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学園入学前
生まれてきた意味は 公爵令嬢ナターリエ
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私には親がいない。いや生物学的には生存している。
が、親というのは創っただけ、産んだだけでは親とは言わないというのが私の持論だ。
私が生まれたここマイヒェルベック公爵家の王都の邸には、当主の公爵も奥方も住んでいない。執事オットーとその妻で私の乳母ノーラと二人の娘で乳姉妹のアンナと私、公爵家の一人娘ナターリエのみ。
それ以外にも料理人や庭師、御者などもいるが、私の身近にはこの三人のみ。
この三人が私と血の繋がりがないと、気がつかされたのは5歳で家庭教師がついた時。
オットーが選んだだけあって良識のある博識な女性だった。
この人から私は公爵家の一人娘で高位の貴族の娘として、知識と礼儀作法を身につけていくようにと指導された。
8歳の時にはダンス教師も加わり、家庭教師が私にはもっと高い教育でも可能だとオットーに進言し、元文官だという初老の男性の家庭教師も加わった。
公爵夫妻は私に一切関わらないので、全てオットーの差配により、勉強とダンスと礼儀作法に貴族としての振る舞いにと忙しい毎日を送っていた。
ただ親の社交に12歳から付き添って同位程度の貴族の令息・令嬢と交流が始まるそうだが、私には親がいないので、いつまでたっても私の世界は狭い。
この国には貴族の子のみ通える語学、政治経済など貴族として知識を教える学園がある。同年代の貴族の子が集まることによって、社交の手始めともされているため、貴族の子は差し障りのない限り、王族でも低位の貴族でも入学するのが義務とされている。
普通は15歳から成人する20歳まで5年間在学する。きっちりとした年齢制限はないので、13、14歳でも入学試験に合格すれば入学できる。
優秀な成績を治めれば低位の貴族でも文官として採用されるし、高位の貴族にお目見えの機会を得ることができる。
家格によって、部屋の広さが違うけれど、5年間寮生活になる。
私の親世代までは、幼い頃からの政略的な婚約がほとんどだったが、学園でのある出来事で幼い頃からの婚約は減る傾向にある。そのため学園は結婚相手を見つける場にもなっているという。女性は結婚によって、中退も少なくないらしい。
私は現在13歳。公爵夫妻は私に興味がないので婚約者はいない。入学試験には問題無く合格するだろうから、入学してはどうだと家庭教師より勧められた。オットーも私は親がいないので、社交をしていない。そのため知り合いすらいないため、社交の経験を積んだ方がいいと判断したので、一年早く入学試験を受けることにした。
入学の前に、オットーから知っておいて欲しい話があると言われた。
が、親というのは創っただけ、産んだだけでは親とは言わないというのが私の持論だ。
私が生まれたここマイヒェルベック公爵家の王都の邸には、当主の公爵も奥方も住んでいない。執事オットーとその妻で私の乳母ノーラと二人の娘で乳姉妹のアンナと私、公爵家の一人娘ナターリエのみ。
それ以外にも料理人や庭師、御者などもいるが、私の身近にはこの三人のみ。
この三人が私と血の繋がりがないと、気がつかされたのは5歳で家庭教師がついた時。
オットーが選んだだけあって良識のある博識な女性だった。
この人から私は公爵家の一人娘で高位の貴族の娘として、知識と礼儀作法を身につけていくようにと指導された。
8歳の時にはダンス教師も加わり、家庭教師が私にはもっと高い教育でも可能だとオットーに進言し、元文官だという初老の男性の家庭教師も加わった。
公爵夫妻は私に一切関わらないので、全てオットーの差配により、勉強とダンスと礼儀作法に貴族としての振る舞いにと忙しい毎日を送っていた。
ただ親の社交に12歳から付き添って同位程度の貴族の令息・令嬢と交流が始まるそうだが、私には親がいないので、いつまでたっても私の世界は狭い。
この国には貴族の子のみ通える語学、政治経済など貴族として知識を教える学園がある。同年代の貴族の子が集まることによって、社交の手始めともされているため、貴族の子は差し障りのない限り、王族でも低位の貴族でも入学するのが義務とされている。
普通は15歳から成人する20歳まで5年間在学する。きっちりとした年齢制限はないので、13、14歳でも入学試験に合格すれば入学できる。
優秀な成績を治めれば低位の貴族でも文官として採用されるし、高位の貴族にお目見えの機会を得ることができる。
家格によって、部屋の広さが違うけれど、5年間寮生活になる。
私の親世代までは、幼い頃からの政略的な婚約がほとんどだったが、学園でのある出来事で幼い頃からの婚約は減る傾向にある。そのため学園は結婚相手を見つける場にもなっているという。女性は結婚によって、中退も少なくないらしい。
私は現在13歳。公爵夫妻は私に興味がないので婚約者はいない。入学試験には問題無く合格するだろうから、入学してはどうだと家庭教師より勧められた。オットーも私は親がいないので、社交をしていない。そのため知り合いすらいないため、社交の経験を積んだ方がいいと判断したので、一年早く入学試験を受けることにした。
入学の前に、オットーから知っておいて欲しい話があると言われた。
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