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戦いの後に得たもの
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ジョシュアの元に向かう為に校内を歩いていると、いきなり右手を引かれ空き教室に連れこまれた。
犯人は先程まで戦っていた公爵令嬢で彼女は静かにドアを閉めると距離を詰めてきた。
「貴女、あのハレンチな跡はなんですの?!もしや殿下と愛人関係なの?!」
「違います。誤解です。シリウス様に興味はありません。私はに婚約者がいますから。」
「婚約者?そんな話きいてないわ。」
「私の婚約者は辺境伯様です。」
「辺境伯……千里眼の魔術師の婚約者?!
あぁ……私の人生はここで終わるのですね。なんと儚い人生だったのでしょう。大輪のような美貌を持ちながらも頭脳までも明晰なこの神から愛された私の人生は」
「終わりません。儚くもありません。帰って来て下さい。」
彼女のこの話が通じない感じに凄く親近感がわきました。
「貴女は(腹黒な)シリウス様のどこを好きになったのですか?」
彼女は待ってましたと言わんばかりに語り始めました。
「アレは……5歳の誕生パーティーの日でした。」
要約すると、5歳のパーティーでシリウス様の笑顔に一目惚れ。
猛アタックし続けるも数年後、私の婚約者になったとウワサが耳に入るが諦めきれない。
そんな中、昨年隣国の王女との和平の為の婚約が発表され愛のない結婚ならチャンスがあると思い今に至る。
私、また巻き込まられた。
「それで何で私は恨まれていたのでしょうか」
「泣く泣く別れたのかと思っておりましたの。」
私は自分の中で何かが切れる音をききました。
そして笑顔で彼女の手を取りまるで聖母のように優しい声で囁きました。
「私は、貴女の味方ですよ。殿下のお立場なら正妃様の他に貴女様のような行動力ある女性が必要なはずです。
一緒に考えましょう。貴女の望みを叶える為に。」
彼女の瞳は輝きに満ちていました。
お話しなければとても可愛らしい容姿をしてるし、お話しなければ彼女は引く手数多でしょう。
「私、リンバース公爵家のジゼルと申します。以後お見知りおき下さい。」
「私はバーン公爵家のリリアンと申します。無礼の数々、お許しください。」
「貴女様を許します。これから宜しくお願いしますね。リリアン様。」
「はい。宜しくお願いします。ジゼル様!」
今ここに一つの友情が誕生しました。
私は、リリアン様の想いを遂げさせてあげたい。
「ジョシュア。いるのでしょ?」
そう声をかけると教師のドアが開いた。
「お気付きだったのですね。」
「貴方が私の監視を怠るはずがないもの。」
「あの…Sクラスの担任の先生ですよね?随分親しそうですが…」
「初めましてバーン公爵令嬢。」
「リリアン様。彼が私の婚約者ですわ。」
笑顔で紹介すると、リリアン様はまた固まってしまいました。
確かに少しビックリしてしまうかもしれないですね。
「皆には秘密ですよ?」
私は小首を傾げ人差し指を立て口に当てた。
リリアン様に下のに何故かジョシュアが返事をした。
顔が赤い気がするけど気のせいかな。
固まったリリアン様にはそろそろ復活して欲しかったので「あ。殿下!」と言ってみたらきちんと意識が帰ってきた。
「リリアン様。殿下との事、私の婚約者にも協力してもらいましょう。」
犯人は先程まで戦っていた公爵令嬢で彼女は静かにドアを閉めると距離を詰めてきた。
「貴女、あのハレンチな跡はなんですの?!もしや殿下と愛人関係なの?!」
「違います。誤解です。シリウス様に興味はありません。私はに婚約者がいますから。」
「婚約者?そんな話きいてないわ。」
「私の婚約者は辺境伯様です。」
「辺境伯……千里眼の魔術師の婚約者?!
あぁ……私の人生はここで終わるのですね。なんと儚い人生だったのでしょう。大輪のような美貌を持ちながらも頭脳までも明晰なこの神から愛された私の人生は」
「終わりません。儚くもありません。帰って来て下さい。」
彼女のこの話が通じない感じに凄く親近感がわきました。
「貴女は(腹黒な)シリウス様のどこを好きになったのですか?」
彼女は待ってましたと言わんばかりに語り始めました。
「アレは……5歳の誕生パーティーの日でした。」
要約すると、5歳のパーティーでシリウス様の笑顔に一目惚れ。
猛アタックし続けるも数年後、私の婚約者になったとウワサが耳に入るが諦めきれない。
そんな中、昨年隣国の王女との和平の為の婚約が発表され愛のない結婚ならチャンスがあると思い今に至る。
私、また巻き込まられた。
「それで何で私は恨まれていたのでしょうか」
「泣く泣く別れたのかと思っておりましたの。」
私は自分の中で何かが切れる音をききました。
そして笑顔で彼女の手を取りまるで聖母のように優しい声で囁きました。
「私は、貴女の味方ですよ。殿下のお立場なら正妃様の他に貴女様のような行動力ある女性が必要なはずです。
一緒に考えましょう。貴女の望みを叶える為に。」
彼女の瞳は輝きに満ちていました。
お話しなければとても可愛らしい容姿をしてるし、お話しなければ彼女は引く手数多でしょう。
「私、リンバース公爵家のジゼルと申します。以後お見知りおき下さい。」
「私はバーン公爵家のリリアンと申します。無礼の数々、お許しください。」
「貴女様を許します。これから宜しくお願いしますね。リリアン様。」
「はい。宜しくお願いします。ジゼル様!」
今ここに一つの友情が誕生しました。
私は、リリアン様の想いを遂げさせてあげたい。
「ジョシュア。いるのでしょ?」
そう声をかけると教師のドアが開いた。
「お気付きだったのですね。」
「貴方が私の監視を怠るはずがないもの。」
「あの…Sクラスの担任の先生ですよね?随分親しそうですが…」
「初めましてバーン公爵令嬢。」
「リリアン様。彼が私の婚約者ですわ。」
笑顔で紹介すると、リリアン様はまた固まってしまいました。
確かに少しビックリしてしまうかもしれないですね。
「皆には秘密ですよ?」
私は小首を傾げ人差し指を立て口に当てた。
リリアン様に下のに何故かジョシュアが返事をした。
顔が赤い気がするけど気のせいかな。
固まったリリアン様にはそろそろ復活して欲しかったので「あ。殿下!」と言ってみたらきちんと意識が帰ってきた。
「リリアン様。殿下との事、私の婚約者にも協力してもらいましょう。」
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