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髙﨑 レイ

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壱章 クマさん道場

閉ざす者

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 一段階進んだ。
 そう認識した時には僕とセリアは互いに背中を預けてその場に座り込む。MPポーションを使い回復させたが精神的な疲弊は解消されない。ポーションが無味無臭ということもあるが。
「地獄の門か。聖魔法というよりも断罪魔法だな」
天閉門バベルほどではないと思うけどね。でもかなり疲れるわね」
「そうですね。幸い殲滅はできたので早いうちに城内に入った方がいいかもですね」
 インベントリから杖を取り出してソレを起点として立ち上がると彼女に手を貸して引き起こす。
「ありがと。さてエリアハイヒール」
 手にしていた杖を天に掲げると広域回復魔法を使い全員のLPを回復させる。そんな彼女にMPポーションを渡すと全員のLP・MP・STのバーがMAXまで回復する。ただ瞬間広域付呪インスタンス・ラウンドの効果も切れている。
「まだまだこれからだ行くぞ!」
 エージが喝を入れながら城内へと行きソレに続くようにタクやユージオにアオイそしてレイドメンバーが行く。
「簡易修復 良いわよ」
「助かるわ。さてと貴女たちは行かなかったの?」
 セリアが視線を向けた先には敢えて見ていなかった2人…メイとミュウがいる。
「えぇ。カオルの体を見ておこうと思って」
「だろうな。アレを使ったわけだし」
 まだまだ全盛期のスペックを行使できてないな。そこまで行けば自動的に治せるのだけどな。
「それにほぼ全ての異能や無属性魔法を行使して無事なはずがない」
「えっ!?如何言う事?」
 セリアの慌ててる様を見ていると逆に落ち着いてくる。でもこの程度はもう問題無い。
「僕は異能を現実でも使用可能な特異体質なんです。それで詳しい検査を国の特秘施設で行ったら自傷が確認されたわけです」
「それは…。じゃあ君は数年前のあの事件のー?」
「ええ。あの事件の解決の糸口を掴んだ天埜香織です。この正体は内緒にしておいてください」
「勿論。にしても本当に数奇な運命なこと」
 本当にそうだな。でもそんな運命に翻弄されたからこそ今があるわけだし。
「行こうか」
【第二目標 城内に存在する封印を解放せよ 3/5】


 城内を付加で底上げした速度で駆けて行き遅れを取り戻る。ヒーラーの役割をセリアに任せて前方を僕が後方をメイとミュウが防御していく。メイには魔法銃を二挺と実弾銃一挺を貸している。僕は辰之銃と魔法に暗器を組み合わせることで広域に対処している。そして5階まで駆け上がるとカウントは既にMAXになっており全員集結していた。
「悪い遅れた」
「気にすんな。お前の特性は悪いが公表してもらった。まあ異能のデメリットってそんなもんだよな」
 上手いことしてくれたみたいだな。それは助かる。さてと此処までの死亡者は0。なんだかんだで上手く回しているみたいだな。休憩中に全段階を堕としたのでもう少し肩慣らしがしたいのだが。まあいいか。
「それじゃあ全員バフを!」
 全員に付加エンチャントを使い全能力値を底上げする。その上で瞬間広域付呪インスタンス・ラウンドを行使して属性を強化してその上で全力で行使していく。
「えっ!カオル…コレって」
「まあな。最高峰にはほど遠いけどな」
 そのレベルで行使できるように現実でも超絶ブースト可能なように行使したわけだしな。

【第二目標 城内に存在する封印を解放せよ 5/5 クリア】
【最終目標 フォレストベアを討伐せよ 0/9】
「総員行くぞ!」
 エージとカナデが扉を蹴って開けて突撃すると数秒と経たない内に吹き飛ばされて壁までいく。
「ミュウ・メイ回復を」
 タクが大楯と槍を構えて突撃する。数秒すると金属同士が激しくぶつかり合う音が響き若干暗い大広間に火花が飛び散っている。まあタクはバフの光で見えやすいからいいが。体を沈めると暗がりに入り世界から刹那の間消えて大広間に入る。

 これから始まるのはエリア解放を賭けた最初の戦い。
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