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本編
第16話 狂乱の雷
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薄暗い路地裏、遠くに聞こえる排気ガスの音とバシャバシャと反響する足音。
雨は激しく打ち付け、私に呼応して鳴り響く雷は空を切り裂く。
「はぁああああ!!!」
薙ぎ払い、すぐ後ろに迫っていた体に腕を引き戻して柄で持って突き崩す。
捉えきれない影を追うように神経を尖らせ、自分の一挙一動に命をかける。
剣先をうち弾く感触ーー、わずかに頬を掠めていった槍を躱しつつ雷撃で踏み込んでくる足を止める。
「あららー? しっぶとーっい♪」
聞きなれた、甘ったるい声に悪態を吐きたくもなる。
けれど、そうする暇さえも私には与えられはしない。
「ッ……!!」
止めきれない攻撃は間合いを詰めて潰す。体を押し上げて他の二人にぶつけ、僅かばかりの時間を稼いで距離をとった。
「あははっ、すっごーいっ!」
降って落とされた一撃を剣の横っ腹を使って両手で受け止めた。
肘と膝が砕けそうな程に重いーー。アスファルトが悲鳴をあげ、微かに亀裂が走ると捲れ上がる。
「いい加減にッ……しなさいなっ!!」
弾きあげると同時に大振りに振り抜くけれどそれは空を掠めてしまう。
「あはははっ」
そう、何度も。何度聞いてもあまり好きになれそうにない声だ。
万人に好かれ、好まれるその歌声も、振る舞いも、笑顔も。
私にとってはもう憎む対象でしかない。
「踊れッ!!」
彼女が離れ、囲まれると感じた瞬間、雷を落とす。周囲を焼き潰すような連撃に軽く息を吐き出す。上がった息に肩を上下させ、額に張り付く前髪の隙間から睨む視界に影は4つ。
雨足はどんどん強くなってきているようでその音は嫌な記憶を蘇らせる。
絶え間なく、流れ続ける濁流。
天を切り裂くような雷鳴と、手にべったりとへばりついた血ーー。
「ッ……」
それを握り潰すように手に力を込め、改めて見つめ返した。
敵は4人。後ろを取られれば終わりだ。
「そういえば桃井さん……、結局あなたの願い……聞いていませんでしたね……?」
「ふえー?」
必ず聞いて回ったつもりだったけれど、彼女に関してはそんな余裕もなかった。
そして今も、尋ねる気はない。
「っ……」
ぐっと足に力を込め、地を滑るようにして跳ぶ。地場の力を利用しての高速移動。
揺れた足場では踏ん張りは効かないけれど数を翻弄するには適している。
なるべく傷つけないように、なるべく致命傷にはならないように3つの影の隙間を抜け、関節を打ち狙っていく。……とはいえ、操り人形にそんなことは無意味なようだけれども、
「足止め程度に効いてくれれば結構ですわッ……!」
不甲斐ない自分への憤りも纏めて叩きつけた。
そんな私の眼の前にふわりとリンさんは躍り出る。
巨大な斧の柄越しに甘い色をした瞳が見つめてきた。
「私のお願い気になるですー?」
「ーーーーっ」
振り下ろされる斧を躱し、突き返し、踏み込んで、切りつける。
持てる限りの速度を持って至る方向から斬りおろし、振り抜いては打ち合う度にまともに取り合うことのなかった彼女のことを思う。
嘗て、普通の「少女として」私たちと笑い合っていた少女の姿を。
「少なくとも貴方はッ……悪い人じゃありませんでした!! 人のことを思えるッ……優しい人でしたっ……!!」
腕を振るいながらも、この言葉が彼女に届くことはないのはわかっていた。
彼女にその記憶はない、彼女にとって私との面識はまだ一度きり。公園での一件だけだ。
例えここで私が何をしようとも、神の決断は覆らない。神の力には抗えないーー。
だけど、
「神様の世界なんてッ……認めるわけにはいきませんからッ!!」
打ち合った状態から勢い任せに振り下ろし、手応えが突然軽くなった。
反動を利用して距離を取られたのだとわかった瞬間には後ろから三人が飛びかかってきていて、咄嗟に電気のレールをひいて、その上を剣を滑らせる。横薙ぎに、しかし傷付けないように側面で叩きつける。けれどそれは一人目で止められ、二人目を抑え込む迄に剣先が頬を掠める。倒した体を貫くように槍は突き出され、武器を手放して後ろに「自分を引っ張る」。
「くっーーーー、」
後ろに倒れた体を支え、腕をついて転がるように包囲を抜ける。
「ッ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
ガラン、と重苦しい音が路地裏に響き。先ほどまで持っていた剣を桃井さんが拾うーー。軽々しく片手で弄ぶようにしてそれを眺め、指先でくるくると回しながら私を見つめた。
「あなたってさぁー? もしかして天然さんなのかなぁー? それともめんへらさんー? リンのファンで、勝手に思い上がっちゃってるって感じでもないよねぇ?」
くるくる、くるくると指先で回転する剣。雨粒を弾きならも器用にそれはスピンし、可愛らしい指先の上に止まっている。
「もしかしてリン達、何処かで会ったことあったりするのかな?」
剣が、地面に落ちた。
打ち続けていた雨は今も尚変わらず降り注ぎ、足音が消えた分その様相ははっきりと聞き取れる。
ドキドキと、心臓が音を高鳴らせていた。
もしかすると届くかもしれないという祈りが、胸の中で疼くのを感じ、一言目をゆっくりと飲み込んでから話し始める。
「……私たちは……何度も戦っています……、そう、何度も……何度も何度も。ーー繰り返し殺し合わされ、結果的に誰も救われることがなく、物語は巻き戻され続けています」
そう、それは私が神様から聞いたお話。
「私たちは永遠に続くループの中に放り込まれているんです……」
あの神様が告げたことが本当だとは俄かには信じられなかった。
神様たちの暇つぶしが「生き残った少女の願いによって」永遠にループさせ続けられているだなんて。
しかし、甦らされた記憶。願いを賭け、殺しあった過去、そして未来の私たちの映像。
それを思い出した時、言いようのない苦しみだけが胸の中で渦巻いていた。
己の願いのために誰かを出し抜き、大切な人を裏切ってまで願いを叶えようとした。
惨劇を無かったことにするために惨劇を生み続け、そしてその対価として掛け替えのない存在を奪われた。
力が及ばず、助けられず、そして救うこともできずに地に倒れた。
雨の、地を打つ記憶ーー。
「……貴方は……何か覚えていませんか……?」
記憶の中で桃井リンさんは狂犬のように他の子達を殺して回り、そして私たちによって倒された。
しかし、そうならない記憶も確かにあった。
出来た双子の姉にコンプレックスを抱きつつも、私たちと笑えていた記憶が……。
「キョーコさんと貴方……、案外いいコンビだったんですよ……? 大富豪で夜遅くまではしゃいだりして……」
これは祈りだった。そして願いだった。
もし何か届くものがあるのであれば、未来はきっと変えられる……!
いままで記憶にある子達に積極してきたけれど、みな、私との記憶について覚えていなかった。それはわかりきっていたことで、私だってゼウスが繰り返されるゲームに見かねて「特別に」記憶を蘇らせてくれたにすぎない。
もし、ここで私が敗れればその「特別」が再び訪れる日が来るのかわからない。その自覚のないまま「永遠のループ」を行い続け、殺し合い続けることになるかもしれない。それはどうしても阻止したかった。
このチャンスを逃してはならないと、戦いを止めなければいけないと、腕の中で奪われていく体温の記憶が、そう告げていた。
「ねぇ……、桃井さん……? 記憶が戻らなくても構いません……、どうか共に、このループから抜け出すために力を貸してくれませんか……?」
正直限界だった。自分しか覚えていないというのはとても辛い。
見知った人に知らない顔をされる、否、本当に知らない。
自分だけが異世界に迷い込んだような錯覚に陥り、気が狂いそうだっt。
「だからあのっ……、……桃井……さん……?」
言って、彼女の様子がおかしいことに気がつく。
虚ろだった瞳は更に空虚なものとなり、口に浮かべていた笑みは綻び、口角は下がりきっている。
「何度も……繰り返してるんですか……? 何度も、何度も、何度も……?」
「え……ええッ……、あの子が勝ち続ける限り、この戦いはーー、」
言葉につまり、困惑しーー、掛ける言葉が見つからない私を前に彼女は、
「あはっ……?! あははははっ、あははははははっ」
ーー嗤った。
雨は激しく打ち付け、私に呼応して鳴り響く雷は空を切り裂く。
「はぁああああ!!!」
薙ぎ払い、すぐ後ろに迫っていた体に腕を引き戻して柄で持って突き崩す。
捉えきれない影を追うように神経を尖らせ、自分の一挙一動に命をかける。
剣先をうち弾く感触ーー、わずかに頬を掠めていった槍を躱しつつ雷撃で踏み込んでくる足を止める。
「あららー? しっぶとーっい♪」
聞きなれた、甘ったるい声に悪態を吐きたくもなる。
けれど、そうする暇さえも私には与えられはしない。
「ッ……!!」
止めきれない攻撃は間合いを詰めて潰す。体を押し上げて他の二人にぶつけ、僅かばかりの時間を稼いで距離をとった。
「あははっ、すっごーいっ!」
降って落とされた一撃を剣の横っ腹を使って両手で受け止めた。
肘と膝が砕けそうな程に重いーー。アスファルトが悲鳴をあげ、微かに亀裂が走ると捲れ上がる。
「いい加減にッ……しなさいなっ!!」
弾きあげると同時に大振りに振り抜くけれどそれは空を掠めてしまう。
「あはははっ」
そう、何度も。何度聞いてもあまり好きになれそうにない声だ。
万人に好かれ、好まれるその歌声も、振る舞いも、笑顔も。
私にとってはもう憎む対象でしかない。
「踊れッ!!」
彼女が離れ、囲まれると感じた瞬間、雷を落とす。周囲を焼き潰すような連撃に軽く息を吐き出す。上がった息に肩を上下させ、額に張り付く前髪の隙間から睨む視界に影は4つ。
雨足はどんどん強くなってきているようでその音は嫌な記憶を蘇らせる。
絶え間なく、流れ続ける濁流。
天を切り裂くような雷鳴と、手にべったりとへばりついた血ーー。
「ッ……」
それを握り潰すように手に力を込め、改めて見つめ返した。
敵は4人。後ろを取られれば終わりだ。
「そういえば桃井さん……、結局あなたの願い……聞いていませんでしたね……?」
「ふえー?」
必ず聞いて回ったつもりだったけれど、彼女に関してはそんな余裕もなかった。
そして今も、尋ねる気はない。
「っ……」
ぐっと足に力を込め、地を滑るようにして跳ぶ。地場の力を利用しての高速移動。
揺れた足場では踏ん張りは効かないけれど数を翻弄するには適している。
なるべく傷つけないように、なるべく致命傷にはならないように3つの影の隙間を抜け、関節を打ち狙っていく。……とはいえ、操り人形にそんなことは無意味なようだけれども、
「足止め程度に効いてくれれば結構ですわッ……!」
不甲斐ない自分への憤りも纏めて叩きつけた。
そんな私の眼の前にふわりとリンさんは躍り出る。
巨大な斧の柄越しに甘い色をした瞳が見つめてきた。
「私のお願い気になるですー?」
「ーーーーっ」
振り下ろされる斧を躱し、突き返し、踏み込んで、切りつける。
持てる限りの速度を持って至る方向から斬りおろし、振り抜いては打ち合う度にまともに取り合うことのなかった彼女のことを思う。
嘗て、普通の「少女として」私たちと笑い合っていた少女の姿を。
「少なくとも貴方はッ……悪い人じゃありませんでした!! 人のことを思えるッ……優しい人でしたっ……!!」
腕を振るいながらも、この言葉が彼女に届くことはないのはわかっていた。
彼女にその記憶はない、彼女にとって私との面識はまだ一度きり。公園での一件だけだ。
例えここで私が何をしようとも、神の決断は覆らない。神の力には抗えないーー。
だけど、
「神様の世界なんてッ……認めるわけにはいきませんからッ!!」
打ち合った状態から勢い任せに振り下ろし、手応えが突然軽くなった。
反動を利用して距離を取られたのだとわかった瞬間には後ろから三人が飛びかかってきていて、咄嗟に電気のレールをひいて、その上を剣を滑らせる。横薙ぎに、しかし傷付けないように側面で叩きつける。けれどそれは一人目で止められ、二人目を抑え込む迄に剣先が頬を掠める。倒した体を貫くように槍は突き出され、武器を手放して後ろに「自分を引っ張る」。
「くっーーーー、」
後ろに倒れた体を支え、腕をついて転がるように包囲を抜ける。
「ッ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
ガラン、と重苦しい音が路地裏に響き。先ほどまで持っていた剣を桃井さんが拾うーー。軽々しく片手で弄ぶようにしてそれを眺め、指先でくるくると回しながら私を見つめた。
「あなたってさぁー? もしかして天然さんなのかなぁー? それともめんへらさんー? リンのファンで、勝手に思い上がっちゃってるって感じでもないよねぇ?」
くるくる、くるくると指先で回転する剣。雨粒を弾きならも器用にそれはスピンし、可愛らしい指先の上に止まっている。
「もしかしてリン達、何処かで会ったことあったりするのかな?」
剣が、地面に落ちた。
打ち続けていた雨は今も尚変わらず降り注ぎ、足音が消えた分その様相ははっきりと聞き取れる。
ドキドキと、心臓が音を高鳴らせていた。
もしかすると届くかもしれないという祈りが、胸の中で疼くのを感じ、一言目をゆっくりと飲み込んでから話し始める。
「……私たちは……何度も戦っています……、そう、何度も……何度も何度も。ーー繰り返し殺し合わされ、結果的に誰も救われることがなく、物語は巻き戻され続けています」
そう、それは私が神様から聞いたお話。
「私たちは永遠に続くループの中に放り込まれているんです……」
あの神様が告げたことが本当だとは俄かには信じられなかった。
神様たちの暇つぶしが「生き残った少女の願いによって」永遠にループさせ続けられているだなんて。
しかし、甦らされた記憶。願いを賭け、殺しあった過去、そして未来の私たちの映像。
それを思い出した時、言いようのない苦しみだけが胸の中で渦巻いていた。
己の願いのために誰かを出し抜き、大切な人を裏切ってまで願いを叶えようとした。
惨劇を無かったことにするために惨劇を生み続け、そしてその対価として掛け替えのない存在を奪われた。
力が及ばず、助けられず、そして救うこともできずに地に倒れた。
雨の、地を打つ記憶ーー。
「……貴方は……何か覚えていませんか……?」
記憶の中で桃井リンさんは狂犬のように他の子達を殺して回り、そして私たちによって倒された。
しかし、そうならない記憶も確かにあった。
出来た双子の姉にコンプレックスを抱きつつも、私たちと笑えていた記憶が……。
「キョーコさんと貴方……、案外いいコンビだったんですよ……? 大富豪で夜遅くまではしゃいだりして……」
これは祈りだった。そして願いだった。
もし何か届くものがあるのであれば、未来はきっと変えられる……!
いままで記憶にある子達に積極してきたけれど、みな、私との記憶について覚えていなかった。それはわかりきっていたことで、私だってゼウスが繰り返されるゲームに見かねて「特別に」記憶を蘇らせてくれたにすぎない。
もし、ここで私が敗れればその「特別」が再び訪れる日が来るのかわからない。その自覚のないまま「永遠のループ」を行い続け、殺し合い続けることになるかもしれない。それはどうしても阻止したかった。
このチャンスを逃してはならないと、戦いを止めなければいけないと、腕の中で奪われていく体温の記憶が、そう告げていた。
「ねぇ……、桃井さん……? 記憶が戻らなくても構いません……、どうか共に、このループから抜け出すために力を貸してくれませんか……?」
正直限界だった。自分しか覚えていないというのはとても辛い。
見知った人に知らない顔をされる、否、本当に知らない。
自分だけが異世界に迷い込んだような錯覚に陥り、気が狂いそうだっt。
「だからあのっ……、……桃井……さん……?」
言って、彼女の様子がおかしいことに気がつく。
虚ろだった瞳は更に空虚なものとなり、口に浮かべていた笑みは綻び、口角は下がりきっている。
「何度も……繰り返してるんですか……? 何度も、何度も、何度も……?」
「え……ええッ……、あの子が勝ち続ける限り、この戦いはーー、」
言葉につまり、困惑しーー、掛ける言葉が見つからない私を前に彼女は、
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ーー嗤った。
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