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髙﨑 レイ

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弐章 最初のイベント

王道と搦手

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「行くよ」
 二本の短剣を構えると告げる。
「応。いつでも来い!」
 対戦相手からいつでもと言われたので早速、超高速機動で相手の背後により左手の短剣を首元を刈ろうとするが寸座にしゃがまれ剣の柄で腹部を殴打してくるのを呼吸をずらして相手に位置を誤認させて短剣の腹で弾き返す。そのまま拳撃を滑らせるように動く位置に置きその拳撃を躱そうとした動きの先にある頭部を目掛け蹴り上げを繰り出す。流石にその動きを読みきれなかったのかその一撃は綺麗に入り後方に弾き跳ぶ。そこに追い討ちを掛けるように二本の短剣をそれぞれ人の急所に値する位置に投げる。
「チッ!」
 そこでイラつくような舌打ちが聞こえた瞬間に腰に差されていた刀が抜刀され二本二本の短剣を弾く。
「はい終了」
 ただ僕はそれも読んでいたので今回投げた短剣には暗殺用の糸を付けておき両手首に巻き付けておくことで蜘蛛のように糸を使えるようにしておいた。それを使い相手の動きを完封した。

「お前って搦手に弱いよな」
 10戦中8戦は搦手で決着って普段コッチが使わないから弱いよな。この神速脳筋。
「そう言われてもな。俺の“エージ”としての戦い方は王道だからな」
「でもな良くも悪くも殺しだぞ?」
 というかコイツら…僕の直弟子たちには最初からそこら辺は叩き込んでいたはずなんだがな。王道の戦い方とかにこだわる必要はないがな。
「誘導くらいは使えるだろ?剣速に徹すれば連鎖破壊はできるだろうし」
「お前ほど万能じゃねぇし。肉体崩壊もそこまで通じる相手というわけでもね」
「抜刀之姫だっけ?」
 正直今のコイツに抜刀速度で勝てる人間は少ないだろう。それこそ反射神経で言えば世界でもトップクラス。多分20m間の距離で拳銃ほどなら易々と回避出来るはずだ。
「おう。エミリア・f・フォスティアって言うんだ」
 何処の貴族様なんだよ?…いや待て。フォスティア家だと。
「それコードネームじゃないよな?」
「いや本名。ってかコードネームって。ゲーマー名はエミリー・サンフィールド」
 …史上最悪ではないか。それよりもアレがゲーマーだと。何の冗談だ?
「拙いな。フォスティア家のエミリアってリアルでもかなりヤバいぞ」
 都合、術理や暗器も使用するほど。まあそこまで行くと泥沼だし一般人に見せれるものですら無くなるので無いとは思うが。
「えっ…マジ?」
「マジ。向こうもそれなりに制限しているがな」
 騎士と武士ってなんだかんだで似ているんだよな有り様が。流石に日本の武の原点言えどもイギリスの武とまるっきり一緒と言うわけでもない。それになにより虚があまり効かない。
「うーん。でもな」
「しゃーない。教えまいと思ってたがな」
 何せそれは栄治の利点を捨てる事にもなるし同じ武道家に通じるとも思わない。いや色んな意味では通じるだろう。それにコイツなら自力で改良するはず。
「立て」
「分かった」
 僕は栄治に小盾を投げる。その意味を測り損ねたのか疑問な感じを出しながらも腕に装着する。
「取り敢えず…死ぬ気で防げ」
 声をいつもより重く低いトーンにして告げるとそれだけでどれほど危険かを感じとったのか小盾において最適解とも言える構えを取る。
「行くぞ!」

 【戦鬼】を発動させながら全ての感覚器官を遮断してその一撃を腕が自壊しない程度に放つ。

一戒爆拳にのうちいらず

 直後。
 その拳が小盾を捉えると同時に小盾を破壊して栄治は吹き飛び道場の壁まで吹き飛ぶ。

 ドバンッ!と大きな音を立てて前に倒れる。そして僕の両膝を地面につける。

 これ思ってたよりも体に負荷が出るな。殴った右腕が物凄く熱いわ。血管も妙に浮き出ているし。怖ェ。まあ名称通りに一撃に全てをぶち込んだので動けない。

 寧ろ寝たい。バタン。
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