私が尽くす貴女は絶対

聖 りんご

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「ハナ様、申し訳ありませんでした。」

意識を取り戻したセバスは意識を取り戻してすぐにハナに謝罪した。
ジルに会いに行くたけでまさか泣くほど怒っていたとは思わなかったのだ。
ハナはセバスの謝罪に何も言わずただ俯いていた。

「ハナ様、私が貴女様を裏切る事はありえません。どのようにしたらお分かりいただけるのでしょうか…。」

「わ、私は…ワガママで、我が強いからセバスの言葉に耳を傾けない事ばっかりで…セバスは愛想を尽かすんじゃないかってずっと怖かったの……。」

俯き震えるハナをセバスは抱きしめた。

「愛想を尽かすなんてそれこそありえません!私には貴女様だけです。貴女は可愛くて仕方がない私の唯一の女王です。」

「本当に信じて大丈夫……?ジルさんの方が良かったりしないの…?」

「何故そこでジルが出てくるのですか。」

「だって……二人はとても親密そうで、肩が触れるほど近い距離感の時も度々あるし何よりセバス、私といる時より楽しそうだもの。」

セバスはハナにそれ程までにジルとの仲を疑われていた事にショックを受けながらも今はハナの誤解を完全に解かなければならないと必死に考えた。

一方ジルもボロボロになり手当を受けながらビーと今回の件について話をしていた。

「つまり~ジルもプリちゃんとケンカ中な訳ね~。」

「ケンカと言われると何とも……。」

「でも怒らせたのは事実でしょ~。ちなみにあと何が必要なのかな~?」

「不死の書と再生の短剣です。」

「なるほどね~。その二つは私達の管理物じゃないからセバスが居なくても問題ないものだよね~。ここは男をみせるとこじゃないかな~?」

「確かに、セバスに頼りすぎていました。」

ジルのことは満足気な顔をするビーはジルにドリンクを差し出した。

「これを飲めばさっきのダメージは無くなるからコレを飲んでから行くと良いよ~。もう場所とかは把握してるんでしょ~?」

「ありがとうございます。ご好意に甘えさせていただきます。ただ、行く前にセバスに直接お礼だけ伝えたいと思っているのですが……。」

ビーは唸りながら考えた。
ハナとセバスを二人きりにしたのだ。
きっと今は部屋を訪れない方が良いに違いない。
しかし、ジルの思いもまた分かる。
しかもセバスの性格上、ジルが黙ってここを去れば少し落ち込むことだろう。

「手紙でも書いて貰おうかな~。」

ジルはセバスに宛てた手紙を残し巣を旅立った。
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