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壱章 クマさん道場
姉妹と弟子
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「辰の継承者?どう言う意味ですか?」
セリアさんのその言葉が気になり疑問を投げた。辰之シリーズやスキルブックに魔導書をそう言うモノと言えなくもないが継承してるとは言いづらい代物だ。
「私が調べた限りではアレらはそう言う存在。第一形態は影とは言えどもその能力は本物。私も処女宮でちからの一端を手に入れて分かったわ」
処女宮って。何で乙女とかにしなかった運営よ。
いや被るのは分かるけどさ。でも何で処女宮?
「姉さんなんで処女宮?姉さんなら人馬宮とか金牛宮とかと思うけど」
ナニそのパワー重視のオンパレード。脳筋には見えないけど。
するとセリアさんはカナデの顳顬に拳を当てグリグリとする。痛そうだな~。
「人を脳筋扱いするな!」
「それとも亥かって……痛いよ姉さん!」
もはや自業自得のような気がしてきた。
「セリアさんの装備ってそうなんでしたっけ?」
アレから数分が経ったあと。一先ず落ち着けるように机を挟み向かい合うようにして座る。ただ何かがあってでは遅いので僕の隣にはセリアさんが、エージの隣にはカナデが座っている。微妙な距離感があるのは初心なせいだろうか?
「いやコレは処女宮産。本来のものが良いなら変えるけど?」
今のセリアさんの装備はドレスとロングブーツである。ドレスは処女雪のように白く清楚な様子を窺わせる可憐なレースが編まれている。ただ腰にあるベルトがその雰囲気をぶち壊している。ベルトの色は黒でホルスターが4点あり蒼銀と紅金の双銃とナイフとポーション類がそれぞれ収まっている。ただここだけ凄くカッコいいのでチグハグな気がする。ソレにドレスには所々にスリットが入っていて動き易いだろう。
しかし正面に居るエージは微妙に視線をずらして居ることからさぞかし扇状的であろう。
「今すぐ変えてくだい!!」
その返しをしたのは案の定カナデだ。というか2人とも鎧着て座っているけど大丈夫なのか?
「あれ~なんでカナデが答えているの~」
コイツ遊んでいやがる。そして妙に間延びした口調が馬鹿にしているように感じる。何かカナデの顔に血管が浮かんでいるのは気のせいだろうか。
「どうでもいいじゃないですか!それに姉さんは少し世間体というものを知るべきです!」
「そんな叫んでいたら嫌われるわよ」
誰にとは言わないが視線で一瞥しているあたり巧い。ていうかエージはなんで反応していないんだ?少し面倒になってきたのでセリアさんの太腿を少し抓む。その行動に秘めた思いに気が付いたのか少し落ち着いてくれる。
「悪いわね。つい反応が良いから」
あー分からなくもない。こんだけ反応が良いと弄りたくなるかも。Sっ気満載の処女宮継承者には頭が上がりません。
「にしても仲良いですね。姉妹でゲームなんて」
ゲームに対したスタンスこそ違うが真にゲーム好きで互いを大切に思っているからこそ出来る事だと僕は思う。
「ええ。いつも可愛がっているわよ」
このようにだろうな。何となくパワーバランスが見えた気がする。
「そう言えば姉さんとは不思議と喧嘩したことないわね」
カナデの天然があるかも知れないな。何かと微笑ましいな。義理の弟と妹しかいないからよく分からないや。
「で、エージはいつまで黙って…」
いるんだ?って言おうとしたらエージはなぜか顔を紅く染めており彫像の如く固まっていた。うん初心すぎない。この場合どっちにだか知らないがアイツの過去を見るにそう言った事情があるかも知れないが。
話題変えようかな。
「セリアさんは弓とか作れますか?」
本人曰く本職は木工らしいし。一応銃という射撃武器はあるが弓も弓で使い道がある。
「良いわよ。にしても堅苦しいのは好みじゃないわ」
肩に手を置かれジリジリと顔を寄せてくる。指がめり込んでいて物凄く痛い。凄く迫力があるな。あと暴力的な凶器がアップされて長い銀髪が色香を漂わせる。ぶっちゃけると義母より怖い。いや正確には父に詰め寄る義母より怖いだ。通常通りの義母はふんわりほんわかしている。
「分かったよ、セリア」
「うむ、よろしい」
それでいいのか?と思ったが本人的にいいみたいだし。
「カオルは何が出来るの?」
チグハグな装備を見て疑問に思ったらしくカナデが聞いてきた。
「一応初期スキルに合った武器スキルは全部」
鎌とか鉛玉とかあって驚いた。純粋に暗器としてあると思ったのに。
ただ彼女がその答えを聞いて立ち上がると頭を下げてこう言った。
「私に刀術を教えてください」
刀術かー。うーん個人的には教えてもいいが。
「残念だけど断らせてもらおう」
「カオル!良いだろうそのくらい」
エージが珍しく全身から怒気を発しキレた。いや言い方が悪かったな。
「僕が教えるのは却下。エージ、お前が教えろ」
確かに僕が教えた方が色々と出来ることが増えるだろう。エージにはない飛び道具や暗器などを叩き込める。ただそれではエージの方が頭打ちに近くなる。というか既に頭打ちに近い。剣や刀の大きさは問わず教え込んだがそれだけ術の全てでは無いし。それに教える側に周ることで初めて見えてくることもあるし男女の肉体構造での違いを理解することで生かせることも多くある。故に命じる。
「一週間で彼女に術理 乱桜を習得させること。それが出来たら2人に術理を1つづつ授ける。あっ勿論過程は不出だから2人きりでね」
刀術 乱桜はわりと簡単だが刀を扱う上で必要な心構えが多くある。それができないと双方話にならない。あと
不出は捏造だがそうでも言わないとそう言ったイベントが起きないだろうし。
「「えっ!!」」
「そうね。私はカオルの装備品製作があるしカオルにはそこで抜ける貴女の仕事を頼みましょうか」
互いに顔を見合わせて笑みを浮かべる。多分もの凄く腹黒い笑みを2人して浮かべていただろう。
セリアさんのその言葉が気になり疑問を投げた。辰之シリーズやスキルブックに魔導書をそう言うモノと言えなくもないが継承してるとは言いづらい代物だ。
「私が調べた限りではアレらはそう言う存在。第一形態は影とは言えどもその能力は本物。私も処女宮でちからの一端を手に入れて分かったわ」
処女宮って。何で乙女とかにしなかった運営よ。
いや被るのは分かるけどさ。でも何で処女宮?
「姉さんなんで処女宮?姉さんなら人馬宮とか金牛宮とかと思うけど」
ナニそのパワー重視のオンパレード。脳筋には見えないけど。
するとセリアさんはカナデの顳顬に拳を当てグリグリとする。痛そうだな~。
「人を脳筋扱いするな!」
「それとも亥かって……痛いよ姉さん!」
もはや自業自得のような気がしてきた。
「セリアさんの装備ってそうなんでしたっけ?」
アレから数分が経ったあと。一先ず落ち着けるように机を挟み向かい合うようにして座る。ただ何かがあってでは遅いので僕の隣にはセリアさんが、エージの隣にはカナデが座っている。微妙な距離感があるのは初心なせいだろうか?
「いやコレは処女宮産。本来のものが良いなら変えるけど?」
今のセリアさんの装備はドレスとロングブーツである。ドレスは処女雪のように白く清楚な様子を窺わせる可憐なレースが編まれている。ただ腰にあるベルトがその雰囲気をぶち壊している。ベルトの色は黒でホルスターが4点あり蒼銀と紅金の双銃とナイフとポーション類がそれぞれ収まっている。ただここだけ凄くカッコいいのでチグハグな気がする。ソレにドレスには所々にスリットが入っていて動き易いだろう。
しかし正面に居るエージは微妙に視線をずらして居ることからさぞかし扇状的であろう。
「今すぐ変えてくだい!!」
その返しをしたのは案の定カナデだ。というか2人とも鎧着て座っているけど大丈夫なのか?
「あれ~なんでカナデが答えているの~」
コイツ遊んでいやがる。そして妙に間延びした口調が馬鹿にしているように感じる。何かカナデの顔に血管が浮かんでいるのは気のせいだろうか。
「どうでもいいじゃないですか!それに姉さんは少し世間体というものを知るべきです!」
「そんな叫んでいたら嫌われるわよ」
誰にとは言わないが視線で一瞥しているあたり巧い。ていうかエージはなんで反応していないんだ?少し面倒になってきたのでセリアさんの太腿を少し抓む。その行動に秘めた思いに気が付いたのか少し落ち着いてくれる。
「悪いわね。つい反応が良いから」
あー分からなくもない。こんだけ反応が良いと弄りたくなるかも。Sっ気満載の処女宮継承者には頭が上がりません。
「にしても仲良いですね。姉妹でゲームなんて」
ゲームに対したスタンスこそ違うが真にゲーム好きで互いを大切に思っているからこそ出来る事だと僕は思う。
「ええ。いつも可愛がっているわよ」
このようにだろうな。何となくパワーバランスが見えた気がする。
「そう言えば姉さんとは不思議と喧嘩したことないわね」
カナデの天然があるかも知れないな。何かと微笑ましいな。義理の弟と妹しかいないからよく分からないや。
「で、エージはいつまで黙って…」
いるんだ?って言おうとしたらエージはなぜか顔を紅く染めており彫像の如く固まっていた。うん初心すぎない。この場合どっちにだか知らないがアイツの過去を見るにそう言った事情があるかも知れないが。
話題変えようかな。
「セリアさんは弓とか作れますか?」
本人曰く本職は木工らしいし。一応銃という射撃武器はあるが弓も弓で使い道がある。
「良いわよ。にしても堅苦しいのは好みじゃないわ」
肩に手を置かれジリジリと顔を寄せてくる。指がめり込んでいて物凄く痛い。凄く迫力があるな。あと暴力的な凶器がアップされて長い銀髪が色香を漂わせる。ぶっちゃけると義母より怖い。いや正確には父に詰め寄る義母より怖いだ。通常通りの義母はふんわりほんわかしている。
「分かったよ、セリア」
「うむ、よろしい」
それでいいのか?と思ったが本人的にいいみたいだし。
「カオルは何が出来るの?」
チグハグな装備を見て疑問に思ったらしくカナデが聞いてきた。
「一応初期スキルに合った武器スキルは全部」
鎌とか鉛玉とかあって驚いた。純粋に暗器としてあると思ったのに。
ただ彼女がその答えを聞いて立ち上がると頭を下げてこう言った。
「私に刀術を教えてください」
刀術かー。うーん個人的には教えてもいいが。
「残念だけど断らせてもらおう」
「カオル!良いだろうそのくらい」
エージが珍しく全身から怒気を発しキレた。いや言い方が悪かったな。
「僕が教えるのは却下。エージ、お前が教えろ」
確かに僕が教えた方が色々と出来ることが増えるだろう。エージにはない飛び道具や暗器などを叩き込める。ただそれではエージの方が頭打ちに近くなる。というか既に頭打ちに近い。剣や刀の大きさは問わず教え込んだがそれだけ術の全てでは無いし。それに教える側に周ることで初めて見えてくることもあるし男女の肉体構造での違いを理解することで生かせることも多くある。故に命じる。
「一週間で彼女に術理 乱桜を習得させること。それが出来たら2人に術理を1つづつ授ける。あっ勿論過程は不出だから2人きりでね」
刀術 乱桜はわりと簡単だが刀を扱う上で必要な心構えが多くある。それができないと双方話にならない。あと
不出は捏造だがそうでも言わないとそう言ったイベントが起きないだろうし。
「「えっ!!」」
「そうね。私はカオルの装備品製作があるしカオルにはそこで抜ける貴女の仕事を頼みましょうか」
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