乙女ゲームの結末は

ぐう

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リヒャルト殿下

夏の長期休暇前

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 令嬢達に絡まれるのは続いたが、必要なことしか話しかけないので、堅物殿下、女嫌いの殿下というあだ名がついたとエルマーから報告があった。好きに言うがいい。


 エルマーは人当たりも良く、端正な容姿なので、令嬢達に人気があるため、いろいろな噂話を仕入れてくる。ギュンターは堅くてそう言うのに向いてないので、エルマーの情報収集力は貴重だ。

 国王配下の密偵も学園に入っている。探られてもなにも困らないからいいのだが、やはり信用されてないのだなと思う。あの親の子供だから仕方ないと諦めるしかない。



 夏の長期休み前のダンスパーティーで学園内はざわついているらしい。らしいと言うのは、エルマーからの伝聞で私は全く興味がないからだ。
エルマーは誰と踊ってもらおうと今からワクワクしているらしい。
政略婚約は少なくなってはいるが、皆無ではない。恋愛で婚約しているカップル含め、婚約しているカップルは、エスコートして、お互い以外踊らないらしい。あの出来事以来での決まりになったそうだ。あの一件はどこまでも影響あるんだと、なんだか罪悪感がある。いや、婚約者以外と踊らないという取り決め自体は悪いことではないのだが。

 エルマー曰くエスコートされてくる子は、婚約者がいるとわかるから、アタックする範囲が狭くなって楽なんだとか。頑張ってくれ。

 もう一人の側近候補のギュンターには、婚約者がいる。政略婚約らしく、ギュンターは乗り気でないといつも愚痴っている。相手はなんと10歳も年下のまだ5歳なのだ。最初はギュンターより2歳下の姉の方と婚約するはずだったのだが、いつ会っても喧嘩になるので、親がどうしても家同士をつなげたいという思惑で妹に変えた。ギュンターは姉の方が好きなんだとエルマーは言っている。素直になればいいのにと。ギュンターはそんなことない勘違いだと、エルマーに詰め寄っていた。そんなにむきになるところをみると、やっぱり好きなんじゃないかと、エルマーにさらに突っ込まれていた。ギュンターは単に10歳も下だと、ろくに交流ができないのが嫌なだけだと言い張っていた。


 まあそんな年下では、学園に在学中ではないので、ダンスパーティーには参加もできない。三人ともエスコートなしで参加して、私は踊らずに帰って来ようと思っていた。




 
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