婚約者の愛は重たい

聖 りんご

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ジョシュアの甘いご褒美デート(前編)

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試験が無事に終った次の日、今日は学園はお休みです。

ジョシュアから二人で出かけたいと言われたので、只今おめかし真っ最中でジョシュアの髪と似たシルバーブルーのワンピースを着て赤いイヤリングをつけて髪はジョシュアがくれたリボンでを結いました。

全身ジョシュア仕様のコーディネート、喜んでくれたら嬉しいな。

ジョシュアが迎えに来たので玄関を出るとジョシュアは驚いた様子で少しだけ頬を薔薇色に染めながら抱きついて来ました。

「おはようございます。ジゼル、今日の貴女は一段と美しいです。そのワンピースもイヤリングもリボンもとてもお似合いです。」

「ありがとう。とても嬉しいけどここは玄関先だからそろそろ離してくれないかしら。」

「もう少しだけ、貴女のバラの甘い香りに包まれていたいのです。」

ジョシュアは私の首筋に顔を埋めてきた。
くすぐったいけど力が強くて推し返せないでいると玄関が勢いよく開きお兄様が出てきた。

「こんなところでイチャつかないで早く馬車に乗ってくれ。もうすぐ私の友人が来てしまう!」

「仕方ないですね。」

ジョシュアはとても残念そうに私を解放すると馬車の中にエスコートしてくれた。

合図をすると馬車は動き始めた。

「今日はどこに行くの?」

「今日はですね。ジゼルと共に私の領をまわりたいと思っています。」

「そういえば一度も行った事が無かったわ。どんなところか楽しみね。」

「満足いただけると嬉しいのですが、少し移動に時間がかかります。今日は私のご褒美なのでいつもよりジゼルを堪能させて下さいね。」

ジョシュアの隣に座っていた私はジョシュアの膝の上に乗せられた。

「さっきは止められてしまいましたからね。」

そう言ってジョシュアは私の唇を弄ぶようなキスをしてそれは段々と深さを増していった。
私は息をするのがやっとで少し苦しくて離れようとするけどジョシュアがそれを許してくれない。
クラクラして手足に力が入らなくなってきてもジョシュアはキスをやめず、どれくらい時間がたったか分からない。

「ジ…シュ…ア……も」

「まだ…足りません。」

唇が純血してジンジンとしてくる頃、ジョシュアはキスやめて私の身なりを整えてくれた。
私は手持ちの鏡で確認すると口紅はとれてしまったけど私の唇は普段より色使いていて口紅をしているかのようだった。

「口紅がとれてしまいましたね。」

ジョシュアは私の唇を名残惜しそうに撫で私はそれに少しドキドキしてしまった。
ふと、ジョシュアの唇をみると唇に薄く私の付けていた口紅がついていてすごく恥ずかしくなったが、言わない訳にもいかず指摘するとジョシュアは自身の親指で拭い「とれましたか?」と私に顔を近づけてきた。

そこで突然馬車がとまり、私はバランスを崩しジョシュアにキスするかたちとなった。
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