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髙﨑 レイ

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壱章 クマさん道場

届かない刃

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 テンノオウのホームにログインすると妙に外が騒がしい。というか既に狩りに出ているはずメンバーから置き書きがある。ええナニナニ。[どうも昨日の事を厄介な連中に嗅ぎ付けられたのでクラフト最上層に避難しています。エージ。私たちは周辺で狩りしてます。ミュウ]

 なるほど。カナデはそれなりに信者がいるのか。

「どうする?セリアたちは気を利かせて注文品を届けてあるみたいだけど」
「だな」
 既にインベントリに収めたが大量の武器や防具に消耗品があった。おそらく昨日納品してついでに代金も払ったので仕上げてくれたのだろう。その上でデウスアリアも修復改善されたのもが届けられている。今日の目的としては完全に辰之剣ドラゴスレイブを体に慣らすことと天埜流の最高天に行くこと。別にその手段を問う気はない。元々生半可な努力で辿り着くとは思ってすらいないし。ただ元からそこにいた存在英義よりの発破がかけられた以上は必ずその場所には到達する。これに関しては決定事項だ。あとはデュラハンを相手に訓練ができれば良いのだがそれは難しいであろうと予測しているのである。何せこの周辺には墓地エリアがあるわけでもないからな。あとダンジョンがあるわけでもないらしい。本当に不思議な世界だな。

 ひょっとしてだが僕が潰したはずの組織の生き残りが居てそいつらによる人体実験なのか?また。そう思うだけで殺意が湧いてくるがそれは確固たる証拠があるわけではないので捻り潰せるわけでもないし夜襲を正当化できる訳でもないからな。
「メイ1つ案が?」
「何?」
「付き合って?」
 その言葉にみるみると顔が赤く染まっていく。おーい理解しているのかね我が弟子よ。
「別に深い意味で言っているわけじゃない。あのカオルだし」
 そう言ったか?読唇能力は高くないんでな。つくづく思うが僕って戦闘能力一頭辺だよな。異能もそういう感じだから。
「カオル落ち着いて。急にそんな事言われても~」
「まずメイが落ち着け。いつもの冷静さは何処に?」
 こんなソワソワしたメイを見るのは凄い久しぶりだぞ。まあ数年前にアニメ化が決定した時以来でミュウを採用する気満々だったのだが。だってみなみは妹キャラだけど声は変幻自在で凛々しいキャラをさせていたんだよな、監督から妹キャラに変更されていたけど。あの人マジで人の根本を捉えるのが上手いだよね。とんでもないよな。いや人からすれば僕らもそうなんだろうけど。所謂、隣の芝生は青いだな。
「カオル…。好きだよ」
 分かったから。正面から抱き付いてくるのは推奨しないぞ。刃物あるし装備品も多少改良を加えて貰っているし暗器もほどほどにあるからな。そっと頭を撫でる。
「僕も…。って問題そこじゃない!」
「てへっ♡じゃあ跳ばす?」
 可愛く舌をちょこっと出して小首を傾げてそんな物騒なセリフと大砲を構える仕草をしないでほしい。主に貴女の両親の為に。流石に胃を傷めている原因だろうしな。まあ娘デレデレの子煩悩夫婦は沙月には出してないけど時たま来る電話で根掘り葉掘り聞いてくるんだよな。コッチのスタンス知ってるくせに。本当、幾ら医療技術が進歩したとは言えまだ急速発達期から100年経っているわけでもないしな。身体が出来上がってないと大変な事知ってる2人というかその最前線のはずだけどね。

 なんだろう凄いモノが出てきそうな気がしてきた。ある意味、弟離れ出来ないわけだしな。惚気ではないが。

「取り敢えず外に出よう」
「うん」
 いきなり来るとは思わないが一応アレを使っておこう。普通ならそれだけで充分だしな。上手く行くかは知らんが。

 完全武装にて玄関を開けると2人して固まった。

 なぜならその予想通りが起きたから。

 無数の戦技アーツや魔法に矢弾が飛んでくる。

 咄嗟に背後に庇ったメイから憐みの嘆息が聞こえる。まあ当然か。こんだけの殺意を僕にばら撒いているわけだし。コレは僕の過去でもかなりの人に見せており現実でも具現している摩訶不思議な異能。日に一度という制約がありながらもシビアすぎるというタイミングがありながらもまさに天埜流武術の原点【戦略級】を再現する。

 一対多において絶大な異能能力


復讐ヴェンジェス

 そして放たれ引火応報の絶大な威力を持つ暴力は全ての威力が等しく攻撃した側に反撃された。
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