6 / 19
第一章
苦戦
しおりを挟む
双魔剣のウザルの剣と僕の拳がぶつかり合い、火花をあげた。
「なっ!?」
火花をあげて-------------押し負けた。
「かはっ!!!」
吹っ飛ばされ、瓦礫に突っ込み、受け身も取れず、背を強く打ち付ける。
なんて、パワー。
「威勢が良い割には、こんなもんか!!!」
「くっ!!!」
ウザルの追撃を慌てて、避ける。
避けて、すぐ様、奴の頬を目掛けて、回し蹴りをお見舞いする。
だが------------------
嘘だろう!!?
僕の強烈な回し蹴りを喰らって、吹っ飛ぶどころか---------
「何だ? この陳腐な蹴りは? まさか、それが貴様の本気じゃねぇだろうなぁ…………? もしそうなら----------」
この俺様には勝てない。
奴は…………ウザルはそう答えると、蹴った僕の足を掴んで、力任せに地面に叩き付けた。
「おらおらおらぁあああああーーー!!!!
」
何度も何度も地面に叩き付けては、投げ飛ばして、再び、僕の足を掴んで、叩き付けては投げ-------------
奴は僕の戦意や気力を奪うのを楽しむかの如く一方的に痛ぶり、遊んだ。
力は向こうの方が上。
当然だ。
だって向こうは、僕の兄以外は誰も敵う事はなかった魔族軍の傑物だ。
鼻から勝ち目なんてなかった。
下手にぶつかり合ったら、こちらが根負けする。
そんな事は分かっていた。
「ぁぁ…………ぁ…………ぁぅ…………」
「ふんっ、所詮、口先だけの唯のガキか」
「あああああっ!!!!」
執拗に、僕を痛ぶるウザル。
何度も、殴る蹴る斬るといった暴力の限りを奴は尽くした。
「全く、つまらん期待をさせやがって…………。まぁ良い、お楽しみはまだ、残っているみたいだしなぁ…………」
「ひっ…………!!!」
そして、興味を無くしたのか、ウザルは地面に覇気なく、倒れ伏す僕から視線を外して、邪悪な笑みを向けた。
何とか、その方向へ顔を向けると、そこには、逃げ遅れたであろう子供達の姿があって-------------
「貴様を片付けた後は、あいつらで楽しませて貰うか」
「……………………はぁ?」
段々と意識が薄れて行く中、ウザルが言い放った言葉を聞いて-------------僕の中で、何かが弾けた。
は?
楽しむだって?
あんな年端もいかない子達で?
「……………………」
「あぁ? 何か、言ったか?」
「……………………ん…………」
「聞こえないっつってんだろ!? 何だって!?」
「………………死んどけ……………」
「っ!?」
ウザルの奴が突然、目の前から消えた。
いや、俺が消した。
立ち上がった俺の視線の先には、腹に大きな風穴を開けて、近くの民家へと突っ込んだウザルの姿があった。
「き、貴様、何を-------------」
「黙れ」
「なっ!? がっ!? ごっ!!!」
とりあえず、殴った。
殴って殴って、奴が吹っ飛ばされた先に先回りして、殴る。
唯ひたすらに、そうした。
そうして、奴が王都の頭上-------------数キロ離れた上空から踵落としを脳天に直撃させた。
「ぅぅぅぅうううあああああああーーーーーーー!!!!!!!!!」
直撃させ、地面に叩き付けられて、数メートルものクレーターが出来た。
「ば、馬鹿な…………こんな、ありえん…………」
「現実だ…………このクソ野郎」
そんで、寝転がる奴の頭を掴んで、膝蹴りを喰らわせた。
喰らわせて、飛んで行った先、ウザルの奴が一方的にボコられるのを呆然と眺めていた魔族の連中へ命中。
丁度良い。
これで、纏めて消し飛ばせる。
『ダイヤモンド・バースト』
そう口にして、魔族共のいる方へと右の掌を向ける。
すると、その掌に、無数の光が集まり、一つの巨大な光の球体として、形を成して行き-------------
神々しい巨大な光が魔族共へと一直線に放たれた。
「ば、馬鹿なああああああーーーーー!!!!!!」
光が止むと、光に飲まれた魔族共の姿のみが消え去っており、ウザルが使っていたと思しき二振りの剣が転がっていた。
「お、おい…………一体、何が…………」
「ウ、ウザル…………様…………?」
「ウザル様が…………やられた…………?」
声がする方へ顔を向けると、信じられないものでも見るかのように、恐怖に歪んだ魔族共の姿が見える。
そんな魔族共に対して僕は-------------
「失せろ」
何の感情もない冷め切った口調で言ってやった。
すると、一人の魔族が、剣を地面に落とすなり、逃げ出した。
それに呼応するように、魔族という魔族が全速力で逃げ出し始めた。
「て、撤退!!!」
「撤退しろーー!!!」
「ウザル様がやられたああああ!!!」
「あんな化け物がいるなんて聞いてねぇよ!!!!」
「勝てる訳がねええええーーー!!!!」
「魔族共が逃げるぞ!!!!」
「追ええええ!!! 逃すなああああーー!!!!」
逃げる魔族に対して、王都の騎士や冒険者が追撃を始める声が聞こえた。
聞こえて-------------
「……………………!!」
一瞬、クラっとして、思わず、膝を付いていた。
どうやら、ウザルに受けたダメージが相当でかいらしい。
此処で意識を失うのはまずい。
非常にまずい。
「あ、あの…………大丈夫…………」
「くっ…………!!!」
「あ…………」
何か、聞こえた気がしたが、何処かに隠れないと-------------!!!!
何処か、何処か…………。
「!? あそこは…………」
よし、ここ…………な…………ら…………?
あれ?
力が入らない?
ま、まずい…………いしき…………が…………。
「おい!!! 大丈夫かい!!! しっかりおし!!!」
「なっ!?」
火花をあげて-------------押し負けた。
「かはっ!!!」
吹っ飛ばされ、瓦礫に突っ込み、受け身も取れず、背を強く打ち付ける。
なんて、パワー。
「威勢が良い割には、こんなもんか!!!」
「くっ!!!」
ウザルの追撃を慌てて、避ける。
避けて、すぐ様、奴の頬を目掛けて、回し蹴りをお見舞いする。
だが------------------
嘘だろう!!?
僕の強烈な回し蹴りを喰らって、吹っ飛ぶどころか---------
「何だ? この陳腐な蹴りは? まさか、それが貴様の本気じゃねぇだろうなぁ…………? もしそうなら----------」
この俺様には勝てない。
奴は…………ウザルはそう答えると、蹴った僕の足を掴んで、力任せに地面に叩き付けた。
「おらおらおらぁあああああーーー!!!!
」
何度も何度も地面に叩き付けては、投げ飛ばして、再び、僕の足を掴んで、叩き付けては投げ-------------
奴は僕の戦意や気力を奪うのを楽しむかの如く一方的に痛ぶり、遊んだ。
力は向こうの方が上。
当然だ。
だって向こうは、僕の兄以外は誰も敵う事はなかった魔族軍の傑物だ。
鼻から勝ち目なんてなかった。
下手にぶつかり合ったら、こちらが根負けする。
そんな事は分かっていた。
「ぁぁ…………ぁ…………ぁぅ…………」
「ふんっ、所詮、口先だけの唯のガキか」
「あああああっ!!!!」
執拗に、僕を痛ぶるウザル。
何度も、殴る蹴る斬るといった暴力の限りを奴は尽くした。
「全く、つまらん期待をさせやがって…………。まぁ良い、お楽しみはまだ、残っているみたいだしなぁ…………」
「ひっ…………!!!」
そして、興味を無くしたのか、ウザルは地面に覇気なく、倒れ伏す僕から視線を外して、邪悪な笑みを向けた。
何とか、その方向へ顔を向けると、そこには、逃げ遅れたであろう子供達の姿があって-------------
「貴様を片付けた後は、あいつらで楽しませて貰うか」
「……………………はぁ?」
段々と意識が薄れて行く中、ウザルが言い放った言葉を聞いて-------------僕の中で、何かが弾けた。
は?
楽しむだって?
あんな年端もいかない子達で?
「……………………」
「あぁ? 何か、言ったか?」
「……………………ん…………」
「聞こえないっつってんだろ!? 何だって!?」
「………………死んどけ……………」
「っ!?」
ウザルの奴が突然、目の前から消えた。
いや、俺が消した。
立ち上がった俺の視線の先には、腹に大きな風穴を開けて、近くの民家へと突っ込んだウザルの姿があった。
「き、貴様、何を-------------」
「黙れ」
「なっ!? がっ!? ごっ!!!」
とりあえず、殴った。
殴って殴って、奴が吹っ飛ばされた先に先回りして、殴る。
唯ひたすらに、そうした。
そうして、奴が王都の頭上-------------数キロ離れた上空から踵落としを脳天に直撃させた。
「ぅぅぅぅうううあああああああーーーーーーー!!!!!!!!!」
直撃させ、地面に叩き付けられて、数メートルものクレーターが出来た。
「ば、馬鹿な…………こんな、ありえん…………」
「現実だ…………このクソ野郎」
そんで、寝転がる奴の頭を掴んで、膝蹴りを喰らわせた。
喰らわせて、飛んで行った先、ウザルの奴が一方的にボコられるのを呆然と眺めていた魔族の連中へ命中。
丁度良い。
これで、纏めて消し飛ばせる。
『ダイヤモンド・バースト』
そう口にして、魔族共のいる方へと右の掌を向ける。
すると、その掌に、無数の光が集まり、一つの巨大な光の球体として、形を成して行き-------------
神々しい巨大な光が魔族共へと一直線に放たれた。
「ば、馬鹿なああああああーーーーー!!!!!!」
光が止むと、光に飲まれた魔族共の姿のみが消え去っており、ウザルが使っていたと思しき二振りの剣が転がっていた。
「お、おい…………一体、何が…………」
「ウ、ウザル…………様…………?」
「ウザル様が…………やられた…………?」
声がする方へ顔を向けると、信じられないものでも見るかのように、恐怖に歪んだ魔族共の姿が見える。
そんな魔族共に対して僕は-------------
「失せろ」
何の感情もない冷め切った口調で言ってやった。
すると、一人の魔族が、剣を地面に落とすなり、逃げ出した。
それに呼応するように、魔族という魔族が全速力で逃げ出し始めた。
「て、撤退!!!」
「撤退しろーー!!!」
「ウザル様がやられたああああ!!!」
「あんな化け物がいるなんて聞いてねぇよ!!!!」
「勝てる訳がねええええーーー!!!!」
「魔族共が逃げるぞ!!!!」
「追ええええ!!! 逃すなああああーー!!!!」
逃げる魔族に対して、王都の騎士や冒険者が追撃を始める声が聞こえた。
聞こえて-------------
「……………………!!」
一瞬、クラっとして、思わず、膝を付いていた。
どうやら、ウザルに受けたダメージが相当でかいらしい。
此処で意識を失うのはまずい。
非常にまずい。
「あ、あの…………大丈夫…………」
「くっ…………!!!」
「あ…………」
何か、聞こえた気がしたが、何処かに隠れないと-------------!!!!
何処か、何処か…………。
「!? あそこは…………」
よし、ここ…………な…………ら…………?
あれ?
力が入らない?
ま、まずい…………いしき…………が…………。
「おい!!! 大丈夫かい!!! しっかりおし!!!」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる