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蒼太編
真奈の1
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ある日の仕事終わりに滅多に連絡をしてこない妹から電話が来た。
「凪紗?どうしたの??」
「お姉ちゃん今日暇~?」
「ん、別に予定はないけど…。」
「お願いっ!合コン一人来れなくなっちゃんだよね。参加して~!!」
正直ここ最近の色々で男性との出会いは求めてない。
予定は無いと言った後の合コンの誘いとか確信犯だよね。
「悪いけど今はそういう気分になれないな。」
「え~いいでしょ?参加するだけ!会費要らないし!!色々助けてあげたんだからお願い聞いてよ~!」
凪紗はパラリーガルをしながら弁護士を目指してるから孝宏の件も真野さんの件も色々協力してくれんだよね…。
それ持ち出されるとすごく弱いな……。
「合コン行ったらもうその件持ち出さない?」
「もちろん!!」
「仕方ないな~。」
結局帰宅ルートから外れて別の線の電車に乗り凪紗の指定した店に行く事になった。
「美女達との素晴らしき出会いと美味しい料理に、乾杯。」
私は正直場違い感が半端なかった。
私の知ってる合コンは軽いノリでどんちゃん騒ぎして会話やゲームを通して仲を深めるもの。
間違ってもピアノの生演奏を聞きながらシャンパンで乾杯し、美しく彩られたコース料理を嗜むものでは無い。
「晩餐会よね…これ。」
「ふふふ。そんなかしこまったものでは無いのよ。」
「急遽お呼びしてごめんなさいね。」
「い、いえ……。」
私の左側に並ぶ三人の美女達は優雅な仕草で談笑しながら食事を楽しんでいる。凪紗もそれにならっていつもはしない丁寧な喋りで応戦。お姉ちゃんは素手でポテチを掴みながら爆笑する凪紗が好きです。
相手側は大学時代の友人同士のようで職業はバラバラ。だけど大手商社勤務に出世コースのエリート公務員、エンジニアや銀行員、あとは証券マンか…そりゃあお上品にもなりますよね。
まあ私には縁のない世界だし、少し別世界を覗き見した気分で適当な相槌をうって料理を味わうかな。
「あの、良ければお話しませんか?」
「え?わ、私ですか…?」
「ええ、せっかくですから。と言っても僕は話し下手なんですが。」
話しかけてきたのは右斜め向かいのエンジニア、名前は…名前は…ヤバい聞いてなかった。
「私もどちらかと言えば得意では無いので…えっと…。」
「春樹です。梶谷 春樹。貴女は冬月 真奈さん、ですよね。」
すごい!名前を覚えていてくれた!!
梶谷さん話し下手なんて言ってたけど全くそんな事無くて普通に楽しく時間が進んでいく。こういうの久しぶりだな…。
「随分楽しそうですね。俺も仲間に入れてもらっても?」
「え、ええ。」
「俺は富岡 蒼太です。君は…。」
「冬月 真奈です。」
梶谷さんとの会話に割り込んできた証券マンはちょっと強引な感じがする。“俺が”って何回言うんだろ…梶谷さん苦笑いしてるし。
「今日はとても有意義な時間でした。そろそろこの場は解散にしましょう。」
最初に乾杯したエリート公務員さんの声で解散になると男性陣は皆名刺を配り始める。皆気を使って私にもくれるからすごい。
え?女子だけで二次会??慎んで遠慮…遠慮……出来ずに凪紗に引っ張られるぅぅぅ。
「凪紗?どうしたの??」
「お姉ちゃん今日暇~?」
「ん、別に予定はないけど…。」
「お願いっ!合コン一人来れなくなっちゃんだよね。参加して~!!」
正直ここ最近の色々で男性との出会いは求めてない。
予定は無いと言った後の合コンの誘いとか確信犯だよね。
「悪いけど今はそういう気分になれないな。」
「え~いいでしょ?参加するだけ!会費要らないし!!色々助けてあげたんだからお願い聞いてよ~!」
凪紗はパラリーガルをしながら弁護士を目指してるから孝宏の件も真野さんの件も色々協力してくれんだよね…。
それ持ち出されるとすごく弱いな……。
「合コン行ったらもうその件持ち出さない?」
「もちろん!!」
「仕方ないな~。」
結局帰宅ルートから外れて別の線の電車に乗り凪紗の指定した店に行く事になった。
「美女達との素晴らしき出会いと美味しい料理に、乾杯。」
私は正直場違い感が半端なかった。
私の知ってる合コンは軽いノリでどんちゃん騒ぎして会話やゲームを通して仲を深めるもの。
間違ってもピアノの生演奏を聞きながらシャンパンで乾杯し、美しく彩られたコース料理を嗜むものでは無い。
「晩餐会よね…これ。」
「ふふふ。そんなかしこまったものでは無いのよ。」
「急遽お呼びしてごめんなさいね。」
「い、いえ……。」
私の左側に並ぶ三人の美女達は優雅な仕草で談笑しながら食事を楽しんでいる。凪紗もそれにならっていつもはしない丁寧な喋りで応戦。お姉ちゃんは素手でポテチを掴みながら爆笑する凪紗が好きです。
相手側は大学時代の友人同士のようで職業はバラバラ。だけど大手商社勤務に出世コースのエリート公務員、エンジニアや銀行員、あとは証券マンか…そりゃあお上品にもなりますよね。
まあ私には縁のない世界だし、少し別世界を覗き見した気分で適当な相槌をうって料理を味わうかな。
「あの、良ければお話しませんか?」
「え?わ、私ですか…?」
「ええ、せっかくですから。と言っても僕は話し下手なんですが。」
話しかけてきたのは右斜め向かいのエンジニア、名前は…名前は…ヤバい聞いてなかった。
「私もどちらかと言えば得意では無いので…えっと…。」
「春樹です。梶谷 春樹。貴女は冬月 真奈さん、ですよね。」
すごい!名前を覚えていてくれた!!
梶谷さん話し下手なんて言ってたけど全くそんな事無くて普通に楽しく時間が進んでいく。こういうの久しぶりだな…。
「随分楽しそうですね。俺も仲間に入れてもらっても?」
「え、ええ。」
「俺は富岡 蒼太です。君は…。」
「冬月 真奈です。」
梶谷さんとの会話に割り込んできた証券マンはちょっと強引な感じがする。“俺が”って何回言うんだろ…梶谷さん苦笑いしてるし。
「今日はとても有意義な時間でした。そろそろこの場は解散にしましょう。」
最初に乾杯したエリート公務員さんの声で解散になると男性陣は皆名刺を配り始める。皆気を使って私にもくれるからすごい。
え?女子だけで二次会??慎んで遠慮…遠慮……出来ずに凪紗に引っ張られるぅぅぅ。
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