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髙﨑 レイ

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壱章 クマさん道場

攻略開始!!

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 時刻は20:00。僕たちのレイドは森の前の門の外に集合していた。
 多くのプレイヤーが何事かとこちらを覗いている。
「多くは語らない。ただ一言勝つぞ!」
『応!』
 各々がそれぞれの得物を天へと掲げ森を行く。道中のMOBは見つけ次第初期の武器で片付けていき消耗を抑える。
「それが辰之衣ね。カッコいいじゃない!」
「セリアの方こそその服似合ってるぞ」
 試練合格者である僕とセリアは団体の中央で全員に警護される形で移動しているためかなり暇なので雑談をしている。
 セリアの衣装だが純潔を表すかのように純白なドレスとローブにハイソックスにパンプスそしてティアラ。何というか完全に花嫁スタイルだ。そう言えばこの人の戦闘スタイルって不明だな。
「それよりも良かったの?あんな堂々とスキル晒して」
「大丈夫ですよ。それに晒したのはアレだけなので」
「なるほどね。試練スキルね。アレはスキルスロットを喰わないからね」
 へぇー。知らなかったな。全然関係もんなー。
「そうですね。ちなみにどんなスキルでしたか?」
「うーん【魅了】【並列詠唱】【聖魔法】【星魔法】ね」
 なるほど。なんとなく分からなくもないスキル構成だな。
「僕は同じく【並列詠唱】と【飛翔】【竜魔法】【時空魔法】でした」
「あぁ~。そりゃあ隠蔽指令があるわね。それじゃあ【星魔法】と【時空魔法】は宮か刻限定かな」
「そう思います。さてそろそろですよね?」
 雑談しながら約30分歩き続けると少し先に開けた場所が見えておりその奥には砦が見える。推定300m先だが。うん?今の気配はなんだ?
「今何かの気配しませんでしたか?」
「いや全然。それに気配なら貴方の弟たちの方が優れているんじゃないの?」
「そうですけど」
 こう何か引っかかるんだよな。この距離だとちょっとした騒音でも察知されそうな気が…。なるほど。そういうことか。スナイパーライフルを取り出してスコープを覗く。すると丁度良くソレをしているゴブリンを見つけた。
「カオル?何をー」
瞬間付呪インスタンス風」
 銃身に風の波動が宿り脈打つ。一旦息を吸い込み吐くと告げる。
「総員突撃!」
 それと同時に見張りをしておりなおかつ唯一、を手にしていたゴブリンを狙い定めて引き金を引く。その弾丸は音を立てることなくその個体にぶつかり脳天を撃ち抜き殺す。周囲に悟られないように2発3発と一撃で脳天を撃ち抜いていく。そして先頭に居たエージにカナデやタクにガンテツさんが道を切り開く。
【Wクエスト 森塞ぐ熊の要塞 を受注しました】
【第一目標 ゴブリンを殲滅せよ 3/3000】

「えっ!まさかこの距離で上向きの敵を撃ち抜いているの!」
「まあそんな感じ。さて向こうもわらわらと出てきたみたいだし前に出るわ」
 スナイパーライフルをインベントリに収納して付呪で使用したMPを回復させて叫ぶ。レイド全体に行き渡るように。その属性は元々聴いている。
瞬間全域付呪インスタンス・ラウンドフレイムサンダーテンペスト
 全員の得物にその3属性の光が宿り煌く。そしてその戦場を照らしゆく。デウスアリアに持ち直しギアを一段目だけ入れて駆け出す。すれ違いざまに居たゴブリンや仔熊に矢のヘッドショットを幾重にも喰らわせていく。
「—ヒール ハイヒール 付加エンチャントSTR VIT AGI」
 途中にいるLPが減っているメンバーや苦戦している人に率先して回復や付加を掛けていきその場に縫い止めるように足を狙い矢を放つ。
「フレイムエッジ ファイヤストライク」
「サンダーエッジ ボルトストライク」
 エージとカナデは背中合わせで戦い魔法属性を剣と刀に宿して互いに中央のMOBを殲滅すると互いに下段に構える。

 まさか!
「「天埜流術 乱桜」
 天埜流剣(刀)術 乱桜
 下段からの切り上げを始点として切り払いや横凪に袈裟懸けなどを絶え間なく繰り出していく基礎術理。その軌道により桜の木にある花びらを舞い散らせたことにより起因する術理が放たれる。凄い合格ラインを優に越している。

「メイルシュトローム ウォーターストライク ヒールレイン」
「テンペストエッジ シュレッダテンペスト 風見の加護」
 メイとミュウはメイが前に出て最低限の攻撃を無力化してその間からミュウが矢を放ち魔法で攻撃して時折範囲支援魔法を使い癒して強化していく。
「挑発 んで天埜流槍術螺旋葬刃」
 タクは盾の戦技アーツやスキル【挑発】を組み合わせて周囲の敵の注意を惹きつけるとその場で回転しながらMOBを曳いていく。

 あとガンテツさんは己が技量だけで大斧と大剣を操り一撃で切り裂いていく。

 こうして殲滅戦が始まる。
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