
リンデルはハミエルの攻撃を防ぐので手いっぱいの様子で自身から攻撃に出られないようでした。
「お二人共、ここは教会ですので撃ち合いは困ります!」
司祭は少し距離を取り巻き込まれないような位置から叫びましたが、二人の耳には届いていないようでした。
どうした物かと司祭が手をこまねいていると、孤児院の方から子供たちが庭に飛び出して来ました。
「危ない!!」
司祭は咄嗟に叫びました。
その声はハミエルとリンデルにも届き二人は咄嗟に飛びのきました。
「お前達、飛び出したら危ないでしょう!」
司祭は子供たちを叱りつけて孤児院へ戻るように促すと今度はハミエルとリンデルに向き直りました。
「お二人共、ここは教会です。神の御元でこの様な血を流しかねない事を私は許容できません!しかも、もう少しで子供たちが怪我をするところでした!!」
「「申し訳ございません。」」
二人は大人しく頭を下げ反省しました。
「ハミエルさん、貴女が怒るのも分かります。再婚相手のお嬢様、娘となった方と恋人関係になるなど親としては「待って!」い……」
リンデルは司祭の言葉を遮りましたが少し遅く、大切な部分はきちんと聞こえるかたちとなってしまいました。
司祭はリンデルの顔を見て察し不味いと思いハミエルの顔を見ました。
ハミエルは固まっており、処理が追いつかない様子でリンデルも顔を青くしながら滝のように汗を流していました。
司祭はクララに手紙を出すために席を立ちました。
その際コソッとリンデルにクララとの事を報告するように促しましたが、リンデルは暗い顔をしていました。
「ご親切にありがとうございます。」
ハミエルは先程の事が嘘のように優雅にお茶を飲んでいました。
司祭は退室すると自身の書斎に向かい手紙を書きました。
簡単にハミエルが来てリンデルと話をしている事をしたためすぐに持って行かせます。
応接室に戻る前に心の準備をし、司祭はゆっくり応接室にもどりました。
しかし、応接室に戻るともぬけの殻で二人ともいません。
不思議に思いながら窓から庭を覗くと、ハミエルとリンデルが剣を混じえていました。
それを見た司祭の頭の中では、リンデルがクララとの事を伝えハミエルが激怒する流れが浮かび慌てて庭に向かいました。
庭に着くと窓から見た時より激しく剣を混じえていました。
ハミエルは婦人服のままなのにも関わらず空を舞いリンデルを翻弄しています。
不思議な事にその衣服に乱れはなく美しくダンスでもしているかの様でした。
リンデルはハミエルの攻撃を防ぐので手いっぱいの様子で自身から攻撃に出られないようでした。
「お二人共、ここは教会ですので撃ち合いは困ります!」
司祭は少し距離を取り巻き込まれないような位置から叫びましたが、二人の耳には届いていないようでした。
どうした物かと司祭が手をこまねいていると、孤児院の方から子供たちが庭に飛び出して来ました。
「危ない!!」
司祭は咄嗟に叫びました。
その声はハミエルとリンデルにも届き二人は咄嗟に飛びのきました。
「お前達、飛び出したら危ないでしょう!」
司祭は子供たちを叱りつけて孤児院へ戻るように促すと今度はハミエルとリンデルに向き直りました。
「お二人共、ここは教会です。神の御元でこの様な血を流しかねない事を私は許容できません!しかも、もう少しで子供たちが怪我をするところでした!!」
「「申し訳ございません。」」
二人は大人しく頭を下げ反省しました。
「ハミエルさん、貴女が怒るのも分かります。再婚相手のお嬢様、娘となった方と恋人関係になるなど親としては「待って!」い……」
リンデルは司祭の言葉を遮りましたが少し遅く、大切な部分はきちんと聞こえるかたちとなってしまいました。
司祭はリンデルの顔を見て察し不味いと思いハミエルの顔を見ました。
ハミエルは固まっており、処理が追いつかない様子でリンデルも顔を青くしながら滝のように汗を流していました。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
エリート課長の脳内は想像の斜め上をいっていた
ピロ子
恋愛
飲み会に参加した後、酔い潰れていた私を押し倒していたのは社内の女子社員が憧れるエリート課長でした。
普段は冷静沈着な課長の脳内は、私には斜め上過ぎて理解不能です。
※課長の脳内は変態です。
なとみさん主催、「#足フェチ祭り」参加作品です。完結しました。


愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。

弟の恋人〜はじめての恋は最後の恋〜
樹沙都
恋愛
はじめての恋は最後の恋。
夏の終わり。両親の死とともに散った十七歳の初恋は、大きな疵痕を残して亜弥の心の時を止めた。
流されるままに過ごしたそれからの十年。それはこれからもずっと同じ。そう思っていた。だが——
「あいつとも寝たのか」
突然の再会。誤解。謀略。
運命に翻弄される亜弥の時間がいま、動き出す。
※恋愛小説大賞にエントリーしています。応援どうぞよろしくお願いします!

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる