幸せを噛みしめて

ゆう

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二学期

会いたくて

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 浴衣脱ぐ前にせっかくなので桜庭さんに携帯で浴衣姿を撮ってもらい、秋人に送る事にした。何も理由がないと連絡を取りづらかったが、浴衣を着てみました。と簡単な文に画像を貼って報告程度の内容を送信した。ついでに最近連絡してなかった両親にも送っておいた。

 すぐに連絡がきたのは両親からだった。夏休みは実家に寄ろうと思っていたのに結局帰れなくなってしまったので、両親の元気そうな声が聞こえてよかった。一度話が始まると終わらない母の長いトークが始まったので迷惑をかけないよう部屋から出でから久しぶりの会話に花を咲かせた。なんとか会話を終わらせて、母がこんなに話をため込む前に連絡をしないといけないなと心に誓った。

「あ、佐伯さん…!」

 皆がいる部屋に戻ると秋人の秘書である佐伯さんが訪れていた。
 秋人ですら久々に見ていなかったのに、秘書である佐伯さんを見るのは本当に久しぶりのような気がした。
 
「雪様、お久しぶりでございます。秋人様がお呼びでしたのでお迎えに上がりました」

「えっ、秋人に会えるの?」

「はい、秋人様はお仕事中でこの学園にはいらっしゃいません。お連れするようにとの事でした」

 勇気を出して連絡してよかったと、俺は心が躍った。佐伯さんが来たと言うことは時間を取ってくれたのだろう。

「あ、着替えないと」

 流石に文化祭でも縁日でもない日にこの格好で出歩くのは恥ずかしい。直接見せたいと言う気持ちもあったが写真でも送ったし、文化祭当日にでも見せれたらいいなと思っていたので自分の部屋に急いで戻ろうとすると、そのままの恰好がいいらしいと着替えを佐伯さんに止められる。

「車を用意しておりますので」

 あきらかに不機嫌になった煌弥には申し訳ないと思いつつも、俺には行かないと言う選択肢はなかった。行ってくると告げ、部屋を出ると車が前に止まっていた。
 車は学園を抜け、学園の近くにある秋人の家に辿り着いた。ここは秋人が学園に行き来しやすいよう建てた家だ。広い庭にはヘリポートもある。急ぎの時はヘリで空港に向かって世界を回ったりするらしい。この夏休みに初めて海外旅行を経験したばかりの俺からすると想像もつかない話だ。

 家の玄関前に着くと、チャイムを鳴らす前に秋人が飛び出てきてすぐに秋人によって家の中に迎え入れられた。

「雪──!!会いたかった…!」

「ふふ、久しぶりだ」

 玄関でがばっと抱きしめて、そのまま抱っこで家の中に迎え入れられる。秋人の匂いだ。首元をすんすんと嗅げばくすぐったそうに秋人が笑う。

「すまない、雪を放っておいたわけではないんだ。俺がいなかった分の進まなかった仕事が忙しくてな」

「うん、夏休みいっぱい休んじゃったもんね。分かってるよ」

「雪はたまに物分かりが良すぎて困るな。俺はかなり寂しかったぞ。そして浴衣姿可愛すぎだ。我慢できなかった」

 メール送ってよかったと同時にまだ忙しそうなのに来ても良かったのだろうか。

「仕事いいの?」

「夏休みが終わってからずっと頑張っているんだ。問題ない」

 寝室に辿り着くとお互い求め合うようにキスをした。少しでも空いた時間を埋めるよう直ぐに二人はベッドにギシリと音をたて身体を預けた。

 浴衣の重なり合っている間から手を入れると直ぐに白い肌が露になる。

「…っ、こんな肌けやすい服を文化祭に着て大丈夫か…!?それに布も薄い…。雪が変な奴らの餌にならないか不安だ…。警備体制をもっと増やして…」

「肌着も着るし大丈夫だよ。それに浴衣の中に手を入れる人なんて秋人くらいしかいないし…」

「…………」

 秋人は眉間に皺を寄せてなんとも言えない表情をしていたが、それ以上は何も言わなかった。帯を解き、露になった肌に唇を寄せて白い肌に赤い印を残していく。股の間を幾つも印を残した後、臍の下に今度は優しくキスを落としていく。

「体調は悪くないか?」

「っ、ん。悪くないよ」

 その体調と言うのは身体の変化はないか。というものだろう。きっと俺の身体はまだ子供が産まれる身体に変化はしていない。つい最近まで普通の環境に育ってきたのだから早々に変わるわけないと思っているが、やんわりと聞くあたり秋人も気になっているのだろう。

 下着の中で主張を見せるものは男性の象徴であるものだ。下着の上から指でなぞられるとじわりと染みを作った。

「んっ、秋人…直接触ってよ…」

 秋人に触られるのは久しぶりなのだ。少しの刺激で直ぐに身体が疼くのが分かった。男なのに、身体の奥が秋人を欲しがって、この時間だけは女性の様に身体が変化していくのが分かった。




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