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8日目

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昨日の私へ。

よくもまぁ、大変なことをさらっと頼んでくれましたね。この村で一番長生きで、おそらく魔物に関する知識も豊富だと思われる"かたつむりのランディー"こと、老女のランドリンが何時に起きて何時に寝ているかを忘れていたのですか?

満月がのぼりきって山に隠れるまでの間、ランディーの家の明かりがつくのを見張るなんて大変なことです。眠れなくて本当によかった。仕事はできなかったけど。

半分目の閉じたランディーが早すぎる朝食(うわさどおり、真っ赤なプリアムのスープとザサ入りのパンというしょっぱいもの尽くでした)をとりながら話してくれました。

その辺で村の男が倒しているような害獣程度の魔物では毒にも薬にもならないとのこと。昔は都の方で名を上げた戦士が狩った魔物を加工する職人がいて、その過程で"魔物の干物"なるものがうまれ、それをたまに行商人が売りにきていたそうです。

「今はね……違うから…………どれも少ないから難しいでしょう?」

私なりにランディーの言葉を訳してみました。
『今はおだやかな時代で、昔ほど強い魔物も出てこないうえ、もし出てきたとしてもその魔物を狩ろうという戦士や加工技術を持った職人の数も減っているので、干物を手に入れるのは難しいのではないか』

これでおおよそ間違いないと思います。
たしかに、集会所に飾られている戦士の銅板のうち、いちばん新しい「酩酊のグローリア」でも私が生まれる前からあると聞きます。おだやかなのは幸せだけど、困ったことになりました。


わかりますね?
筋肉痛とは長い付き合いになりますよ。あぁ、大変。ミシンを踏むのもひと苦労で、まだ明後日おさめるものが出来上がっていないというのに。

明日の私、本当にごめんなさい。
今から頑張るけれど、たぶん明日も頑張らないといけないと思います。
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