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行儀の悪い来訪者
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マックスがベタマルの呼び掛けに応えたのは5分程してからだった。通りすがる人々の眼を気にせず呼び掛け続けたベタマルは賞賛に値するかもしれない。
マックスの思惑の中には放置している間に警邏隊でも通り回収されないかというものもあったが、残念ながら叶わなかった。
「ベタマル、近所迷惑だよ。」
「五月蝿い!ドアを開けろ!!リリンを監禁しているんだろ?!」
「濡れ衣だよ。諦めて帰ってくれない?」
玄関のドアすら開けずドア越しでしか話さないマックスにベタマルの我慢が限界に達し、ベタマルはドアを開けようとした。しかし、当然鍵がかけられており開かない。
それでもいい諦めずにドアにタックルし始めたベタマルにマックスはやれやれと玄関のドアから少し離れたところで椅子に座った。
何回目かのタックルでようやくドアの鍵が壊れ、汗だくのベタマルはドアを乱暴に開く。すると、目の前には優雅に椅子に座りお茶を飲むマックスの姿があった。
頭に血が上ったベタマルは勝手に家の中に足を踏み入れマックスに近づこうとする。しかし、三歩目を踏み出そうとした時に足が上がらず、視線を下に向けるとネズミ捕り用の粘着剤に足を取られた事に気づいた。
「マックス!!何だこれは!!!」
「もちろんネズミ捕り用の罠だよ。」
「そんな事を聞いているんじゃない!!!」
「ほら、凶暴なネズミが入ってきたら危ないだろう?だから対策はきちんとしておかないとね。あと流石に近所迷惑だから少し静かにして欲しいな。」
マックスはベタマルに香水を吹きかけた。
予想打にしないマックスの行動に一瞬身を強ばらせたベタマルだったが、すぐに意識を失いその場に倒れ込んだ。
「あ~ベタベタの上だったの忘れてた~。」
ほぼ棒読みで呟いたマックスはベタマルの回収を依頼する為にベタマルの家に手紙を送った。
数時間後、目を覚ましたベタマルは自室に寝かされていた。先程までマックスの家にいた筈なのになぜ自室にいるのか、少し混乱気味のベタマルはベッドから起き上がる。
すると、腕に少し重みを感じおもむろに視線を向けた。
視線の先には、太い鎖が繋がった自身の腕がありベタマルは驚きながらもその鎖を引っ張った。鎖はベッドの脚に繋がれており、幾度か引っ張るが外れる気配はない。
「クソ!何だこれは!!」
「目覚められましたか。」
年老いた執事がベッドに近づくと、ベタマルは執事を睨みつけた。
「旦那様の言いつけでございます。今回の件の罰として髪が伸びるまで自室から出られるのは禁止。次に問題を起こされれば屋敷から我が領地の辺境にあります塔へ移っていただく事となります。」
「髪が…のびるまで…?」
ベタマルは恐る恐る自分の頭に手をやった。
すると、完璧に手入れし肩まで伸ばしていた指通りの良い金色の髪が全く無く刈り上げられていた。
ベタマルは放心状態になり頭を触っていた腕は力なく布団の上に落ちる。
「これからは真っ当な趣味をお持ちになり勉学にお励み下さい。」
執事は一礼すると部屋から出ていった。
マックスの思惑の中には放置している間に警邏隊でも通り回収されないかというものもあったが、残念ながら叶わなかった。
「ベタマル、近所迷惑だよ。」
「五月蝿い!ドアを開けろ!!リリンを監禁しているんだろ?!」
「濡れ衣だよ。諦めて帰ってくれない?」
玄関のドアすら開けずドア越しでしか話さないマックスにベタマルの我慢が限界に達し、ベタマルはドアを開けようとした。しかし、当然鍵がかけられており開かない。
それでもいい諦めずにドアにタックルし始めたベタマルにマックスはやれやれと玄関のドアから少し離れたところで椅子に座った。
何回目かのタックルでようやくドアの鍵が壊れ、汗だくのベタマルはドアを乱暴に開く。すると、目の前には優雅に椅子に座りお茶を飲むマックスの姿があった。
頭に血が上ったベタマルは勝手に家の中に足を踏み入れマックスに近づこうとする。しかし、三歩目を踏み出そうとした時に足が上がらず、視線を下に向けるとネズミ捕り用の粘着剤に足を取られた事に気づいた。
「マックス!!何だこれは!!!」
「もちろんネズミ捕り用の罠だよ。」
「そんな事を聞いているんじゃない!!!」
「ほら、凶暴なネズミが入ってきたら危ないだろう?だから対策はきちんとしておかないとね。あと流石に近所迷惑だから少し静かにして欲しいな。」
マックスはベタマルに香水を吹きかけた。
予想打にしないマックスの行動に一瞬身を強ばらせたベタマルだったが、すぐに意識を失いその場に倒れ込んだ。
「あ~ベタベタの上だったの忘れてた~。」
ほぼ棒読みで呟いたマックスはベタマルの回収を依頼する為にベタマルの家に手紙を送った。
数時間後、目を覚ましたベタマルは自室に寝かされていた。先程までマックスの家にいた筈なのになぜ自室にいるのか、少し混乱気味のベタマルはベッドから起き上がる。
すると、腕に少し重みを感じおもむろに視線を向けた。
視線の先には、太い鎖が繋がった自身の腕がありベタマルは驚きながらもその鎖を引っ張った。鎖はベッドの脚に繋がれており、幾度か引っ張るが外れる気配はない。
「クソ!何だこれは!!」
「目覚められましたか。」
年老いた執事がベッドに近づくと、ベタマルは執事を睨みつけた。
「旦那様の言いつけでございます。今回の件の罰として髪が伸びるまで自室から出られるのは禁止。次に問題を起こされれば屋敷から我が領地の辺境にあります塔へ移っていただく事となります。」
「髪が…のびるまで…?」
ベタマルは恐る恐る自分の頭に手をやった。
すると、完璧に手入れし肩まで伸ばしていた指通りの良い金色の髪が全く無く刈り上げられていた。
ベタマルは放心状態になり頭を触っていた腕は力なく布団の上に落ちる。
「これからは真っ当な趣味をお持ちになり勉学にお励み下さい。」
執事は一礼すると部屋から出ていった。
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