聖女は男で、反逆者で、救世主?

水先 冬菜

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第1章 救世の聖女

絶望からの祝福

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「シリアさん! ちょっと手伝ってくれないかしら!?」

 まず、私は戦闘を行いながら、双子の聖女の片割れこと、第二聖女である《城壁》のシリア・バースの所に辿り着くと協力を要請した。

 互いに背中を守るような体制で話しているので、彼女は視界に入っていないが…………。


 変わりに----------------

「協力受諾…………!」

 すぐ様良い返事を貰えた。

「なら、私が今言う事を実行してみて!」

 私は詳しい内容を彼女に話すと--------

「異彩承知…………!」

 --------彼女は力強く了承してくれた。

 そして、彼女は大楯を地面に深く突き立て、とある魔法の詠唱に入る。

「ユリ! 全力でシリアを守りなさい!」

 私はと言うと、彼女を守りつつ、気づいたユリシアはすぐに騎士や他の聖女達にも指示を飛ばし、シリアの周りに皆が集まる。

「加勢します!」

 先程まで森の中に隠れていた王女も合流し、本格的な防衛戦が展開された。

 シリアがを発動させるにはおよそ三十秒ほどの時間が必要だ。

 皆が合流するまで、大体十秒程の時間が過ぎたはずだ。

 なら、残り二十秒ほどかな…………。

「させるかよ!」

「アスカ後ろ!!」

「っ!?」


 聖女アスカの後ろに迫っていた魔物を私が撃ち抜く。

「ありがとう!」

「お礼を言うぐらいなら手を動かす!」

「ご、ごめん--------」

「邪魔よ!」

 ユリシアがアスカを突き飛ばすと、突撃してきた魔物を刀で受け流し、もう片方の刀で斬り伏せる。

「痛い! 痛いよユリィ!!」

「ふざけているくらいならとっと手を動かしなさい!」

「分かっているわよ! 今に見てなさい!?」

 涙目になりながら文句を垂れ流しながらもクリスの援護の元、次々と矢で魔物を射抜いていくアスカ。

 ミリアはというと…………

 いう必要もないほど、無邪気に魔物を圧倒して……………………。

「あはははっ!! たのしい!!!」

 見なかった事にしよう…………。

 とりあえず、後五秒…………!


 3…………!

 2…………!

 1…………!

聖域ホーリー・フィールド…………!」


 シリアの魔法が発動すると、空と大地の両方に巨大な魔法陣が展開した。

 すると、魔物達の動きが鈍くなり始めて…………。
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