NEXT LIFE ONLINE

髙﨑 レイ

文字の大きさ
上 下
11 / 61
壱章 クマさん道場

タイムス・チャレンジャー

しおりを挟む
 エージが入ったのは路地裏のこじんまりとした喫茶店だ。裏通りにあるので人入りはかなり悪い気がする。
「マスター、個室借りるよ」
「エージか。いいぞ、ケーキと紅茶を用意していく」
 エージが話しかけたのはナイスミドルなオジサマで何やら新聞を読んでいた。
「ありがと」
 話が終わるとエージはずんずんと奥に進み行く。そして1番奥の部屋に入る。それに続くようにカナデも入る。流石はこの2人。肝が座っている。気後れするわけじゃないけどなんか躊躇いがあるな。

「さてとカオルその剣と銃って刻之試練産?」
 早速ぶっ込んで来たな。いやそんなに遠慮がなかったかこの弟子。
「いや流石に初日だろ?それにアレらはボスエリアでしか」
 とわりと一般的な意見をしている。まあチュートリアルでボスが出るならそこもボスエリアと定義するのだろう
「正解。辰之一刻クリア報酬。あと衣と帯が装備品としては手に入った」
 するとエージはどこか納得しながらも驚嘆しておりカナデは目を大きく見開いている。
「辰か。始めてだな。それとやっぱり一刻か」
「…カオルはなんで倒せたんだ?」
 だよな。僕も逆の立場だと気になるしな。ただなあアレは僕以外に絶対に不可能なわけだし。ソレは本当にチートなわけだし。
「異能でゴリ押した」
 終始、付呪で何とかしただけだしな。瞬間付呪インスタンス追想付呪メモリアルコネクトと天埜流武術というほぼプレイヤースキルでギリギリ何とかなっていただけだしな。それに幻術理に心臓穿も出したわけで何よりアレは分身体ではという疑念がある。
 実体に無視の幻術理を使ってLPを削れてしまったのだから。
「異能か…。私のヤツ微妙だしな」
 いやピンポイントで刺さってしまうのが異能なのだからそこまで気にする必要は無いと思う。
追想メモリアルか?」
「アレ以外は丸っ切りわからないから当然だろ」
 終焉焔や天閉門は謎だしな。そして自分で自分を殺してしまいそうな威力と効力がありそう。
追想メモリアル?エージは知っているのか?」
「ああ。コイツの異能の一つは付加系で追想は最上位効果だったのを覚えているから」
「反対にエージの異能は馬鹿火力でフレンドリーファイヤが起こるから使いづらいんだよ」
 ただ面での殲滅力はピカ1なのである。拠点防衛でその力を発揮する。ただ絶望的にノーコンで投げナイフ以外はデタラメな方向に飛ぶので後衛指揮に徹すると自動追尾の魔法や面焼きでないと役に立たない。
「そうか。私のは固定砲台と法力変換だから何とも言えない」
 法力って。
「シスターなのか?」
「シスターって違うわよ。シャーマンですよ」
 シャーマンか。なんかイメージ的には自然調律者だけど本来は巫女系統だから法力か。

「で2人は何だったの?」
 この2人が刻之試練挑戦者であることは確かだろう。というか出ないと僕の装備品を見抜けるわけないし。
「俺は卯。多分、敏捷系が原因と思う」
 いや多分、ヴァーパルバニーとヴァーパルソードだろう。ようはギロチン攻撃。コイツに教えてきたのは撹乱と必殺と急所攻撃だから一合の元で制するというどちらかというと侍の戦い方だ。
「私は寅。遠距離でのレンジ勝負って側面が強い。狙撃でも倒せないのが辛い点だ」
 なんか規則が見えそうだがそうなると僕が辰の理由が不明だ。
「あとタクが未でミュウが人馬宮でメイが白羊宮」
 だよな。というかもうひつじが被ってやんの。性別で刻か宮が決まるわけでもないみたいだし。

「そう言えば熊公どう攻略する?」
「熊公?」
 どうやら深く聞き出す必要がありそうだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

戦国時代の武士、VRゲームで食堂を開く

オイシイオコメ
SF
奇跡の保存状態で頭部だけが発見された戦国時代の武士、虎一郎は最新の技術でデータで復元され、VRゲームの世界に甦った。 しかし甦った虎一郎は何をして良いのか分からず、ゲーム会社の会長から「畑でも耕してみたら」と、おすすめされ畑を耕すことに。 農業、食堂、バトルのVRMMOコメディ! ※この小説はサラッと読めるように名前にルビを多めに振ってあります。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています

もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。 使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。

処理中です...