幸せを噛みしめて

ゆう

文字の大きさ
上 下
20 / 81
新しい世界

生徒会

しおりを挟む


「と、言うわけなんだけど、雪ちゃんもお手伝いとして働いてもらってもいい?」
 
 
 俺は目の前の光景に驚き、渚の言葉は右から左へと抜けていった。
 生徒会室には息子たちの面影を残す彼らが全員集合していたのだから。
 入学式で在校生代表として長男似の彼が話しているのは見たが、生徒会長だったとは。
 ひらひらと俺に手を振る圭。
 相変わらず表情を変えない祐希。
 どこか上の空の修斗。
 
「渚、俺はお前の事を小さい時から知っているから推薦したが、その人は編入生だろう?手伝いといってもこの学校の事何もしらないのであれば足を引っ張るだけなのでは?」
 
 そう言ったのはもちろん生徒会長の直人。
 めちゃくちゃ正論です。その通り。さすがは長男だった男だ。
 
「じゃあ俺と一緒に一週間お試しってのは?できなかったら諦めるからー」
 
(俺の主張は言えなさそうなこの雰囲気…渚…なんて事してくれるんだ)
 まったく…と直人は渚の事をかなり信頼しているのだろう、ため息をつきつつ一週間経って使えなかったら切るといって渚の意見が通った。
 
「入学早々、一年生交流会とか体育祭とか、色々ありすぎなんだよねー。じゃ、一週間よろしくね雪ちゃん」
 
 その渚の笑顔は悪魔の笑顔のように見えたのは俺だけだろうか。
 
「よ、よろしく」
 
 上手く笑顔を返せたかは分からないが、渚は嬉しそうだったので、まぁいいかと思った。
 
「では改めまして、生徒会長の一条直人イチジョウナオトです。渚の頼みですが、特別扱いはしません。一週間より早く根をあげないでくださいね」
 
「あ、はい。中山雪です。よろしくお願いします…」
 
 αのような圧倒的オーラに身体がびくりと反応する。
(絶対逆らったらいけないやつだ)
 
「んー、じゃあ改めて自己紹介しとくー?生徒会副会長の西園寺圭サイオンジケイ。よろしくね~雪ちゃん♪圭って呼んでいいよ」
 
「あ、はい…圭先輩…」
 
 圭…お前、副会長だったのか、やるときはやる子だもんね。
 遊んでばかりじゃないって信じてるぞ。
 
「二年、生徒会会計の九条祐希クジョウユウキです」
 
「よろ…しくお願いします…」
 
 相変わらず表情は変わらないけど、今絶対迷惑ごと増やすなって顔だったな。
 
「書紀やってる二年の広幡修斗ヒロハタシュウト……よろしく」
 
 相変わらずどこか上の空というか興味なさそうな修斗。
 修斗が生き生きしてる時は動物たちと触れ合ってる時だけって知ってるんだぞ母は。
 
 
「最後は俺だね!徳大寺渚トクダイジナギサだよ~、同じ一年だし渚ってよんでね」
 
「あ、ああ…」
 
 そんな感じで俺の慌ただしい一週間が始まった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった

なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。 ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

凶悪犯がお気に入り刑事を逆に捕まえて、ふわとろま●こになるまで調教する話

ハヤイもち
BL
連続殺人鬼「赤い道化師」が自分の事件を担当する刑事「桐井」に一目惚れして、 監禁して調教していく話になります。 攻め:赤い道化師(連続殺人鬼)19歳。180センチくらい。美形。プライドが高い。サイコパス。 人を楽しませるのが好き。 受け:刑事:名前 桐井 30過ぎから半ば。170ちょいくらい。仕事一筋で妻に逃げられ、酒におぼれている。顔は普通。目つきは鋭い。 ※●人描写ありますので、苦手な方は閲覧注意になります。 タイトルで嫌な予感した方はブラウザバック。 ※無理やり描写あります。 ※読了後の苦情などは一切受け付けません。ご自衛ください。

俺と父さんの話

五味ほたる
BL
「あ、ぁ、っ……、っ……」   父さんの体液が染み付いたものを捨てるなんてもったいない。俺の一部にしたくて、ゴクンと飲み込んだ瞬間に射精した。 「はあっ……はー……は……」  手のひらの残滓をぼんやり見つめる。セックスしたい。セックスしたい。裸の父さんに触りたい。入れたい。ひとつになりたい。 ■エロしかない話、トモとトモの話(https://www.alphapolis.co.jp/novel/828143553/192619023)のオメガバース派生。だいたい「父さん、父さん……っ」な感じです。前作を読んでなくても読めます。 ■2022.04.16 全10話を収録したものがKindle Unlimited読み放題で配信中です!全部エロです。ボリュームあります。 攻め×攻め(樹生×トモ兄)、3P、鼻血、不倫プレイ、ananの例の企画の話などなど。 Amazonで「五味ほたる」で検索すると出てきます。 購入していただけたら、私が日高屋の野菜炒め定食(600円)を食べられます。レビュー、★評価など大変励みになります!

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

処理中です...