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第1章 救世の聖女
第一聖女
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「いらっしゃあ~い。れいくぅん!」
「ようこそ」
膝から崩れ落ちた俺に手招きする魔女どもこと聖女アスカとクリティシア姫。
いい笑顔だ事で…………。
とりあえず…………。
「依頼を破棄してくる…………」
俺は立ち上がるとそそくさと来た道を戻ろうとする。
だが、二人は両サイドから俺の腕に抱きついてニコリと微笑む。
「「逃がさないわよ!」」
「離しやがれ! 鬱陶しい!!」
「そこまで!!」
あぁ…………。またまた、聞き覚えのある声がする。
振り返ると俺達を冷ややかに見つめる一人の女性がいる。
両腕に絡みついていた二人はいつの間にか離れて、強張った表情で顔を青くして佇んでいた。
正直、俺自身も同じ顔をしているのだろう。
俺だって恐えんだから…………。
女性は騎士達が道を開くとその間を優雅に通り過ぎ、俺の前までやって来た少女。
あれ以来会う事もないだろうと思っていた人物。
聖女のトップにして、世界最強と謳われているアルバート皇国の第一聖女。
ユリシア・エメラルドが殺気のこもった瞳で、にこやかに微笑んでいた。
------------------------------------------
「以上が作戦の概要になります」
あれから俺は聖女ユリシアに言われるがまま、簡易テント内で指揮官らしき騎士の話を聞いていた。
俺としては、さっさとクエストを破棄して、別の仕事をしたいとその場を離れようとしたが、ムカつく事に、あの女は俺が最も欲しがっているものを報酬として差し出してきた。
それは------------今回の作戦が終了次第、アルバート皇国及び周辺諸国は俺との関係を完全に断ち、今後一切の協力を求めない。
要するに、これ以上は私達はあなたに迷惑はかけないから後は好きにしてね。
という事なのだ。
正直に言えば、悪い話ではない。
これ以上、聖女やら魔王やらに関わり合いたくない。
俺は俺の気の向くまま、自由に残りの余生を謳歌したいのが本音だ。
ただでさえ、身に覚えのない反逆罪で国を追いやられた身だ。
国がどうなろうが知った事ではない。
だが、提案してきた相手が相手だけに信用できない。
何せ、あの第一聖女様は最も俺を裏切った人物だったからだ。
「ようこそ」
膝から崩れ落ちた俺に手招きする魔女どもこと聖女アスカとクリティシア姫。
いい笑顔だ事で…………。
とりあえず…………。
「依頼を破棄してくる…………」
俺は立ち上がるとそそくさと来た道を戻ろうとする。
だが、二人は両サイドから俺の腕に抱きついてニコリと微笑む。
「「逃がさないわよ!」」
「離しやがれ! 鬱陶しい!!」
「そこまで!!」
あぁ…………。またまた、聞き覚えのある声がする。
振り返ると俺達を冷ややかに見つめる一人の女性がいる。
両腕に絡みついていた二人はいつの間にか離れて、強張った表情で顔を青くして佇んでいた。
正直、俺自身も同じ顔をしているのだろう。
俺だって恐えんだから…………。
女性は騎士達が道を開くとその間を優雅に通り過ぎ、俺の前までやって来た少女。
あれ以来会う事もないだろうと思っていた人物。
聖女のトップにして、世界最強と謳われているアルバート皇国の第一聖女。
ユリシア・エメラルドが殺気のこもった瞳で、にこやかに微笑んでいた。
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「以上が作戦の概要になります」
あれから俺は聖女ユリシアに言われるがまま、簡易テント内で指揮官らしき騎士の話を聞いていた。
俺としては、さっさとクエストを破棄して、別の仕事をしたいとその場を離れようとしたが、ムカつく事に、あの女は俺が最も欲しがっているものを報酬として差し出してきた。
それは------------今回の作戦が終了次第、アルバート皇国及び周辺諸国は俺との関係を完全に断ち、今後一切の協力を求めない。
要するに、これ以上は私達はあなたに迷惑はかけないから後は好きにしてね。
という事なのだ。
正直に言えば、悪い話ではない。
これ以上、聖女やら魔王やらに関わり合いたくない。
俺は俺の気の向くまま、自由に残りの余生を謳歌したいのが本音だ。
ただでさえ、身に覚えのない反逆罪で国を追いやられた身だ。
国がどうなろうが知った事ではない。
だが、提案してきた相手が相手だけに信用できない。
何せ、あの第一聖女様は最も俺を裏切った人物だったからだ。
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