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壱章 クマさん道場
妹弟とリアルな彼女
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ログアウトとするとと確かに7時半の薄暗い夜景だ。ちなみに再ログイン地点は【テンノオウ】のクランホームだ。決めていない場合はあの噴水広場に戻るらしい。
「さてと栄治はまだログイン中みたいだしどうせ食べていくだろうな」
自室を出てキッチンに向かうと何故かリビングの電気がついていた。試しに開けてみるととある2人がボードゲームをしていた。なぜにボードゲーム?家には旧世代のゲーム機もあるからそっちをやれば良いのに。そう思いつつ2人に声をかける。
「何しているんだ?佳奈に悠二」
その声でようやくこちらに気付いたらしく2人が駆け寄ってくる。どんだけ熱中してたんだ2人とも。
「あっ香織お兄ちゃん。今ね、悠二とボードゲームしてたんだよ!」
見れば分かるがそうじゃない。2人がここに居るのは普通だが時間が時間だ。いや2人にナニカできる奴が居るとは思わないし2人を知っていてナニカをしでかそうとする奴は居ないだろうけどさ。
「いやね沙月義姉ちゃんがお兄ちゃんが久し振りにVRゲームしたから何か弊害があるから確かめてって」
アイツは主治医か。そして沙月相手だと隠し通す気で居たこともバレてるし。それでいて2人を派遣するなんて…待て。2人を溺愛する沙月がそんな事するはずがない。最悪な悪寒が脳裏に過ぎる。
「ひょっとして沙月も居る?」
ぼくのその疑問に答えたのは2人では無かった。
「呼んだ?」
背後から先ほどまで聞いていた声がする。この気配と何故か背後から抱きつかれている感触で分かる。沙月だ。
「いや2人に確認を取っただけ。沙月も夕食食べるだろ?」
「うん。で支障は?」
「大丈夫だ。寧ろ憑物が落ちた気がする」
実際は目を背けているだけだろうがその程度で落ちぶれているわけにはいかんしな。でも無性に体が軽いのは事実。なんというかかつてないほど体が好調だ。
「さてと何があるけ?」
基本的に一週間分はあるとは言え5人分だしな。栄治と2人なら鍋でも啄くところだがそこまで大きくないんだよな家にある鍋。焼肉はあの2人が食うのが対極になるし臭いが残るしな。
冷蔵庫を開けると何故か超高級牛やあまり数のなくマダムに人気な高級卵。そしてあまり買わない類の果物が大量にある。それもきちんと分類されて。野菜室も見てみたが同じようなものだ。多分、義母さんがここに行くと知って持たせたのだろう。うどんや蕎麦にラーメンやパスタなどの乾麺の類も大量にある。
「昨日なんだった?」
「外で食べた」
「洋食でした」
うむ。じゃあこの量の食材はしばらく2人の世話用と。多すぎるわ。
「私は編集で出前を取ったわ」
「そうか…」
その位切迫詰まっていたのに驚くべきか何の躊躇いもなくそんな事をした事に呆れるべきか。和食でいいか。栄治?アイツは何でも良いという。既にご飯も高級なヤツが炊けているわけだし。
生姜焼きで良いか。この前生姜を大量に貰ったので消費したい。生姜を擦りおろしてタレをつくり肉を漬ける。その間に味噌汁とサラダを作る。キッチンからリビングを覗くと3人で続きをしている。どうも佳奈が4プレイヤー分同時に動かしていたらしい。そう言えば某大乱闘兄弟も2プレイヤーは余裕で動かしていたか。そしてその超人2人を同時に相手にして互角以上に対応しているのは魔人級の悠二である。3人がしているのはボス側1人対勇者側最大6人の最大7人でできるフィールド攻略型ボードゲームだ。片目に見てもこうも互角とは。
ちなみに管理AIが発達している現在ではTRPGのGMを任させられるレベルだ。まあそこまで成長してないとVRMMORPGの運営に使ったりはしないだろう。
5人分の夕食を作っていると栄治が部屋から出てきた。なんか殺気だっているし。そして悠二と沙月はニヤニヤしており佳奈は少し顔を赤き染めている。そういえばよく栄治に危ないレベルで懐いていたな。
「彼女は如何だった?」
「カナデ?まあ今見につけようとしているスタイルがそのものって言うのは何が狙い?」
流石に気付くか。まあ気付かなかったら向こうで確実に殺している。そこに気付いていないのはまだまだというべきか。
「…まあそれはその内、辿り着くべき地点だよ」
「乱桜の解体と同じでか?」
「ああ。それが近い」
本音を言えばあの2人の隠密や隠蔽を見につけさせたいが時間がない。短剣とナイフの二刀流の差とかもある。
「ん?生姜焼きか?」
「ああ。食っていくだろ?」
というか配膳が終了した時点でこっちに来たのは偶然なのか?まあ良いけどさ。
「2人と沙月がいるから」
栄治が扉を開ける瞬間にソレを告げる。
「エッ」
彼は反応出来ずにそのまま3種の飛び道具が殺到した。
リアルに2つ刃があるのがあるのは気のせいだと思いたい。
「さてと栄治はまだログイン中みたいだしどうせ食べていくだろうな」
自室を出てキッチンに向かうと何故かリビングの電気がついていた。試しに開けてみるととある2人がボードゲームをしていた。なぜにボードゲーム?家には旧世代のゲーム機もあるからそっちをやれば良いのに。そう思いつつ2人に声をかける。
「何しているんだ?佳奈に悠二」
その声でようやくこちらに気付いたらしく2人が駆け寄ってくる。どんだけ熱中してたんだ2人とも。
「あっ香織お兄ちゃん。今ね、悠二とボードゲームしてたんだよ!」
見れば分かるがそうじゃない。2人がここに居るのは普通だが時間が時間だ。いや2人にナニカできる奴が居るとは思わないし2人を知っていてナニカをしでかそうとする奴は居ないだろうけどさ。
「いやね沙月義姉ちゃんがお兄ちゃんが久し振りにVRゲームしたから何か弊害があるから確かめてって」
アイツは主治医か。そして沙月相手だと隠し通す気で居たこともバレてるし。それでいて2人を派遣するなんて…待て。2人を溺愛する沙月がそんな事するはずがない。最悪な悪寒が脳裏に過ぎる。
「ひょっとして沙月も居る?」
ぼくのその疑問に答えたのは2人では無かった。
「呼んだ?」
背後から先ほどまで聞いていた声がする。この気配と何故か背後から抱きつかれている感触で分かる。沙月だ。
「いや2人に確認を取っただけ。沙月も夕食食べるだろ?」
「うん。で支障は?」
「大丈夫だ。寧ろ憑物が落ちた気がする」
実際は目を背けているだけだろうがその程度で落ちぶれているわけにはいかんしな。でも無性に体が軽いのは事実。なんというかかつてないほど体が好調だ。
「さてと何があるけ?」
基本的に一週間分はあるとは言え5人分だしな。栄治と2人なら鍋でも啄くところだがそこまで大きくないんだよな家にある鍋。焼肉はあの2人が食うのが対極になるし臭いが残るしな。
冷蔵庫を開けると何故か超高級牛やあまり数のなくマダムに人気な高級卵。そしてあまり買わない類の果物が大量にある。それもきちんと分類されて。野菜室も見てみたが同じようなものだ。多分、義母さんがここに行くと知って持たせたのだろう。うどんや蕎麦にラーメンやパスタなどの乾麺の類も大量にある。
「昨日なんだった?」
「外で食べた」
「洋食でした」
うむ。じゃあこの量の食材はしばらく2人の世話用と。多すぎるわ。
「私は編集で出前を取ったわ」
「そうか…」
その位切迫詰まっていたのに驚くべきか何の躊躇いもなくそんな事をした事に呆れるべきか。和食でいいか。栄治?アイツは何でも良いという。既にご飯も高級なヤツが炊けているわけだし。
生姜焼きで良いか。この前生姜を大量に貰ったので消費したい。生姜を擦りおろしてタレをつくり肉を漬ける。その間に味噌汁とサラダを作る。キッチンからリビングを覗くと3人で続きをしている。どうも佳奈が4プレイヤー分同時に動かしていたらしい。そう言えば某大乱闘兄弟も2プレイヤーは余裕で動かしていたか。そしてその超人2人を同時に相手にして互角以上に対応しているのは魔人級の悠二である。3人がしているのはボス側1人対勇者側最大6人の最大7人でできるフィールド攻略型ボードゲームだ。片目に見てもこうも互角とは。
ちなみに管理AIが発達している現在ではTRPGのGMを任させられるレベルだ。まあそこまで成長してないとVRMMORPGの運営に使ったりはしないだろう。
5人分の夕食を作っていると栄治が部屋から出てきた。なんか殺気だっているし。そして悠二と沙月はニヤニヤしており佳奈は少し顔を赤き染めている。そういえばよく栄治に危ないレベルで懐いていたな。
「彼女は如何だった?」
「カナデ?まあ今見につけようとしているスタイルがそのものって言うのは何が狙い?」
流石に気付くか。まあ気付かなかったら向こうで確実に殺している。そこに気付いていないのはまだまだというべきか。
「…まあそれはその内、辿り着くべき地点だよ」
「乱桜の解体と同じでか?」
「ああ。それが近い」
本音を言えばあの2人の隠密や隠蔽を見につけさせたいが時間がない。短剣とナイフの二刀流の差とかもある。
「ん?生姜焼きか?」
「ああ。食っていくだろ?」
というか配膳が終了した時点でこっちに来たのは偶然なのか?まあ良いけどさ。
「2人と沙月がいるから」
栄治が扉を開ける瞬間にソレを告げる。
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