あなたは私にドキドキしない

聖 りんご

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妹と恋人の間

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寝る為に床に転がったダルにカリンは馬乗りになった。

「カリン…俺はさっき注意したはずだけど。」

「悪いのは……ダルだもん。」

カリンはダルの唇を強引に奪い舌と一緒にチョコレートをねじ込んだ。
押し返そうと腕に力を入れたダルだったが、カリンがダルの手を握り、そのあまりの冷たさにダルはカリンの手を払うことが出来なかった。
そのまま二人の舌でチョコレートを溶かし絡ませ味わうと少し唇が離れた。

「ちゃんと……みてよ。」

月明かりが苦しそうな顔カリンの顔を照らしダルはカリンを引き寄せ強く抱きしめた。

「ごめん……」

「なんで謝るの!」

カリンは抱き締めるダルの背中を殴った。
どんなけカリンが殴っても微動だにしないダルに次第に手は止まり、代わりに涙がとめどなく溢れてきた。
やがて、泣き疲れたのかカリンはそのまま眠ってしまいダルはカリンをベッドに寝かせた。
カリンの目元の涙を拭うと少し身動ぎした。

ダルは寝る気にならなくて窓から見える月を眺めた。
【妹のような存在】その言葉は、いつからカリンを苦しめていたのだろうか。
ダルはただカリンが大切だった。
物心つく前から隣に居て、いつも一緒にいる誰よりも大切な存在。
泣かせたかった訳では無い、大切だから離れていかないで欲しいから家族ならきっといつまでも一緒にいてくれるから。

「俺は…」

気づけば麻になっていた。
幸い今日は休みの為慌てることは無いが、そろそろカリンを起こさなくてならない。
ダルは気まづくて起こせずにいるとカリンが眩しそうにしながら起き上がった。
カリンはまだ寝ぼけているのかボーっとした様子で眠そうにしていた。
それをみてダルは何だか懐かしい感覚になり、ダルはカリンに近づくと頬を撫でて「おはよう」と声をかけた。
ボーっとしていたカリンは遅れて「おはよう」と言うと、頭がハッキリしてきたのか大きな目を開き顔を赤くしたと思ったら青くし慌ててダルの部屋から出ていこうとした。
ダルは慌ててカリンの腕を掴むと逃げられないように抱きしめ。

 「なっ?!」

いきなり抱きしめられたカリンは顔を赤くしながら抵抗したが、ダルの腕を振り解けるわけがなく諦めて抵抗をやめた。

「なんで…離してくれないの…」

「離せる訳ないだろ。」

ダルはさらに腕に力を入れカリンをつよく抱きしめた。

「ごめん、たくさん傷付けた。
怖かったんだ……カリンを失うのが、カリンが自分の側から居なくなるのが……耐えられなかったんだ。」

長い沈黙が流れた。
カリンは何か言おうとしてはやめを繰り返す。
沈黙を破ったのはダル。

「俺は、カリンを愛してる。」
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