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壱章 クマさん道場
天閉門
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完成した呪文により門が開き次々と鬼が軍隊をなして出現する。
「———エネルギーカノン 竜装爪 時空切断」
超巨大なエネルギーの砲弾が時空のズレが鬼を攻撃する。がそれで倒れるのは数十体ほど。そんな数は直ぐに供給される。ならば剣を2本装備して付与する。
「瞬間付呪無 付加STR AGI」
とにかく切って斬って殺す。できなければ殺される。そう思いまずは視界から彩度を消した。僕が見る世界からは色が消える。近く全てを問答無用で破壊する。連仭や乱桜に穿改弐式と言った術理を連発する。蹴りも加えて殲滅速度を上げるもそこまで成果は見えない。剣や槍は最小限で躱して矢は方向を上手く操作して鬼に当てる。
数分経ったところで脳内にアナウンスが流れる。
【一定時間における一定数のゴブリン族の討伐により称号 ゴブリンスレイヤー を獲得しました】
【一定時間における一定数のモンスター撃破によりスキル 解体 急所攻撃 を獲得しました】
ソレを聞き遂げると僅かに攻撃の通りが良くなる。場合によっては一撃で沈むようにもなった。がまだ遅い。被弾していないのが不思議なほどだ。
「これでも足りないか。全力噴射 天埜流剣術片刃輪」
無の力が吹き荒れてゴブリンを殲滅する。ただそれは剣の範囲内の話。お代わりはまだまだ居る。
「エネルギーカノン 時空切断」
稼ぐの時間。時間があれば疲労こそ増えるが動きは精錬されていく。そしてそれが出来れば肉体の疲労は減る。
「飛翔 ———ドラゴンブレス」
辰之剣を杖のようにして竜の咆哮を真下にぶち撒ける。剣を双方とも納刀すると今度は二丁の銃を取り出し何連射もする。引き金を幾度となく引き魔法も幾つか織り交ぜる。ただもうMP及びSTはカツカツだ。この飛翔が最後だろう。
ただ一つの可能性を残して。ソレに賭けるために高度を上げる。これは賭けだ。そう何度も自分に言い聞かせる。
そうして高度およそ5000m。
「天閉門」
体中をナニカが駆け巡る。血管という血管を縦横無尽に異物感を感じるように奔る。がその効果は出ている。僕は今は感じていないがまずは重力が強くなり体を這い蹲らせている。その上で真空障壁が展開される。制御が難しく少しでも違えばコレらは爆発するだろう。ただ面での攻撃故に敵一面を制圧している。飛翔を解除して大きく息を吸い込み放つ。
「———ドラゴンブレス」
その力の奔流は当たるだけでゴブリンを爆散させる。が同時に僕のLP、MP、ST全てが1割を切る。強すぎる代償だな。ただ指揮官のゴブリン以外は倒れておりソイツが持っていた杖はひしゃげている。その代わりではないが白銀の剣がその手にある。
「真銀かよ」
辰之剣のみを手に持ちゆったりとした動作で体を動かす。もう付呪を使う余力もない。だからこそなけなしのMPを振り絞る。
「付加 STR VIT AGI」
三重の付呪によりMPが空になる。ただその分、体にある倦怠感が少し薄れる。そして同時に地面を蹴り近く。術理を使う余裕はない。戦技ではミスしたら届かない。剣同士が激しく打ち合い一飛びで距離を取る。矢筒から矢を引き抜き投げる。その矢はゴブリンに迫るも最小限で弾かれる。ただ今はそれで良い。攻撃の隙が生まれればそこを突く。手を微妙に捻り少し切っただけで剣を戻して叩きつける。その上で強引に体を回して蹴りを加えてゴブリンを足場として逃げる。
「まだ1割弱」
少し速度を上げ今度は直接、首ごと断とうとするが全体重を乗せられた突きを避ける事態になり体のバランスが崩れる。ただ向こうも避けれるとは思わなかったらしく蹌踉めく。
今だ!
切り上げと同時に腹を殴り首目掛けて袈裟懸けで振り下ろし体勢を立て直し殴った位置に蹴りを入れて喉元に突き刺す。この距離でなら全て必要ない。視覚を切り落とし聴覚を閉ざし味覚を消し嗅覚を遮断して触覚を捨てる。ただ握ったであろう左手にあるはずの剣を伝い全力を込めた右拳を振り抜く。
「衝拳爆霊」
喉元に当たったのか直接肉体を揺すぶり破壊する攻撃が命中して全てが戻る。先ほどの一撃を受けて吹き飛び天閉門の真空障壁に行ったのか押し潰れている。ああもう限界だ。
ゆっくりと目を閉ざして気を失った。
「香織?」
「香織だね」
「香織さんよね?」
少し後でその場所には3人パーティーが来ていた。その少年はバッタリと倒れておりスヤスヤと眠っている。
「気絶のうえにLP、MP、ST全てがレッドゾーンって。しかもコレってセリアさんのデウスアリアと真滅の手袋に処女宮産の装備に似ている」
遠慮無く彼の周りにあるモノを次々と解析していくのは弓を持つ少女。
「取り敢えず——リセット ハイヒール」
そんな彼のそばに膝を付き回復魔法を唱えるのは長杖を持つ女性。そのついでのように触診している。
「にしても香織がか。追想付呪でもこうはならないはず。新異能か?」
彼の惨状から推測するのは背中に大楯を背負い槍を持つ青年。彼はこの状況でも索敵を続けている。
「軍隊小鬼をソロでか。流石は師匠だぜ」
「そうね。コレは辰かしら」
「…うん。セリアさん産といいガンテツさん産といいマリアさん産か」
一瞬で生産者を分析したのは最初の少女。それが彼女の第一の異能。その異能の副産物により見分けているが正しいが。
「一旦連れて帰るか」
青年がカオルを背負い、女性が彼の装備品を回収する。そして少女が魔法陣を展開する。
「帰還本拠地」
彼らの姿が消えた。
「———エネルギーカノン 竜装爪 時空切断」
超巨大なエネルギーの砲弾が時空のズレが鬼を攻撃する。がそれで倒れるのは数十体ほど。そんな数は直ぐに供給される。ならば剣を2本装備して付与する。
「瞬間付呪無 付加STR AGI」
とにかく切って斬って殺す。できなければ殺される。そう思いまずは視界から彩度を消した。僕が見る世界からは色が消える。近く全てを問答無用で破壊する。連仭や乱桜に穿改弐式と言った術理を連発する。蹴りも加えて殲滅速度を上げるもそこまで成果は見えない。剣や槍は最小限で躱して矢は方向を上手く操作して鬼に当てる。
数分経ったところで脳内にアナウンスが流れる。
【一定時間における一定数のゴブリン族の討伐により称号 ゴブリンスレイヤー を獲得しました】
【一定時間における一定数のモンスター撃破によりスキル 解体 急所攻撃 を獲得しました】
ソレを聞き遂げると僅かに攻撃の通りが良くなる。場合によっては一撃で沈むようにもなった。がまだ遅い。被弾していないのが不思議なほどだ。
「これでも足りないか。全力噴射 天埜流剣術片刃輪」
無の力が吹き荒れてゴブリンを殲滅する。ただそれは剣の範囲内の話。お代わりはまだまだ居る。
「エネルギーカノン 時空切断」
稼ぐの時間。時間があれば疲労こそ増えるが動きは精錬されていく。そしてそれが出来れば肉体の疲労は減る。
「飛翔 ———ドラゴンブレス」
辰之剣を杖のようにして竜の咆哮を真下にぶち撒ける。剣を双方とも納刀すると今度は二丁の銃を取り出し何連射もする。引き金を幾度となく引き魔法も幾つか織り交ぜる。ただもうMP及びSTはカツカツだ。この飛翔が最後だろう。
ただ一つの可能性を残して。ソレに賭けるために高度を上げる。これは賭けだ。そう何度も自分に言い聞かせる。
そうして高度およそ5000m。
「天閉門」
体中をナニカが駆け巡る。血管という血管を縦横無尽に異物感を感じるように奔る。がその効果は出ている。僕は今は感じていないがまずは重力が強くなり体を這い蹲らせている。その上で真空障壁が展開される。制御が難しく少しでも違えばコレらは爆発するだろう。ただ面での攻撃故に敵一面を制圧している。飛翔を解除して大きく息を吸い込み放つ。
「———ドラゴンブレス」
その力の奔流は当たるだけでゴブリンを爆散させる。が同時に僕のLP、MP、ST全てが1割を切る。強すぎる代償だな。ただ指揮官のゴブリン以外は倒れておりソイツが持っていた杖はひしゃげている。その代わりではないが白銀の剣がその手にある。
「真銀かよ」
辰之剣のみを手に持ちゆったりとした動作で体を動かす。もう付呪を使う余力もない。だからこそなけなしのMPを振り絞る。
「付加 STR VIT AGI」
三重の付呪によりMPが空になる。ただその分、体にある倦怠感が少し薄れる。そして同時に地面を蹴り近く。術理を使う余裕はない。戦技ではミスしたら届かない。剣同士が激しく打ち合い一飛びで距離を取る。矢筒から矢を引き抜き投げる。その矢はゴブリンに迫るも最小限で弾かれる。ただ今はそれで良い。攻撃の隙が生まれればそこを突く。手を微妙に捻り少し切っただけで剣を戻して叩きつける。その上で強引に体を回して蹴りを加えてゴブリンを足場として逃げる。
「まだ1割弱」
少し速度を上げ今度は直接、首ごと断とうとするが全体重を乗せられた突きを避ける事態になり体のバランスが崩れる。ただ向こうも避けれるとは思わなかったらしく蹌踉めく。
今だ!
切り上げと同時に腹を殴り首目掛けて袈裟懸けで振り下ろし体勢を立て直し殴った位置に蹴りを入れて喉元に突き刺す。この距離でなら全て必要ない。視覚を切り落とし聴覚を閉ざし味覚を消し嗅覚を遮断して触覚を捨てる。ただ握ったであろう左手にあるはずの剣を伝い全力を込めた右拳を振り抜く。
「衝拳爆霊」
喉元に当たったのか直接肉体を揺すぶり破壊する攻撃が命中して全てが戻る。先ほどの一撃を受けて吹き飛び天閉門の真空障壁に行ったのか押し潰れている。ああもう限界だ。
ゆっくりと目を閉ざして気を失った。
「香織?」
「香織だね」
「香織さんよね?」
少し後でその場所には3人パーティーが来ていた。その少年はバッタリと倒れておりスヤスヤと眠っている。
「気絶のうえにLP、MP、ST全てがレッドゾーンって。しかもコレってセリアさんのデウスアリアと真滅の手袋に処女宮産の装備に似ている」
遠慮無く彼の周りにあるモノを次々と解析していくのは弓を持つ少女。
「取り敢えず——リセット ハイヒール」
そんな彼のそばに膝を付き回復魔法を唱えるのは長杖を持つ女性。そのついでのように触診している。
「にしても香織がか。追想付呪でもこうはならないはず。新異能か?」
彼の惨状から推測するのは背中に大楯を背負い槍を持つ青年。彼はこの状況でも索敵を続けている。
「軍隊小鬼をソロでか。流石は師匠だぜ」
「そうね。コレは辰かしら」
「…うん。セリアさん産といいガンテツさん産といいマリアさん産か」
一瞬で生産者を分析したのは最初の少女。それが彼女の第一の異能。その異能の副産物により見分けているが正しいが。
「一旦連れて帰るか」
青年がカオルを背負い、女性が彼の装備品を回収する。そして少女が魔法陣を展開する。
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彼らの姿が消えた。
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