NEXT LIFE ONLINE

髙﨑 レイ

文字の大きさ
上 下
19 / 61
壱章 クマさん道場

ジョブ

しおりを挟む
 まず先に冒険者ギルドに登録する必要がある。何せジョブの転職や就職に必要なクリスタルはこの街では冒険者ギルドにしかないとの事。ちなみに死に戻りの地点は待ち合わせの噴水との事。
「昔の小説では荒くれ者の酒場ってイメージだけどな」
 それよりも早くアイツを絞めたい気分だが今はそうするわけにはいかないしな。
「まさかこんな位置にあるとはなぁ」
 そりゃあ変な奴にも絡まれるわ。というか何で気付かなかったんだろうか?

 噴水広場を含めた此処らは通称ギルド街と呼ばれている。生産ギルドと冒険者ギルドとその関連施設で固められているわけで。
「疲れてたか?まあ良いけど」
 両ギルドは3階建てである。冒険者ギルドのシンボルは剣と杖が交差しており生産ギルドのシンボルは六芒星だ。何故六芒星かは誰も知らないとの事。

 ギルドの扉を開くとあんまり人は居ない。都合が良いから良いけどさ。受付に行くと可憐な女性であった。うん受付ってこんなもんだよな。…いやこの人裏の技持ちだわ。
「初めまして来訪者様。クエストの受注ですか?それとも素材の登録ですか?」
「いや、ギルドの登録で。後はジョブに就きたいんですけど」
 何でその二択。ああそういえば無職状態でレベルカンストしていたわ。
「畏まりました。ではこちらの水晶に手を当ててください」
 言われた通りに水晶に手を当てる。すると水晶が明滅する。こう何と言うか全身にナニカが駆け巡る感覚がある。
【スキル 魔力察知 を入手しました】
【スキル 魔力操作 を入手しました】

 おう。此処でもスキルが入手出来るのか。ソレは意外だ。
「もう良いですよ。って継承者でしたか。ではこちらがギルドカードです。再発行の際には5万Gが掛かります。無くさないようにしてください。ソレとジョブクリスタルがある場所に案内します」
 受付の人が立ち上がると裏から回ってこちらに来る。ふむ。悟られないようにグローブを装備する。

 そこはギルドの一番奥にあり重質な封印が施されている。
「ここは継承者の専用クリスタルが安置されています。コレまでは【処女宮】のセリアさま以外は使用されておりません」
 鍵を外しながらそう告げてソレを飛ばしてくる。予め買っていたナイフを取り出して切り捨てる。そのナイフをそのままサイドスローで投擲する。ただそれは短剣に阻まれる。
「流石に駄目ですか。セリアさまにも効かなかったわけですし」
「テストか…。で続けるか?」
 この距離だと直接肉弾戦以外はなしだな。主に威力の問題で。にしても投げ針か。しかも毒塗りだし。いやー怖い怖い。
「いえコレ以上は意味がないので」
 何故かその場で一回転すると服装がレディーススーツから巫女服へと変化する。
「私は繋げる者。ソレではこちらに」
 開かれた扉の奥に進む。そこにはとてつもない質量の水晶が宙に浮いてる。その精緻な光の輝きに目を奪われる。ただ心臓と水晶が共鳴している。そっと近づいてその水晶に触れる。するとインベントリから4冊の本…恐らくは報酬のスキルブックと魔導書が宙に踊り出てパラパラと捲れていく。

【スキル 並列詠唱 を入手しました】
【スキル 飛翔 を入手しました】
【スキル 竜魔法 を入手しました】
【スキル 時空魔法 を入手しました】
【称号 辰之刻継承者候補 を入手しました】
【特殊ジョブ 辰之刻継承者候補に就職しました】


 わお。急に増えた。にしてもいきなり特殊ジョブとか。今更だがなんか色々とやっかみ受けそうだな。ただその水晶はそのまま光って僕に情報を流してくる。

【第一ジョブ選択可能 冒険者 剣士 格闘家 銃士 魔法使い 回復術士 付与術士 狩人 神官 盗賊】
 多いな。ただなぜかnextと書かれた部分があるのでタップする。
【派生ジョブ選択可能 異能者】
 それはジョブなのか?うーむ悩ましい。一番合うのは何となくだが冒険者だと思う。その他はその名前に沿うように成長していくとの事だが冒険者は成長速度こそ遅くジョブスキルも少ないがステータス補正も全て均一だ。うん冒険者だな。

【第一ジョブ選択完了を確認。蓄積経験値を解放】
【カオルはLV.30になった。冒険者LV.30になった】
【経験値を使い切りました】


 えっ!?
「継承者さまコレにて転職は終了です。ソレとこちらがギルドカードになります。それではこれからの活躍をお祈りしています」
 なんか釈然としないけど良いかな。

 さて狩りの時間だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

World of Fantasia

神代 コウ
ファンタジー
ゲームでファンタジーをするのではなく、人がファンタジーできる世界、それがWorld of Fantasia(ワールド オブ ファンタジア)通称WoF。 世界のアクティブユーザー数が3000万人を超える人気VR MMO RPG。 圧倒的な自由度と多彩なクラス、そして成長し続けるNPC達のAI技術。 そこにはまるでファンタジーの世界で、新たな人生を送っているかのような感覚にすらなる魅力がある。 現実の世界で迷い・躓き・無駄な時間を過ごしてきた慎(しん)はゲーム中、あるバグに遭遇し気絶してしまう。彼はゲームの世界と現実の世界を行き来できるようになっていた。 2つの世界を行き来できる人物を狙う者。現実の世界に現れるゲームのモンスター。 世界的人気作WoFに起きている問題を探る、ユーザー達のファンタジア、ここに開演。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています

もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。 使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。

処理中です...