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気付かないのは本人ばかり
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ダルは頭を抱えていた。
目の前にはちょっと人には見られるのは不味い程服が乱れ赤い顔で迫ってくるカリン。
窓から勝手に入ってきたアラン。
物音がしてすぐにカリンにシーツを被せたのでカリンの姿がアランの目に入る事はなかったはずだが、そのせいでアランから有らぬ誤解を受けている。
「おやおやダル君、何やらお楽しみ中だったみたいで悪いな。
いや~君も男だったんだね~。
これはぜひ明日、カリンさんに教えてあげなきゃいけないね。」
「アラン…窓から人の部屋に入ってきておいて言う言葉はそれか?
大方スモモに菓子の回収でも頼まれたか。」
「おや、バレてるという事は既に食べたって事か。
なるほど…お気に召したなら妹には回収出来なかったと伝えて送ってが?」
「さっさと持って帰れっ!」
ダルは菓子の袋をアランに投げつけた。
それを受け取ったアランはニヤニヤ嫌な笑顔をしながら窓から出ていった。
アランが戻って来ないのを確認してダルはカリンに被せていたシーツをとり、手で塞いでいた口を解放した。
「ひどぉいだる。あっついし~くるしかったぁ。」
抗議するカリンは今にも鼻と鼻が触れてしまいそうな程顔が近く、ダルに馬乗りになっている状態だった。
「わかった、悪かったから!水をもらってくるから退いてくれないか?」
「やだ!だるとはなれたくないもぉん!」
カリンはダルの上に座り首に手を回し抱きついた。
流石のダルもその密着度の高さに慌て引き離そうとカリンの肩を押すが全く動かない。
「カリン、流石に不味い!離れてくれ!!」
「やだぁ」
ダルの心臓の鼓動はどんどんはやくなり体温を上昇させた。
カリンの髪からする甘い匂いが、触れている部分全てから伝わる体温と柔らかさが、めくれたスカートからのぞく白い太ももがダルから冷静さを奪った。
この状況を打開するにはどうすれば良いのか考えたくとも考えられず結局そのままにしていると、カリンの呼吸が整いスヤスヤと寝息をたて始めた。
一気に力の抜けたダルはため息をつきカリンをゆっくり剥がしベッドに寝かせた。
しばらくしてカリンが目を覚ますと月は一番高い位置にあった。
まだ少しボーっとする中周りを見渡し自身の部屋ではない事に気がつくとカリンは勢いよく起き上がった。
「起きたか?」
「ダル?私…寝てたの…?」
「ああ。どこまで覚えてる?」
ダルに問われ記憶を遡るとスモモの菓子を食べたところまではハッキリ覚えており、その後は朧気だがダルに抱きついた事なども覚えている為、カリンは顔を真っ赤にした。
「どうやら全部覚えてるな…たくっ、これに懲りたら人から貰った物を勝手に食べないように!」
「……ごめんなさい。」
「後、酒は絶対に飲まないように!!」
「あれは、ダルだから、ダルだったから抱きついたの!他の人になんか抱きつかないよ。」
「それ以外にも危ない!俺じゃ無かったら襲われても文句は言えないぞ。」
「ダルにだったら襲われてもいいもん。」
ダルはカリンがまだ少し酔っていて意味が分からず言っていると思いため息をついた。
しかし、カリンは酒が抜けきってはいないものの頭はハッキリしていたのでダルに伝わっていない事に苛立った。
「とりあえず、叔母さんには説明してあるから今日は寝ていけよ。俺は床で寝るから。」
話を無理やり切り上げられたカリンは凄く腹を立てた。
目の前にはちょっと人には見られるのは不味い程服が乱れ赤い顔で迫ってくるカリン。
窓から勝手に入ってきたアラン。
物音がしてすぐにカリンにシーツを被せたのでカリンの姿がアランの目に入る事はなかったはずだが、そのせいでアランから有らぬ誤解を受けている。
「おやおやダル君、何やらお楽しみ中だったみたいで悪いな。
いや~君も男だったんだね~。
これはぜひ明日、カリンさんに教えてあげなきゃいけないね。」
「アラン…窓から人の部屋に入ってきておいて言う言葉はそれか?
大方スモモに菓子の回収でも頼まれたか。」
「おや、バレてるという事は既に食べたって事か。
なるほど…お気に召したなら妹には回収出来なかったと伝えて送ってが?」
「さっさと持って帰れっ!」
ダルは菓子の袋をアランに投げつけた。
それを受け取ったアランはニヤニヤ嫌な笑顔をしながら窓から出ていった。
アランが戻って来ないのを確認してダルはカリンに被せていたシーツをとり、手で塞いでいた口を解放した。
「ひどぉいだる。あっついし~くるしかったぁ。」
抗議するカリンは今にも鼻と鼻が触れてしまいそうな程顔が近く、ダルに馬乗りになっている状態だった。
「わかった、悪かったから!水をもらってくるから退いてくれないか?」
「やだ!だるとはなれたくないもぉん!」
カリンはダルの上に座り首に手を回し抱きついた。
流石のダルもその密着度の高さに慌て引き離そうとカリンの肩を押すが全く動かない。
「カリン、流石に不味い!離れてくれ!!」
「やだぁ」
ダルの心臓の鼓動はどんどんはやくなり体温を上昇させた。
カリンの髪からする甘い匂いが、触れている部分全てから伝わる体温と柔らかさが、めくれたスカートからのぞく白い太ももがダルから冷静さを奪った。
この状況を打開するにはどうすれば良いのか考えたくとも考えられず結局そのままにしていると、カリンの呼吸が整いスヤスヤと寝息をたて始めた。
一気に力の抜けたダルはため息をつきカリンをゆっくり剥がしベッドに寝かせた。
しばらくしてカリンが目を覚ますと月は一番高い位置にあった。
まだ少しボーっとする中周りを見渡し自身の部屋ではない事に気がつくとカリンは勢いよく起き上がった。
「起きたか?」
「ダル?私…寝てたの…?」
「ああ。どこまで覚えてる?」
ダルに問われ記憶を遡るとスモモの菓子を食べたところまではハッキリ覚えており、その後は朧気だがダルに抱きついた事なども覚えている為、カリンは顔を真っ赤にした。
「どうやら全部覚えてるな…たくっ、これに懲りたら人から貰った物を勝手に食べないように!」
「……ごめんなさい。」
「後、酒は絶対に飲まないように!!」
「あれは、ダルだから、ダルだったから抱きついたの!他の人になんか抱きつかないよ。」
「それ以外にも危ない!俺じゃ無かったら襲われても文句は言えないぞ。」
「ダルにだったら襲われてもいいもん。」
ダルはカリンがまだ少し酔っていて意味が分からず言っていると思いため息をついた。
しかし、カリンは酒が抜けきってはいないものの頭はハッキリしていたのでダルに伝わっていない事に苛立った。
「とりあえず、叔母さんには説明してあるから今日は寝ていけよ。俺は床で寝るから。」
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