49 / 61
接章Ⅰ 綿津見
ワタツミ
しおりを挟む
Wクエスト 森塞ぐ熊の要塞の攻略に成功した次の日は柳葉楓を道場に招き刀術における足捌きや体の鍛え方を教えた。彼女は女優であることからか物覚えも良くわりと短い間で習得していた。まあ栄治が居なかったので顔が剥れていたがそれはそれで人気な理由なんだなと思いもしたが。ちなみに栄治当人は拓郎の新変化球の習得に捕手兼打者として悠二や佳奈と一緒に野戦練習場で訓練していてお昼を一緒に食べることになると機嫌は良くなった。温泉効果もあるだろうが。まあ僕としてもかなり有用な時間である事は確かなのでいいが。そしてその日の夕食を食べると一旦身を清めてから綿津見神社へと向かった。
一口に綿津見神社と言ってもいろいろな箇所にあるが多分海近くのあの神社だろう。
長い階段を上り鳥居を避けて境内に入る。他所では知らないが家ではここは神の通り道であるが故に通る事は許されていない。
境内に入ると既に英義さんがおりお付きの妖怪や神主も居る。わあなんて非日常。なんかお前の方が非日常だろという声が聞こえた気がしなくも無いが気の所為だろう。『樹の精』だったりするのだろうか?我ながらなんてオヤジ臭いダジャレだ。いや『気』のせいか?もうよく分からなくなるな。
「よく来てくれた天埜香織殿」
「いえ討つべき存在だと認識しているので」
実はこの場に来ることは誰にも告げてない。沙月には時間差でメールを届くようにしてはいるが。
「謙遜するでない。本来なら逃げてもいいのだがな」
「家について理解した上で言ってますか?」
「勿論のう。で【白咎】は如何じゃ?」
うーん。なんとも言えないが正解だ。まあゲーム内では最後の局面で手足のように使えていたのは確かだがな。
「大丈夫かと。それに一応【星剣】も用意しましたし」
珍しく家に真打も影打もあるものだったので拝借してきた。ゴルフバックに偽装してあるのでここまでで捕まる心配はない。流石に神の社でそんな愚かな真似をする警官もいるとは思わない。
「ほう。【星剣】か。天埜家由来となると【ジェミナズ】か」
「いえ【スバル】です」
【ジェミナズ】は僕用ではないから無断で持ち出すわけにはいかない。というか【スバル】は維持費もかかるので良い加減に数を減らしたいのだが。最悪、研ぎ直しで別物へと作り替えても良い気がする。
「聞いたこともないがなぜ故に【スバル】と?」
「連星昴が輝く日に降り落ちた隕石鉱から作り出された伝わってますから」
今思えば謎だな。数万年前の爆発の光が降り注いでいるのが星なわけなんだけどな。
「あのぉ英義さま香織さまそれそれ蒼き鎧兜のところに」
「すまんな神主さん。さて香織殿は神衣に着替えて来い」
「では一角をお借りします」
神社内にある多目的トイレに入り素早く純白な袴着に白衣を着て千早を纏い白足袋を履く。そして【スバル】の鞘を腰に佩き【白咎】を後ろ腰に隠す。暗器も欲しいが仕方なしだな。
「エネルギーエッジ」
【スバル】にその魔法を掛けるとすっと体から生気が抜けていき魔法が宿る。
「還元」
幾分か変換効率からか生気は抜けているものも問題無い。まあ少し体が怠いくらいだろう。それでも十分なくらいだし。
「さて行くか」
「コッチじゃ」
「はい」
早速討伐しようとしたらその前に英義さんに蔵に案内される。
「ここは?」
「いろんなモンを封印しとるだけじゃ。お主の霊刀もここにある」
いや~こんな禍々しい蔵なんて初めて見た。瘴気が滲み出る混沌してるし。ヒュドラ出てきそう。というか霊刀の調教が必須ですか…。
「ここ大丈夫なんですか?」
寧ろこっちの方が浄化必須じゃねぇか!化てでも出てこられたら困るぞー。
「ここは【白萩】が使われており自然浄化作用がある。そう簡単に壊れも封印が解除もされん」
へぇ~まあ魔を払うことはできても魔を祓うことはことは出来ないからな。祓わないと凶悪のモノが憑きそうだし。ここは管理下にあるから問題ないだろうが。中に入ると魔力のようなナニカが立ち込めている。
「瘴気じゃよ。一番奥にあるのが一番強い」
「どこも扱いは同じと。アレは?」
綿津見神社は刀が開発された当初に海軍と地元の漁港の大漁を祈願して作られておりそれがあるの珍しい。
「ああ海陣剣じゃよ。言わば草薙の剣と同じモノじゃ」
「なるほど。剣だったので鬼になりました」
別に剣でもいいけどな。というかどれさ?
「好きに選んでよい。蔵自体に時間停止が掛かっておるから破壊の心配はない」
「分かりました」
一つ一つ吟味していくがこれと言ったものはない。まだ手前の方だが。
30分探すと中央に鎮座してある杖。黒く瘴気や怨念が溢れ出てはいるものもとてつもなく強い力を感じる。いやこれ伝説の剣とかで岩に刺さっているようなもんだしな。しかも仕込み杖。中には剣が収まっているのだろう。何故かコレに強く惹かれる。
「これはー」
「分かりませぬ。ただ相当に格が強いと聞いておる」
そっと近づき杖を手に取り握る。不思議と懐かしい感覚がして膨大な瘴気に襲われ怨念が悍しい事を語りかけてくる。ただその程度あの頃に比べるとなんら問題ない。気を強く持ち行使すれば良いだろう。その杖を持ち上げると怨念が溢れ出てくる。さて前哨戦といくかね。
一口に綿津見神社と言ってもいろいろな箇所にあるが多分海近くのあの神社だろう。
長い階段を上り鳥居を避けて境内に入る。他所では知らないが家ではここは神の通り道であるが故に通る事は許されていない。
境内に入ると既に英義さんがおりお付きの妖怪や神主も居る。わあなんて非日常。なんかお前の方が非日常だろという声が聞こえた気がしなくも無いが気の所為だろう。『樹の精』だったりするのだろうか?我ながらなんてオヤジ臭いダジャレだ。いや『気』のせいか?もうよく分からなくなるな。
「よく来てくれた天埜香織殿」
「いえ討つべき存在だと認識しているので」
実はこの場に来ることは誰にも告げてない。沙月には時間差でメールを届くようにしてはいるが。
「謙遜するでない。本来なら逃げてもいいのだがな」
「家について理解した上で言ってますか?」
「勿論のう。で【白咎】は如何じゃ?」
うーん。なんとも言えないが正解だ。まあゲーム内では最後の局面で手足のように使えていたのは確かだがな。
「大丈夫かと。それに一応【星剣】も用意しましたし」
珍しく家に真打も影打もあるものだったので拝借してきた。ゴルフバックに偽装してあるのでここまでで捕まる心配はない。流石に神の社でそんな愚かな真似をする警官もいるとは思わない。
「ほう。【星剣】か。天埜家由来となると【ジェミナズ】か」
「いえ【スバル】です」
【ジェミナズ】は僕用ではないから無断で持ち出すわけにはいかない。というか【スバル】は維持費もかかるので良い加減に数を減らしたいのだが。最悪、研ぎ直しで別物へと作り替えても良い気がする。
「聞いたこともないがなぜ故に【スバル】と?」
「連星昴が輝く日に降り落ちた隕石鉱から作り出された伝わってますから」
今思えば謎だな。数万年前の爆発の光が降り注いでいるのが星なわけなんだけどな。
「あのぉ英義さま香織さまそれそれ蒼き鎧兜のところに」
「すまんな神主さん。さて香織殿は神衣に着替えて来い」
「では一角をお借りします」
神社内にある多目的トイレに入り素早く純白な袴着に白衣を着て千早を纏い白足袋を履く。そして【スバル】の鞘を腰に佩き【白咎】を後ろ腰に隠す。暗器も欲しいが仕方なしだな。
「エネルギーエッジ」
【スバル】にその魔法を掛けるとすっと体から生気が抜けていき魔法が宿る。
「還元」
幾分か変換効率からか生気は抜けているものも問題無い。まあ少し体が怠いくらいだろう。それでも十分なくらいだし。
「さて行くか」
「コッチじゃ」
「はい」
早速討伐しようとしたらその前に英義さんに蔵に案内される。
「ここは?」
「いろんなモンを封印しとるだけじゃ。お主の霊刀もここにある」
いや~こんな禍々しい蔵なんて初めて見た。瘴気が滲み出る混沌してるし。ヒュドラ出てきそう。というか霊刀の調教が必須ですか…。
「ここ大丈夫なんですか?」
寧ろこっちの方が浄化必須じゃねぇか!化てでも出てこられたら困るぞー。
「ここは【白萩】が使われており自然浄化作用がある。そう簡単に壊れも封印が解除もされん」
へぇ~まあ魔を払うことはできても魔を祓うことはことは出来ないからな。祓わないと凶悪のモノが憑きそうだし。ここは管理下にあるから問題ないだろうが。中に入ると魔力のようなナニカが立ち込めている。
「瘴気じゃよ。一番奥にあるのが一番強い」
「どこも扱いは同じと。アレは?」
綿津見神社は刀が開発された当初に海軍と地元の漁港の大漁を祈願して作られておりそれがあるの珍しい。
「ああ海陣剣じゃよ。言わば草薙の剣と同じモノじゃ」
「なるほど。剣だったので鬼になりました」
別に剣でもいいけどな。というかどれさ?
「好きに選んでよい。蔵自体に時間停止が掛かっておるから破壊の心配はない」
「分かりました」
一つ一つ吟味していくがこれと言ったものはない。まだ手前の方だが。
30分探すと中央に鎮座してある杖。黒く瘴気や怨念が溢れ出てはいるものもとてつもなく強い力を感じる。いやこれ伝説の剣とかで岩に刺さっているようなもんだしな。しかも仕込み杖。中には剣が収まっているのだろう。何故かコレに強く惹かれる。
「これはー」
「分かりませぬ。ただ相当に格が強いと聞いておる」
そっと近づき杖を手に取り握る。不思議と懐かしい感覚がして膨大な瘴気に襲われ怨念が悍しい事を語りかけてくる。ただその程度あの頃に比べるとなんら問題ない。気を強く持ち行使すれば良いだろう。その杖を持ち上げると怨念が溢れ出てくる。さて前哨戦といくかね。
0
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
戦国時代の武士、VRゲームで食堂を開く
オイシイオコメ
SF
奇跡の保存状態で頭部だけが発見された戦国時代の武士、虎一郎は最新の技術でデータで復元され、VRゲームの世界に甦った。
しかし甦った虎一郎は何をして良いのか分からず、ゲーム会社の会長から「畑でも耕してみたら」と、おすすめされ畑を耕すことに。
農業、食堂、バトルのVRMMOコメディ!
※この小説はサラッと読めるように名前にルビを多めに振ってあります。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

World of Fantasia
神代 コウ
ファンタジー
ゲームでファンタジーをするのではなく、人がファンタジーできる世界、それがWorld of Fantasia(ワールド オブ ファンタジア)通称WoF。
世界のアクティブユーザー数が3000万人を超える人気VR MMO RPG。
圧倒的な自由度と多彩なクラス、そして成長し続けるNPC達のAI技術。
そこにはまるでファンタジーの世界で、新たな人生を送っているかのような感覚にすらなる魅力がある。
現実の世界で迷い・躓き・無駄な時間を過ごしてきた慎(しん)はゲーム中、あるバグに遭遇し気絶してしまう。彼はゲームの世界と現実の世界を行き来できるようになっていた。
2つの世界を行き来できる人物を狙う者。現実の世界に現れるゲームのモンスター。
世界的人気作WoFに起きている問題を探る、ユーザー達のファンタジア、ここに開演。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる