6 / 20
シスターの想い人(後編)
しおりを挟む
シスターがソワソワしながら入り口をみていると一日仕事を終え飲みに来る客が増えてきた。
「司祭様、私の服装変ではありませんか?」
「変も何も貴女は今、制服でしょう。」
「司祭様、この制服、可愛い花柄とかになりませんか。」
「伝統がある制服です。貴女を一番美しくみせてくれますよ。」
「司祭様……」
「貴女は充分可愛らしいですよ。」
「……きました。あの人です!」
シスターは入口を向いたまま勢いよく立ち駆け寄って行った。
「あっあの!私、先日スリから助けてもらった者です!覚えてませんか……」
「ん?修道服……ごめん。覚えてないなぁ。もしかして態々御礼を言いに来てくれたのかい?」
「あ…はい。先日は助けていただいてありがとうございました。」
男は頭を下げるシスターの頭を軽くポンポンとすると「此方こそ態々ありがとう。」と優しく微笑んだ。
その光景をみていた周りの男達はニヤニヤしながら見守っているが、一緒に来た男は不満そうだった。
「ちょっと、リックに色目使わないでくれるかな!」
「貴方は……誰ですか?」
「俺はゲルダ、リックの彼氏だ~!!」
「「「「「「……マジか。」」」」」」
「実はそうなんだよね~。俺、昔から女の子に興味が持てなくてね。」
「ぁ…ソウ……デスカ……」
シスターはフラフラしながら店を出て行った。
司祭も店を出てたがシスターの姿は無かった。
仕方なく教会へ戻るとシスターは神の像に祈りを捧げていた。
「シスター、何をしているのですか?」
「神に感謝を、私に試練をお与えになった神に感謝をお伝えしておりました。」
「感謝、ですか。」
「はい。私が好きになった方に会えただけでも奇跡です。そして話をして女性に興味が無いと言われて尚、私の気持ちに変化はありませんでした。」
(変化がなかった?!シスターの心は壊れてしまったのではないか?!)
司祭は心配になったが、何か言える空気ではなかったので黙っていた。
「私は、彼が、リックさんが好きです!男好き?彼氏付き?上等です。私が大人の女の魅力で必ず真っ当な道に導いてみせます!
神よ!私に最高の試練をありがとうございます。私はこの試練に打ち勝ちその御前で夫婦の誓いをたてましょう。」
(あぁ……シスターが元気そうで何よりですね。神よ、私も貴方様に感謝致します。)
司祭は神の像をみながら心の中で感謝を述べた。
そして次の日から、シスターはリックに会いに酒場に入り浸るようになり、リックが現れるとリックを口説きゲルダに引き離されてを繰り返していた。
リックが居ない時は簡易お悩み相談室開き悩みを聞き皆を導いているので司祭はシスターの成長を喜んだ。
「司祭様、私は諦めません!」
そう言って酒場に赴くシスターはとても生き生きとしていて司祭は少し羨ましく思った。
「司祭様、私の服装変ではありませんか?」
「変も何も貴女は今、制服でしょう。」
「司祭様、この制服、可愛い花柄とかになりませんか。」
「伝統がある制服です。貴女を一番美しくみせてくれますよ。」
「司祭様……」
「貴女は充分可愛らしいですよ。」
「……きました。あの人です!」
シスターは入口を向いたまま勢いよく立ち駆け寄って行った。
「あっあの!私、先日スリから助けてもらった者です!覚えてませんか……」
「ん?修道服……ごめん。覚えてないなぁ。もしかして態々御礼を言いに来てくれたのかい?」
「あ…はい。先日は助けていただいてありがとうございました。」
男は頭を下げるシスターの頭を軽くポンポンとすると「此方こそ態々ありがとう。」と優しく微笑んだ。
その光景をみていた周りの男達はニヤニヤしながら見守っているが、一緒に来た男は不満そうだった。
「ちょっと、リックに色目使わないでくれるかな!」
「貴方は……誰ですか?」
「俺はゲルダ、リックの彼氏だ~!!」
「「「「「「……マジか。」」」」」」
「実はそうなんだよね~。俺、昔から女の子に興味が持てなくてね。」
「ぁ…ソウ……デスカ……」
シスターはフラフラしながら店を出て行った。
司祭も店を出てたがシスターの姿は無かった。
仕方なく教会へ戻るとシスターは神の像に祈りを捧げていた。
「シスター、何をしているのですか?」
「神に感謝を、私に試練をお与えになった神に感謝をお伝えしておりました。」
「感謝、ですか。」
「はい。私が好きになった方に会えただけでも奇跡です。そして話をして女性に興味が無いと言われて尚、私の気持ちに変化はありませんでした。」
(変化がなかった?!シスターの心は壊れてしまったのではないか?!)
司祭は心配になったが、何か言える空気ではなかったので黙っていた。
「私は、彼が、リックさんが好きです!男好き?彼氏付き?上等です。私が大人の女の魅力で必ず真っ当な道に導いてみせます!
神よ!私に最高の試練をありがとうございます。私はこの試練に打ち勝ちその御前で夫婦の誓いをたてましょう。」
(あぁ……シスターが元気そうで何よりですね。神よ、私も貴方様に感謝致します。)
司祭は神の像をみながら心の中で感謝を述べた。
そして次の日から、シスターはリックに会いに酒場に入り浸るようになり、リックが現れるとリックを口説きゲルダに引き離されてを繰り返していた。
リックが居ない時は簡易お悩み相談室開き悩みを聞き皆を導いているので司祭はシスターの成長を喜んだ。
「司祭様、私は諦めません!」
そう言って酒場に赴くシスターはとても生き生きとしていて司祭は少し羨ましく思った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
16
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる