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髙﨑 レイ

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壱章 クマさん道場

テンノオウ

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「リセット」
 メイの声が響き体の自由が回復する。ただはそれは今まで感じていない重さを感じる事になる。いや?何故か廊下の床に押し倒されている。
 なんだろう今日って厄日なのか?そう思わずにはいられなくなったが押し倒したであろう人物に声を掛ける。
「ミュウ退いてくれないか?」
「やだ。またあんな無茶をして」
 予測はしてたがミュウにも見られてたか。いやそうじゃないと可笑しいか。だって人を軽々と持ち上げて運ぶことが可能なのは知り合いでは1人しか居ない。正確には寝ていても起こさないで運ぶだ。
「助けてタク」
「遠慮したいが今回ばかりは病み上がりだしな」
 ひょっと猫でも捕まえるようにミュウを持ち上げてソファーまで運ばれる。僕はメイの手を借りて起き上がる。
「はあ。にしてもやっぱり同じクランか」
「エージも含めてね。でエージは?セリアさんから数日は使い物にならないかもって聞いたけど」
 確かにな。あの状態では色んな意味で使い物にならないだろう。アイツ今は1人暮らしだから良いだろうけどよ。
「カナデって言うプレイヤーとデート術理教授している」
「…今デートに変なルビ振らなかった?」
デート殺し愛いしている」
「酷くなった気がするよ」
 術理教授を最速でしようものなら殺し合いが一番早いんだ。しかも乱桜だし。しかも2人で叩きつけたわけだしな。セリアはどう説明したのやら。
「まああの2人ってそれなりの雰囲気あったしね」
「エージは事情が事情だと言えどもカナデが可哀想だったよねアレは」
「そうだったか?」
 確かにコイツも鈍い側だしな。うん?ナニその顔。
「あの子のことには気付いていないの?」
「いやどうでしょう?お姉さんの方はあからさまですけど」
 あの双子か。いやな確かに姉の方はあからさまだけどあのシスコンは絶対嫌っているだろう。
「ツンデレかアイツ?」
「デレの要素ねえだろ。ずっとカオルに噛み付いているわけだし」
「構ってほしいだけでは?」
「ほら、ツンデレ特有の素直になれない奴」
 ソレ本当だった場合のデレの要素が怖いんですけど。人の顔見るなりおもちゃとは言えナイフ投げてくるバーサーカーですよ。姉も姉で異常だが。
 考えただけでも悪寒がする。
「でこのゲームってフレンド機能あるよな?」
「唐突にまた。あるけど」
 いや急いでいたのは確かだしいつでも出来るわけだが。
「ガンテツさんとセリアやエージにカナデを登録するのを忘れてたなと」
「【クラウン】への納品か。俺たちも集め終わったから明日行こうとは思ってるが一緒で良いよな?」
「だな。この結局、一箇所しか集めれてないわ。今からでも行くかな」
 早めに成長速度に慣れないと困るしな。ってデウスアリアの消耗が早い。やっぱり慣れるまでは難しいか。魔法も銃も剣もあるから何とも言えないけどゲームだからこそ出来る戦闘は好きだし。
「私たちもあればあるほど嬉しいとは言われているから」
「行きましょうか」

 その後、フレンド登録をしてクラン登録をしようとしたとき。
「テンノオウってお前らなあ」
 視界にあるクラス登録申請欄のクラス名は【テンノオウ】とある。あきらかに流派から取ったのはあるがこれだと天皇と遜色ない気がする。流石に駄目だろ。
「それがさ今でこそ四大王クラウンって呼ばれるけど生産クランと被ってるしカオル誘うかもって言って今の名前なわけ」
 おい待て。じゃあこのクラスって4人の超少数精鋭クランだったわけか。クラン対抗戦とか考えるとキツくないソレ。幾ら天埜流派が戦略級言えども他の要素が辛い。
「まあ運営から頂いた名前だし。それにお前が居てから始めて真価を発揮するわけだしな。俺らの異能って」
 …一つ忘れていた。
「付呪のオーラが大分出せない。多分感覚的問題とは思うけど」
「…マジか。まあ広域支援はそれでも出来てたわけだし良いじゃね」

 だと良いのだが。でも確かにそんな影響があるわけでもないしな。オーラに依存してたのは僕と栄治だけだし。
「じゃあクエスト開始だ!」
「「「おう!」」」
 4人で拳を天に上げ突きつける。本当に懐かしいな。
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