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婚約者の心配
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「私の愛しい人よ。どうか、私の願いを聞いて欲しい。」
男は真剣な顔をしてソファに並んで座る女性の手をとった。
「学園に行くの……辞めましょ?」
「ジョシュア…いい加減諦めてちょうだい!」
私、ジゼルはリンバース公爵家の令嬢です。
今、私の手をとり必死に学園行きをとめているのは先日婚約者になった辺境伯のジョシュアで、彼は私を学園に行かせたくなくてこの一週間ずっとこの調子です。
十六歳になると、貴族の義務として学園に入り魔法や貴族としての在り方などたくさんの事を学ぶ事となります。
それは、多くの者を導く為に必要な事で、私としては楽しみにしているのだけど、今からコレでは不安が募ります。
「ジゼル…私が貴方に全てを教えてさしあげます。」
「ジョシュア、諦めて。これは貴族の義務です!」
「なら私も一緒に通います!!」
「貴方は今十八歳だから通えません。」
「それならどうやって君を男どもから護ればいいんだ……」
このやりとりを毎日毎日……。
「ジゼルは可愛い顔をしてるから笑顔を向けただけで男どもは勘違いしてしまう。しかもスタイルも良くてこの私を誘う魅力的な双丘は男どもの視線を奪って妄想してしまうだろう!そんなの許せるはずが無い!!ジゼルの笑顔を見ていいのは私だけだし、男どもが私のジゼルで如何わしい妄想をするなんて万死に価する。そもそもジゼルの視界に入る事自体が罪深い!」
ヒートアップして危ない思想になる彼を他の人がみたらドン引きするでしょう。
しかし、私はそんな事ありません。
「単純に恐いわ!!」
はしたなく叫んでしまいましたが、最近は矯正も兼ねてジョシュアに魔法で水を出し顔にぶつけています。
するとちゃんと戻ってくるのです。
「私はまたマイナス思考になっていたようです。ジゼル…ありがとうございます。」
ジョシュアは私に礼を言うと自身の濡れた髪と服を魔法で乾かします。
この乾燥の魔法は力加減が難しい複数属性を使う混合魔法なのですが、ジョシュアは簡単にやってしまうのでこういうところは尊敬してます。
ジョシュアは自分の実力で辺境伯になり、魔法も天才的で宮廷魔術師でもあります。
そんな才能の塊みたいな彼の隣にいる私は何もない存在なので彼に追いつくのは厳しいかもしれませんが、隣にいてもいいくらいの存在になりたいなと思っています。
「ねぇジョシュア。私は貴方を愛しているわ。だから貴方の役に立てるように学園でたくさんの事を学び、貴方の隣にいて良いと皆に認めてもらいたいの。」
私はジョシュアの背中に手を回し抱きつきました。
一瞬ビクッとしてすぐに抱き返してきたジョシュアは暖か……いや暑い!なんかすごく暑いです。
ちらりとジョシュアの顔をみると真っ赤になって頭から煙もでてました。
とりあえず離れようとしますが、力が強くてビクともしない。
暑くて私の意識も朦朧としてきました。
「ねぇジョシュア…あっついの…お願い離して」
ジョシュアを見上げてお願いするとジョシュアは離してくれました。
離れたらすごく涼しかった…
この日からジョシュアは学園行きについて何も言わなくなったのできっと納得してくれたのだと思っています。
そしてあっという間に季節がすぎ、学園に入学する日になりました。
私は制服に身を包み馬車に乗り込みます。
男は真剣な顔をしてソファに並んで座る女性の手をとった。
「学園に行くの……辞めましょ?」
「ジョシュア…いい加減諦めてちょうだい!」
私、ジゼルはリンバース公爵家の令嬢です。
今、私の手をとり必死に学園行きをとめているのは先日婚約者になった辺境伯のジョシュアで、彼は私を学園に行かせたくなくてこの一週間ずっとこの調子です。
十六歳になると、貴族の義務として学園に入り魔法や貴族としての在り方などたくさんの事を学ぶ事となります。
それは、多くの者を導く為に必要な事で、私としては楽しみにしているのだけど、今からコレでは不安が募ります。
「ジゼル…私が貴方に全てを教えてさしあげます。」
「ジョシュア、諦めて。これは貴族の義務です!」
「なら私も一緒に通います!!」
「貴方は今十八歳だから通えません。」
「それならどうやって君を男どもから護ればいいんだ……」
このやりとりを毎日毎日……。
「ジゼルは可愛い顔をしてるから笑顔を向けただけで男どもは勘違いしてしまう。しかもスタイルも良くてこの私を誘う魅力的な双丘は男どもの視線を奪って妄想してしまうだろう!そんなの許せるはずが無い!!ジゼルの笑顔を見ていいのは私だけだし、男どもが私のジゼルで如何わしい妄想をするなんて万死に価する。そもそもジゼルの視界に入る事自体が罪深い!」
ヒートアップして危ない思想になる彼を他の人がみたらドン引きするでしょう。
しかし、私はそんな事ありません。
「単純に恐いわ!!」
はしたなく叫んでしまいましたが、最近は矯正も兼ねてジョシュアに魔法で水を出し顔にぶつけています。
するとちゃんと戻ってくるのです。
「私はまたマイナス思考になっていたようです。ジゼル…ありがとうございます。」
ジョシュアは私に礼を言うと自身の濡れた髪と服を魔法で乾かします。
この乾燥の魔法は力加減が難しい複数属性を使う混合魔法なのですが、ジョシュアは簡単にやってしまうのでこういうところは尊敬してます。
ジョシュアは自分の実力で辺境伯になり、魔法も天才的で宮廷魔術師でもあります。
そんな才能の塊みたいな彼の隣にいる私は何もない存在なので彼に追いつくのは厳しいかもしれませんが、隣にいてもいいくらいの存在になりたいなと思っています。
「ねぇジョシュア。私は貴方を愛しているわ。だから貴方の役に立てるように学園でたくさんの事を学び、貴方の隣にいて良いと皆に認めてもらいたいの。」
私はジョシュアの背中に手を回し抱きつきました。
一瞬ビクッとしてすぐに抱き返してきたジョシュアは暖か……いや暑い!なんかすごく暑いです。
ちらりとジョシュアの顔をみると真っ赤になって頭から煙もでてました。
とりあえず離れようとしますが、力が強くてビクともしない。
暑くて私の意識も朦朧としてきました。
「ねぇジョシュア…あっついの…お願い離して」
ジョシュアを見上げてお願いするとジョシュアは離してくれました。
離れたらすごく涼しかった…
この日からジョシュアは学園行きについて何も言わなくなったのできっと納得してくれたのだと思っています。
そしてあっという間に季節がすぎ、学園に入学する日になりました。
私は制服に身を包み馬車に乗り込みます。
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