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アンジェラ編
アンジェラ襲撃
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邸に戻ったら、次兄と一緒に長兄と父に執務室に呼ばれた。次兄が婚約パーティーでの経緯を説明した。人一倍心配していた長兄はほっとしたようだ。
次兄がマリアンヌ王女の言動を全く嗜めなかったエミールともう付き合わないと言い切った。妹のためじゃなく、見せつけるためにわざわざ呼びつけるようなことをするエミールに失望したからだと長兄と父に説明した。
父はそれより王太子殿下と踊ったのかとそちらが気になるようだった。
次兄が王太子殿下と一緒にいたことの方が招待客の目を引いていましたと言うのを聞いて、王太子殿下はマリアンヌ王女のしたことを気にかけてらした。
きっと招待客の目から私を守るためにをわざわざ構ってくださったんだと合点がいった。
それから長兄が探らせても、私がエミールにふられたという噂は出ていないとのことだ。
私と言えばエミールのことなどすっきりしてしまい初恋なんて叶わないのが普通よねとか思っていた。本当に薄情なものだと我ながら思う。
それよりも何よりも神経がわからないのは、婚約パーティー後エミールが直ぐに我が家にやってきた事だ。いつものように前触れもなく、私に会いたいと執事に取り次ぎを頼んだそうだ。長兄から万が一エミールが来ても会わせないようにと言われているので、お嬢様はお留守でございますと執事は断った。
何を考えていると私より長兄次兄が激怒してた。
それが一回だけでなく、前より頻繁に何度も来ているのだ。
それを王妃様のお茶会でお会いした王太子殿下にその後あの二人に嫌なことされてないかと聞かれて漏らしてしまった。
王太子殿下はちょっと考えて、私に王妃様の元に行儀見習いに上がらないかと提案された。
王妃様がマリアンヌ王女を嫌っているので、王妃様と陛下の私的スペースにはマリアンヌ王女は絶対に出入りできないので会うこともないし、王宮に上がったと聞けばエミールも諦めるだろうと。家族と相談しますとその場は下がった。
戻って相談すると、いつも口を出さない父が直ぐ王宮に上がりなさいと言う。長兄次兄も同意だが寂しいなと漏らす。二人とも婚約者がいらっしゃるのにね。
その後直ぐ父の後押しもあって、王妃様の元に行儀見習いに上がった。行儀見習いのはずなのに、教育されることになっていた。私は文官志望じゃないのにと一人で愚痴をこぼすほどの量だった。
でも忙しくしてるとマリアンヌ王女とエミールのことを思い出す暇もない。これは意外な効果だ。
やっと王宮に慣れて、毎日の大量の勉強も慣れてこなせるようになった。教師の方にも基本ができてますから早いですねと褒められた。何が早いのかよくわからないが、褒められて悪い気はしない。
本日の教育が終わって、王妃様の部屋に伺ったら、執務室の陛下に急用で手紙を届けて欲しいと頼まれた。
庭の美しい花を見ながら廻廊の先を回るとマリアンヌ王女が立っていた。
王女に用は無いので、頭を軽く下げて通り過ぎようとしたら、いきなり腕を掴まれて無理やり植え込みまで連れ込まれた。
「悔しいでしょう?普段馬鹿にしてる私に好きな人取られて。取り乱しなさいよ。悔しいって」
やはりこの王女様は下品だ。
「王女殿下、ヘルマン侯爵令息のエミール様は次兄の学友で親しくしてくださっていたので、私も顔見知りになっていただいただけです。王女殿下のお心を煩わせるようなことは一切ございません」
ドンと強く壁に向かって突き飛ばされた。
「悔しいって言いなさいよ!私にとられたのが!」
駄目だ。何言っても聞く耳もたない。あまりに金切り声を上げるので衛兵が飛んで来た。それを見てもういい!と叫び、ガーターベルトに隠し持っていた短刀を引き抜き、かざして私の方に飛び込んでくる。ああ刺されると思って自分を抱きしめる。
そこに誰かが飛び込んで王女を斬り伏せた。赤いものが飛び散るのがスローモーションで見えた。飛び散った赤いものが私に纏わり付く。目の前が真っ暗になった。
次兄がマリアンヌ王女の言動を全く嗜めなかったエミールともう付き合わないと言い切った。妹のためじゃなく、見せつけるためにわざわざ呼びつけるようなことをするエミールに失望したからだと長兄と父に説明した。
父はそれより王太子殿下と踊ったのかとそちらが気になるようだった。
次兄が王太子殿下と一緒にいたことの方が招待客の目を引いていましたと言うのを聞いて、王太子殿下はマリアンヌ王女のしたことを気にかけてらした。
きっと招待客の目から私を守るためにをわざわざ構ってくださったんだと合点がいった。
それから長兄が探らせても、私がエミールにふられたという噂は出ていないとのことだ。
私と言えばエミールのことなどすっきりしてしまい初恋なんて叶わないのが普通よねとか思っていた。本当に薄情なものだと我ながら思う。
それよりも何よりも神経がわからないのは、婚約パーティー後エミールが直ぐに我が家にやってきた事だ。いつものように前触れもなく、私に会いたいと執事に取り次ぎを頼んだそうだ。長兄から万が一エミールが来ても会わせないようにと言われているので、お嬢様はお留守でございますと執事は断った。
何を考えていると私より長兄次兄が激怒してた。
それが一回だけでなく、前より頻繁に何度も来ているのだ。
それを王妃様のお茶会でお会いした王太子殿下にその後あの二人に嫌なことされてないかと聞かれて漏らしてしまった。
王太子殿下はちょっと考えて、私に王妃様の元に行儀見習いに上がらないかと提案された。
王妃様がマリアンヌ王女を嫌っているので、王妃様と陛下の私的スペースにはマリアンヌ王女は絶対に出入りできないので会うこともないし、王宮に上がったと聞けばエミールも諦めるだろうと。家族と相談しますとその場は下がった。
戻って相談すると、いつも口を出さない父が直ぐ王宮に上がりなさいと言う。長兄次兄も同意だが寂しいなと漏らす。二人とも婚約者がいらっしゃるのにね。
その後直ぐ父の後押しもあって、王妃様の元に行儀見習いに上がった。行儀見習いのはずなのに、教育されることになっていた。私は文官志望じゃないのにと一人で愚痴をこぼすほどの量だった。
でも忙しくしてるとマリアンヌ王女とエミールのことを思い出す暇もない。これは意外な効果だ。
やっと王宮に慣れて、毎日の大量の勉強も慣れてこなせるようになった。教師の方にも基本ができてますから早いですねと褒められた。何が早いのかよくわからないが、褒められて悪い気はしない。
本日の教育が終わって、王妃様の部屋に伺ったら、執務室の陛下に急用で手紙を届けて欲しいと頼まれた。
庭の美しい花を見ながら廻廊の先を回るとマリアンヌ王女が立っていた。
王女に用は無いので、頭を軽く下げて通り過ぎようとしたら、いきなり腕を掴まれて無理やり植え込みまで連れ込まれた。
「悔しいでしょう?普段馬鹿にしてる私に好きな人取られて。取り乱しなさいよ。悔しいって」
やはりこの王女様は下品だ。
「王女殿下、ヘルマン侯爵令息のエミール様は次兄の学友で親しくしてくださっていたので、私も顔見知りになっていただいただけです。王女殿下のお心を煩わせるようなことは一切ございません」
ドンと強く壁に向かって突き飛ばされた。
「悔しいって言いなさいよ!私にとられたのが!」
駄目だ。何言っても聞く耳もたない。あまりに金切り声を上げるので衛兵が飛んで来た。それを見てもういい!と叫び、ガーターベルトに隠し持っていた短刀を引き抜き、かざして私の方に飛び込んでくる。ああ刺されると思って自分を抱きしめる。
そこに誰かが飛び込んで王女を斬り伏せた。赤いものが飛び散るのがスローモーションで見えた。飛び散った赤いものが私に纏わり付く。目の前が真っ暗になった。
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