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恋はいつだって全力で
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ある食堂の片隅で物々しい雰囲気を出すテーブルがひとつ。
そのテーブルはうら若き女性たちが両肘を付き、固く握った手を額につけてドリンクのみを置き静かに座っていた。
「…スモモの話は本当だっていうのか…。」
「失礼ねアンズ。スモモが嘘をつく訳がないでしょ……。」
「いがみ合っていても仕方がありませんよ。今私達は最悪の状況をむかえています。」
「どうやら店を出るみたいや。どないする?」
「とりあえず、今日はここで打開策をねらなくてはなりません。」
四人はまずカリンを引き離す方法を考えた。
しかし、中々良い案はなく今日はお開きになった。
そんな怪い集団の事は知らないダルとカリンは新居にもどるとイチャつき就寝した。
翌日、訓練を終えたダルが城門を出るとスモモが待ち伏せしていた。
酒入りチョコレートの件があったのでダルはスモモを無視して過ぎ去ろうとしたが、スモモはダルに抱きついてきた。
「離せ。」
「ごめんなさい。嫌わないで!!」
涙を浮かべて謝るスモモにダルは油断した。
ダルの死角からイチゴが眠り薬を嗅がせ瞬時にダルを眠らせると箱を乗せた荷台にダルを入れダルを連れ去った。
スモモは目薬を拭いニコニコしながらイチゴの後をついて行った。
意識が戻ったダルは見なれない部屋でベッドに括り付けられていた。
頭が朦朧としているのであまり考えることが出来ず上手く自分の状況を把握できないでいると腹の上に重みを感じた。
「おはようございます。」
イチゴがダルの上にまたがり挨拶した。
ダルの最後の記憶はスモモと会っているところなので、ダルにはイチゴが何故いるのか分からなかった。
「ダル、ごめんぬ。でもこうでもしなきゃカリンのところに行っちゃうから。」
スモモはダルの頭側のベッドフレームに座っていた。
さっきとは打って変わり悪戯な顔つきでダルを見下げている。
「私たち、考えたんです。ダルはカリンから離れてくれない、だったらダルが私たちから離れないようにダルの子を作ればいいんじゃないかと。」
「良い訳ないでしょー!!!!!」
今まさに襲われようとしているダルだったがカリンがドアを蹴破って乱入してきた。
カリンは荒い息で肩を上下しながらイチゴとスモモを睨みつける。
「なんでここがわかったのよ!」
「リンゴとアンズが教えてくれたのよ!!」
「あの二人……。」
「二人に黙って抜け駆けした事が仇になったわね。
ダルは返してもらうわよ。」
「「させないわ。」」
そこからはただただ酷い有様だった。
品格も何も無い罵りあいと殴り合いに段々意識がハッキリしてきたダルは口を挟む事は出来なかった。
とりあえず自力で脱出しそれぞれの母親たちをつれて行くと今度は親子喧嘩が始まった。
「「このバカ娘!!」」
「何よ~!母さんが私をまな板に産んだのがいけないんでしょ!!」
「母様!女にはやらねばならぬ時があるのです!!」
「何言ってんだい!ほらダルさんに謝りなっ!」
結局それぞれの父親まで出てきて引きずりながら家に帰っていき、ダルとカリンはその場に二人だけになった。
「帰ろうか……。」
「……そうだね。」
家に帰るとカリンは改めてダルに向き直った。
「ねぇダル、実はイチゴ先輩やスモモにグラついたりした……?」
「しないよ、俺にはカリンだけだから。」
「本当に?」
「もちろんだ。」
「ダル……大好きだよ。」
今夜もダルとカリンは熱い夜を過ごしていく。
fin
そのテーブルはうら若き女性たちが両肘を付き、固く握った手を額につけてドリンクのみを置き静かに座っていた。
「…スモモの話は本当だっていうのか…。」
「失礼ねアンズ。スモモが嘘をつく訳がないでしょ……。」
「いがみ合っていても仕方がありませんよ。今私達は最悪の状況をむかえています。」
「どうやら店を出るみたいや。どないする?」
「とりあえず、今日はここで打開策をねらなくてはなりません。」
四人はまずカリンを引き離す方法を考えた。
しかし、中々良い案はなく今日はお開きになった。
そんな怪い集団の事は知らないダルとカリンは新居にもどるとイチャつき就寝した。
翌日、訓練を終えたダルが城門を出るとスモモが待ち伏せしていた。
酒入りチョコレートの件があったのでダルはスモモを無視して過ぎ去ろうとしたが、スモモはダルに抱きついてきた。
「離せ。」
「ごめんなさい。嫌わないで!!」
涙を浮かべて謝るスモモにダルは油断した。
ダルの死角からイチゴが眠り薬を嗅がせ瞬時にダルを眠らせると箱を乗せた荷台にダルを入れダルを連れ去った。
スモモは目薬を拭いニコニコしながらイチゴの後をついて行った。
意識が戻ったダルは見なれない部屋でベッドに括り付けられていた。
頭が朦朧としているのであまり考えることが出来ず上手く自分の状況を把握できないでいると腹の上に重みを感じた。
「おはようございます。」
イチゴがダルの上にまたがり挨拶した。
ダルの最後の記憶はスモモと会っているところなので、ダルにはイチゴが何故いるのか分からなかった。
「ダル、ごめんぬ。でもこうでもしなきゃカリンのところに行っちゃうから。」
スモモはダルの頭側のベッドフレームに座っていた。
さっきとは打って変わり悪戯な顔つきでダルを見下げている。
「私たち、考えたんです。ダルはカリンから離れてくれない、だったらダルが私たちから離れないようにダルの子を作ればいいんじゃないかと。」
「良い訳ないでしょー!!!!!」
今まさに襲われようとしているダルだったがカリンがドアを蹴破って乱入してきた。
カリンは荒い息で肩を上下しながらイチゴとスモモを睨みつける。
「なんでここがわかったのよ!」
「リンゴとアンズが教えてくれたのよ!!」
「あの二人……。」
「二人に黙って抜け駆けした事が仇になったわね。
ダルは返してもらうわよ。」
「「させないわ。」」
そこからはただただ酷い有様だった。
品格も何も無い罵りあいと殴り合いに段々意識がハッキリしてきたダルは口を挟む事は出来なかった。
とりあえず自力で脱出しそれぞれの母親たちをつれて行くと今度は親子喧嘩が始まった。
「「このバカ娘!!」」
「何よ~!母さんが私をまな板に産んだのがいけないんでしょ!!」
「母様!女にはやらねばならぬ時があるのです!!」
「何言ってんだい!ほらダルさんに謝りなっ!」
結局それぞれの父親まで出てきて引きずりながら家に帰っていき、ダルとカリンはその場に二人だけになった。
「帰ろうか……。」
「……そうだね。」
家に帰るとカリンは改めてダルに向き直った。
「ねぇダル、実はイチゴ先輩やスモモにグラついたりした……?」
「しないよ、俺にはカリンだけだから。」
「本当に?」
「もちろんだ。」
「ダル……大好きだよ。」
今夜もダルとカリンは熱い夜を過ごしていく。
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