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第1章 救世の聖女

ストーカー共の最終手段

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 あれから数日が過ぎた。

 あのクソ野郎共ことあのストーカー集団改め、国王陛下と付属品共は今日も今日とて土下座&謝罪を繰り返して、あいも変わらず懇願中こんがんちゅう……。

 正直、あいつらに抱いている憎悪ぞうおとかを差し引いても、正直引く……。


 というか、不気味な感じだ。

 結構、俺、国王とか騎士団とかボコボコにしてるんだが、普通これって不敬罪ふけいざいとか反逆罪とかの対象になると思うんだが、そんな様子が全くない。

 というか、起こす気配がない。

 何か、最近じゃ目が血走ってて、正直今も寒気がしてしょうがない。

 ………………………嫌な予感がする…………。

 本格的に町から離れる事を考えるか……。


------------------------------------------

 一方その頃--------

 とある宿舎の一室にて、国王陛下とアレクトラを含めた騎士団のメンバーで話し合いが行われていた。

「このままではまずい……!」

 国王であるニクラセイが口を開くとアレクトラを含めた騎士団達からも動揺が走る。

 その光景にはこの部屋にいる者達全員に、明らかな焦りや怯えが見て取れた。

「このままではを味方に引き入れるどころか、話し合いすら応じて貰えん」

「では、どうなされるのですか?」

「だからこそのこの場であろうが!! お前達、何か打開策はないのか!?」

 国王の言葉に部屋の者達は一斉に顔を背ける。

 それが国王をより焦らせた。

「おい、アレクトラ!! 貴様は何かないのか!!? そもそも、お前があんな事をしなければこんな事にはならなかったのだぞ!!!」

「……………………」

 アレクトラは国王に呼ばれても一向に顔を背けたまま、目を合わせようとはせず、沈黙を貫いた。


 実を言うと、レイフォードが反逆罪で追放されてから数日後に、レイフォードにかけられた反逆行為はアレクトラが仕組んだものだという事がの進言ですぐに判明した。

 国王ニクラセイはアレクトラをすぐに捕縛すると山のような証拠や尋問した協力者を全て白日の下に晒した。

 多少時間はかかったが、アレクトラは全ての罪を認め、国王はアレクトラとフォーエンハイツ家の地位、財産、領地といった全てのものを没収し、金貨数千万枚の賠償金を国と被害を被ったクロスマキナ家に支払う事になり、国内全ての信頼を失った。

 今では、犯罪奴隷という形で、国王ニクラセイの元、雑用係として日々こき使われているのだ。

「チッ…………!」

 国王は忌々しげに睨みつけて、舌打ちすると、再び頭を抱えてしまった。

 そして、何かを吹っ切ったかのように大きなため息を吐くと、周りを見渡し、こう告げた。

「こうなったら、最終手段に出るぞ……」

 再び皆、動揺するが、それしかないと、すぐに理解し、項垂れた。

 もうそれしかないと--------誰もが理解していた。

 それだけ、アルバート皇国は追い詰められていた。

 レイフォードをアルバート皇国に連れ帰り、の信頼を取り戻さねば--------


 国王はあるであろう皇国の未来を浮かべ、頭を横に振った。

 そして、すぐさまアレクトラ以下騎士団に指示を出したのだった。
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