呪われた口は塞ぐが早い

聖 りんご

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甘いのはマックスか飴玉か

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「最初からこうしていたら良かったね。」

「マックスと暮らせるのは嬉しいけど…迷惑じゃない?私の周りには変人ばかり集まってくるもの。」

ベタマルが自宅謹慎中にマックスはリリンをマックスの自宅に引越しさせた。自立心の強いリリンは難色をしめしたが、マックスはリリンの髪をひと房手に取り口付けるとリリンの耳もとで囁いた。

「君の事が心配すぎて何も手に付かなくなりそうだ…僕の為に一緒に住んでくれないかい?」

リリンは顔を真っ赤にしながら頷ことしか出来なかった。チョロすぎるリリンが心配になりながらもマックスは手際よくリリンの引越し手配をし今に至る。
変人ばかりが集まると嘆くリリンに僕もその中の一人かと問いたくなるマックスだが、リリンが半泣きで否定する未来しかみえない。

「リリンが優しいから(僕を含めて)皆が漬け込むだけだよ。君が迷惑をかけているんじゃなくて、神様が僕にリリンに近づく用事を作ってくれているんだよ。だから感謝しなきゃ!!」

純真なリリンはマックスの言葉をそのまま受け取り感謝した。

リリンがマックスの自宅に済むようになって一週間が経つと二の腕の怪我も良くなり普通に過ごす事ができるようになった。マックスから危ないから外には出ないように言われていたリリンだが、流石に退屈さを感じ庭くらいなら良いだろうとドアを開けた。

すると、タイミング悪く見つかりたくなかった相手が目の前にいた為、リリンは慌ててドアを閉めた。

「ちょっと!リリンあんたなんでマックスの家にいるのよ!!出てきなさい!!!」

ドンドンとドアを力強く叩くアンを無視し続けるリリンだったが騒がしくしすぎた為にマックスがリリンの元にやってきた。

「リリン、これはどういう状況かな?」

「ごめんなさいマックス…庭で気分転換しようとしたら開けた瞬間アンが居て……。」

「なるほどね。リリンには後でお仕置きが必要だね。でも、その前にこの状況を何とかしようか。」

マックスはリリンの頭を優しく撫でると一人で外に出た
。リリンが出てきたと思い凄い形相で睨みつけたアンは、出てきたのがマックスだと気づくと一瞬で可愛らしい笑顔をつくりだした。

「あらマックスご機嫌よう。私貴方をカフェにさそ「ハイあ~ん」。」

マックスはアンの言葉を遮りアンの口に飴玉を入れた。
マックスから飴玉を食べさせてもらえた喜びにより恍惚の表情を浮かべたアンだったが、すぐにバタンとその場に倒れ眠りについた。

「よし、これで五月蝿く無くなった。」

マックスは眠ってしまったアンを担ぐと家の斜め向かいにある協会の前に運び神父にアンを託しリリンの元へ戻った。

「ただいま、リリン。」
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